「手の中の天秤」の発売
- 2013年07月11日
単行本の「手の中の天秤」が発売になります。
書店には、11日か、12日ぐらいに並び始めるそうです。
この新作は、裁判員制度が進んでいった先が、こんな風になったら・・・という架空の設定で、物語が進んでいきます。
興味のある方は、このHP内にある、「手の中の天秤」のエピソードページをご覧いただくか、実際に書店で本を手にお取りください。
仕事場に飾り棚があり、新刊が手元に届くと、そこに飾ります。
そこには、これまで発売した本が、ノーコンセプトの順で並んでいます。
「手の中の天秤」を空いているスペースに収めようとした時、こうした黒ベースの装丁は、単行本では初めてだったな、と気付きました。
装丁はとても大事で、編集者と何度も話し合って、決めていきます。
私から具体案を提示はできないので、デザイナーさんから上がってきた案を見て、あーだこーだ意見を言うだけなのですが。
これ、1度迷い出すと、大変なんです。
こっちもいいような気もする。
でも、こっちの方が、目立つ気もするし、いや、こっちの方が、作品の世界観に近いんじゃないだろうか、なんて。
さらに、私の意見と、編集者の意見が違うことも勿論あり、さらに営業担当は、別の意見がある、となることもあって、そうなると、さて、どうしたもんかと。
このまま本にならないんじゃなかろうかと思う時さえ、あるのですが、これが不思議なもんで、なんとか調整し、ちゃんと形になるんですね。
調整役の人、ご苦労様でした、と労う気持ちになったことが、何度もありました。
「手の中の天秤」では、デザイナーさんから上がってきた複数の案から、徐々に絞り込んでいったのですが、私と編集者の意見が大体同じだったため、実に平和な道のりとなりました。
重厚さと疾走感が絶妙に混じり合った、素敵な装丁になりました。
中身も、装丁に負けないぐらいのものだったらいいのですが・・・。
まずは、ご一読を。