車の運転
- 2013年07月01日
最寄り駅から自宅へと向かっている時でした。
角を曲がり、小さな飲食店が並ぶ狭い道に入ったところ、タクシーが立ち往生していました。
そこの通りは、車1台がぎりぎり通れるぐらいの道幅。
が、その先は、行き止まり。
間違えて入ってきちゃったんでしょうね。
100メートルほどバックして、大通りに出るしかありません。
タクシーはちょっとずつ、ちょっとずつ、バックしていきます。
そのタクシーのせいで、歩行者は足止めを食っており、気が付けば、タクシーを取り囲むように、人がどんどん増えていました。
タクシーの運転手にとっては、物凄い、プレッシャーとなっていること、間違いなし。
それじゃなくても、入っちゃいけないところに入ってしまって、こっぱずかしいところへもってきて、早くバックしろよという顔をした歩行者たちに取り囲まれているんですから。
もし、私だったら・・・。
間違いなく、車を降りて、「運転の上手い方、いらっしゃいましたら、変わっていただけないでしょうか?」と声を上げていますね。
やったこと、あるんです。
契約していた駐車場近くのこと。
下水工事をしていて、車道は半分ほどが塞がれていました。
マズい。
と運転席の私は思いましたが、工事関係者らしき男性は赤い棒を振り回し、行けると合図してきます。
ムリ。絶対、ムリ。
と、早々に判断した私は、車を降り、訴えました。
「あなたは通れると判断されているようですが、私は運転が下手で、この幅に車を通すことは無理だと思います。とはいっても、通らないわけにはいかないので、恐れ入りますが、運転を変わっていただけないでしょうか? あそこが、駐車場で、あそこに停めたいんです」と。
えっ?
という顔をしていましたね、その男性は。
それでもしつこく訴え続けていたら、なにかを決意するかのように「わかりました」と言ってくれました。
そして、運転席に座ると、ゆっくりと狭い車道を進んでいきました。
と、工事作業の音がぴたっと止んでいることに気が付きました。
作業をしていた5人のスタッフたち全員が、機械を止め、きょとんとした顔で、私の車を運転する仲間を、目で追っていたのです。
駐車場にぴたっと停めて、降りてきた男性に、私は深々とお辞儀をし、何度もお礼を言いました。
あっ、いえ。
と言葉少なに、仲間の元に戻る男性。
その男性を迎えた仲間たちの口が、「お前、なにしてんの?」と言っているように見えました。
さらに、事情を聞いたらしい人の口元が「マジで?」と言っているようにも見えたのは、気のせいではなかったように思います。
無理と思ったら、事情を説明し、代わりにやってもらう。
結果、何度もの危機を、助けていただきました。
助けてくださった方々に、深く感謝しております。