オッサンの人差し指が
- 2013年06月06日
電車の中でのこと。
その車内は空いていて、ほぼ全員が座っている状態でした。
私はシートの中央付近の場所を確保し、のんびりと窓外の景色を眺めたり、中吊り広告の文字を追ったりしていました。
ふと、向かいの席の男性に目が留まると・・・。
四十代と思しきスーツ姿の男性が、熱心にスマホを操作しています。
左手に持ったスマホを、左の親指でタップしています。
が、問題は右手。
右の人差し指は、なんと、自分の口の中に。
人差し指を銜えた状態で、スマホをしていたのです。
多分、人差し指を銜えているという意識、ないんでしょうね。
無防備過ぎます。
中年のオッサンが、堂々と人前で、自分の指を銜えているのを見たのは、生まれて初めてでした。
このオッサン、会社のパソコンを操作する時は、大丈夫なんでしょうか?
多分、大丈夫じゃないよなぁ。
パソコンのキーボードを叩く時は、口から指が離れたとしても、ずっと叩いている仕事というのはあまりないような。
考えたり、画面を見たり、といった時間は、少なからずあるのでは。
としたら、やっぱり、いっちゃうんじゃない? 指が口に。
だとすると、絶対、女子社員たちから、陰で変なニックネーム付けられてるだろうなぁ。
でも、本人が気付いてないから、直すことはできないし。
なにかに夢中になればなるほど、彼は指を銜え、それを見た女子社員たちは「またやってるわよ」と目配せをしあったりするんだろうなぁ。
ここはひとつ、上司から「君、指を銜えるのは、やめたらどうかな」と注意してあげてほしい。
でも、「それ、パワハラです」となったりしたら困るから、見て見ぬふりしてるのかなぁ。
こういう時、まったく空気を読めない新人君なんてのが1人いるといいんだよなぁ。
「○○さん、なにしてるんっすか、指なんて銜えて」とさらっと軽くつっこんでくれたりして。
職場は一瞬凍り付くんだけど、とうとう言ってくれた、なんて、少しほっとした空気が流れたりするんだろうなぁ。
なんて、妄想を膨らませているうちに、電車は私が降りるべき駅に到着。
指を銜えたオッサンのこれからが、やけに気になり、後ろ髪を引かれる思いで、私は電車を降りたのでした。