皮膚科で

  • 2013年07月15日

以前、通っていた皮膚科クリニックでのこと。
そこは駅から15分ほど歩いた住宅街の中にあり、不便さでいったら、かなりの高ポイント。
午前9時の診察開始に合わせて、10分前に受付を済ませ、皮膚科のドクターがいる診察室の前の長椅子に座りました。
そこは、内科と整形外科もあるのですが、ドクターの名字が全員同じなのを見ると、一族経営なのでしょう。
税金対策なのか、下のフロアでは、ミニミュージアムを開いているそうで、拝観料は無料だと謳ったチラシが置いてあります。
クリニックなのに結構なボリュームで音楽がかかっていて、見上げると、天井にBOSEのスピーカーが埋め込まれていて、細部にこだわって建設しましたという意気込みと、そういうことができるだけの金があるんだぞというメッセージが受け取れます。

その日、皮膚科の診察室の前で待っているのは、私だけ。
この感じだと、1番に診察してもらおうという目論見は成功しそうだぜ、とにやついていたのですが・・・。
午前9時になり、内科や整形外科の方では、名前が呼ばれて、患者が診察室へと入っていくのですが、私の名前は呼ばれない。
どうしたのかなぁと思っていると、「シューッ、ジュボボボボボ」という音が。
ん?
今の、まるで、スタバで、エスプレッソが抽出されている時の音とよく似ているなぁ。
でも、まさかねぇ。
ここ、クリニックだし。
患者が待っているのに、あんな大きな音をさせて、エスプレッソを淹れたりなんて、するわけないか。
だね。
と、自分の疑いを自分で打消しました。
やがて5分が経過し、10分が経過し、内科と整形外科の診察室からは診察を終えた患者が出てきたり、新たに患者が入って行ったりと動きがあります。
中には会計へとコマを進める患者も。
どういうこと? と思っていると、ようやく午前9時15分になって、私の名前が呼ばれました。
中に入って、丸椅子に座った私の目に飛び込んできたのは、ドクターのデスクに置かれたデミタスカップ。
esupuresso
空になっていましたが、カップの内側にはクレマの跡が。
飲んでた?
患者を待たせて。
15分も。
朝の一杯なら、家で済ませておけ。
せめて、患者にバレないよう努力しろ。
と思ってしまった私は、症状をドクターに説明しながらも、強い眼差しになってしまうのを、押さえることができませんでした。

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