• 2013年03月07日

世の中には、解明できずに、謎のままといったことが結構ありますね。

以前住んでいた街には、鳥の鳴き声という謎がありました。
夕方、商店街を歩いていると、鳥の鳴き声が聞こえてきます。
これ、一羽、二羽といった量ではなく、何千羽いるんだろうかといったぐらいの鳴き声。
えっ? と、空を見上げてみますが、鳥の姿はゼロ。
やがて、空から聞こえてくるといより、もっと近くから聞こえてきていると気付きます。
でも、鳥の姿はゼロ。
その商店街は、一階を店舗、二階を住居としているところが多かったのですが、そんな大量の鳥を飼っていそうな店舗も住居も見当たりません。
でも、鳥の鳴き声は確かに聞こえてくる。
なんだろう、これは。
鳥好きな人が、大量に室内で飼っているのか、ブリーダーのような人が住んでいるのか。
わからないまま、月日が過ぎていきました。
ほぼ同じ時間に商店街を歩いていても、聞こえる日と、聞こえない日があるのも不思議でした。
やがて、そうした不思議にも慣れてしまい、聞こえてきても、あぁ、今日は聞こえているな、ぐらいにしか感じなくなっていました。
ある日、私の前を歩いていた人が、突然、空を見上げたり、きょろきょろと辺りを窺ったりしている様子を発見しました。
少し前の、私も、あんな感じで、鳥の鳴き声に反応していたのだろうと思うと、仲間意識のようなものを感じました。
そして、きっと、あなたも、謎を謎のままにして、やがては受け入れるのだよと、心の中で呟いていましたっけ。
その後、その街を引っ越しましたので、今も、謎の鳥の鳴き声があるのかどうかは、わかりません。

謎のままという話をもう一つ。
同じマンションの四階に住むカップルがいまして、男性より女性の方が、かなり年上と、お見受けしておりました。とても仲がいいようで、いつも二人一緒。同じ職場なのか、夕方頃、二人揃って出勤する姿を何度か見かけていました。
ある日、エレベーターで一緒になった二人組を、ちらっと見ると、一人は四階に住んでいる男性。
が、隣にいるのは、初めて見る若い女性。
おいおい、浮気なら、彼女の家に行け、などと、心の中でつっこみました。
しばらくして、また、四階に住む男性を見かけた時には、隣には浮気相手の若い女性がいて、どうも一緒に四階で暮らしている様子。
浮気じゃなかったのかよ、年上の人はどうなったのかよと、その男性の襟首を摑んで、問い質したくなってしまいました。もう、自分の立ち位置が、わからなくなってますね。
が、そんなこと、できるわけもなく。
それから半年ほど経ったある日。
インターフォンが鳴ったので、モニター画面を覗くと、見知らぬ男性が。
「私、弁護士の○○と申しますが、四階に住んでいた△△さんが、どこに行ったか、ご存知ありませんか?」と質問されました。
つい、「△△って、男性の方ですか?」と聞いてしまったところ、「賃貸契約書は女性の名前ですが、男性と一緒に住んでいたのでしょうか?」と質問返しされてしまい、迂闊なことを言ってはいけないぞと、心の声がしたので、「ほかの階の方と勘違いしました」と返答。
弁護士さんは四階の女性は夜逃げしたと語り、いつから姿を見なくなったか、引っ越し業者のトラックなどがマンションの前に停まっていたことはなかったか、と尋ねてきました。
△△さんとは、最初の年上の女性でしょうか? それとも、後から登場してきた若い女性?
夜逃げって、どういうことでしょう。
弁護士さんが登場した理由は?
謎、たくさんあり過ぎ。
ドラマでしたら、最終回までに、すべてが明らかになるでしょうが、現実は、これが最終回。
謎は謎のまま。
世の中には、こういうこと、結構ありますよね。

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