フレンチ・カンカン
- 2012年03月19日
古い映画が好きです。
昔の映画は、シンプルなストーリーのものが多いように感じます。
先日は「フレンチ・カンカン」を観ました。
資料によれば、1954年の作品とのこと。
結構、前ですね。
ですが、古さをまったく感じさせない、いい映画でした。
これも、シンプルなストーリー故ではないかと。
主役は、衣服を洗濯する仕事をしている女性。
映画は、この女性の成長物語を軸に進んでいきます。
王道まっしぐらのストーリー展開なのですが、そこには、なかなか苦い味わいのエピソードが挟まれています。
この苦みが、作品に深みを与える、いい味付けとなっています。
「あー、そうなのよ。そういうこと、するね、男は」と、思わず、声を出しそうになってしまうほど、気が付けば、すっかり、主役の女性に肩入れしていました。
最後に、件の女性が、店で、ほかのダンサーたちと踊りまくります。
この女性ダンサーたちに、店の男性客たちが声援を送るシーンなのですが、これが、もう凄くって。
「撮影中とか、関係なく、本気で楽しんでますよね?」と言いたくなるほど、男たちがノリノリなんです。
この本気で楽しんでいるといった雰囲気が、女性ダンサーたちの気持ちも盛り上げていくという相乗効果に。
物凄い熱気の中、いろんなものを背負って、受け入れて、それでも踊ることに決めた女たちの、踊れる喜びが、ストレートに胸に響いてくるんです。
このシーンには、びっくりしましたし、感動しました。
こういう集団が放つ熱を、文字だけで表現しようとすると・・・と、すぐに小説の場合はと、考えてしまうのですが、かなりの筆力がないと難しいだろうと思います。
いつかは、挑戦してみたいですが。