合コンでの嘘
- 2012年03月22日
昔々、合コンに参加させられた時のこと。
人数合わせと要員として、友人に拝み倒され、参加した私は、どーでもいい感を全身から出していました。
「どんな仕事をしてるの?」といった話題になり、私は、さて、どうしたもんかと考えます。
当時、フリーライターをしていた私は、以前、合コンの席で、正直に話して、えらい目に遭った経験が何度もありました。
なぜだかわかりませんが、フリーライターという職種に、妙に興味を示す人ってのが、合コンには必ず複数存在しているのです。
そうした人たちから、どんなものを書いているのか、どこに書いているのか・・・といった、質問攻めに遭ってしまうのです。
どうせ、三十分後には忘れてしまうに違いない人に、丁寧に説明するような親切心は持ち合わせておらず、ただただ面倒なだけ。
そこで、その日、どーでもいいレベルの高かった私は、なにか別の仕事をしていることにしようと、嘘をつくことに決めました。
端から順に、仕事を発表していきます。
そして、私の番。
「JRの五反田駅で、お団子を売ってます」
途端に、幹事の女の友人から、キツい視線が飛んできます。
私の噓は、イケてなかったでしょうか?
と、目だけで、友人に問い掛けると、友人の目は、細まっていき、その目からは、「後で、トイレな」と言われているような気がしました。
同じ友人主催の別の合コンで、またまた、仕事の話に。
ほかに話題はないんかい? と心の中で突っ込んでいる間に、私の番に。
そこで、「ヒヨコのオスとメスの鑑別です」と言ってみました。
たちまち突き刺さってくる、友人の視線。
またまた、イケてない? と目で尋ねる私に、友人は顎を少し動かしただけで、「今すぐ、トイレで、話し合いだ」というメッセージを送ってきましたっけ。
私の噓のクオリティーへの評価は、置いておくとして、この時不思議だったのは、男性陣たちのリアクションの低さ。
もし、私が男だったら、「1日、団子はいくら売れるのか?」「団子の損益分岐点は、どこなのか?」「どうやってオスとメスを見分けているのか?」「オスとメスと分けた後、どうするのか?」・・・と、質問攻めにしているところなのですが、合コンの男性陣たちは、「へぇ~」といった程度の薄い反応のみ。
フリーライターより、よっぽど、謎に満ちている仕事だと思うのですが・・・。
ま、質問がゼロだったお陰で、私の噓はバレずに、済みました。
トイレでは、友人から、「あんたが噓をつくと、こっちも、それに合わせなくちゃならなくって、大変なんだからね。フツーのOLってことに、すりゃ、いいじゃん」と、怒られましたが。