「ハーブ&ドロシー」
- 2013年04月01日
今日は、最近観た、DVDの中で、面白かったものをご紹介・・・。
「ハーブ&ドロシー」は、知り合いの編集者が、とても良かったと言っていたので、借りてみて、出会った作品。
観終わった後、とても幸せな気分になれるドキュメント映画でした。
ハーブとドロシーは、郵便局員と図書館司書の夫婦。
この夫婦が、素人ながら、ただ、「好き」とか「ステキ」という感覚だけを頼りに、現代アートを買い続け、30年経った時、小さな2人のアパートに山積みされた作品群は、世界屈指のコレクションになっていたといった、お伽噺ようなドキュメント映画です。
アートコレクションなんていうと、お金持ちの道楽か、成金の自己顕示欲の現れか、ぐらいだろうと思い込んでいましたが、こんな風に、「好き」の気持ちだけで、アートを楽しむ人たちもいるのだと知りました。
この老夫婦が、とってもチャーミングなんですね。
夫婦喧嘩も、味わいがあるんですよ。年期入っているし。
展覧会会場で、夫が若い女性と話をしているのを、妻が見て「私の夫と話している女は、誰なの?」というセリフがあるんですが、これが、なんともいいんですねぇ。
焼き餅っていうのも、いいもんだなと思えます。
次は「ヘルプ~心がつなぐストーリー~」をご紹介。
上流階級に生まれた作家志望の女性が、白人家庭で働く黒人家政婦たちにインタビューをして、本にするという話がベース。
「差別」という大きなテーマのほかにも、たくさんの「幸せ」と「不幸せ」が描かれています。それらの多くは、時代が変わった現代と共通するもの。人が望むもの、なかなか手に入らないもの、自ら捨ててしまうもの――こうしたものは、普遍なんだなぁと、しみじみとしてしまいました。
強くて、それでもユーモアを忘れない女性たちが、なんとも魅力的に描かれています。