社会の厳しさ
- 2013年10月31日
社会って厳しいな、と実感したのは、どんな時でしたか?
大学に入学して間もなくのことでした。
友人に合コンに誘われました。
相手はお金持ちの子息が通うと評判の大学の学部だということでした。
女性陣は勿論、気合入りまくり。
こう聞かれたら、こう答えるなどと、シミュレーションまでして、その日のための準備に余念がありませんでした。
幹事から、先方のリクエストで、大人っぽい恰好をしてくるようにとのお達しが。
買いに走る者、クローゼットを引っ掻き回す者、大騒ぎでした。
合コン当日。
いつもとは様子の違う女たち5人が教室に集合しました。
授業なんて上の空。
だって、大事な合コンが今夜控えているのだもの~。
と、朝からテンションが上がり過ぎて、お昼ごろには若干ぐったりし出す人もいましたが、夕方には、再び気合を入れ直して、いざ出陣。
場所は渋谷の某所。
時間は午後六時半。
が、先方はなかなか来ない。
互いを見つけやすいようにと、待ち合わせに良く利用される場所ではなく、あえて、人が立ち止まらないような場所を選んだというだけあって、その場には私たち以外に、それらしき姿はありません。
当時は携帯などなく、公衆電話から先方の幹事の家に電話をするしかありません。
が、こちらに向かっていれば、出るわけもなく、呼び出し音が鳴るばかり。
三十分経ち、一時間が経ち、幹事は慌てだします。
昨日、私は確かに、この場所と時間を確認したと、必死の形相で訴えてきます。
その子が、嘘を吐くとも思えず、どうしたのかねぇと、皆、首を捻るばかりでした。
二時間が経ったところで、諦めようという決定を全員で下しました。
そのまま帰るのもなんなので、居酒屋に入った女5人。
どうしたって、ため息の一つや二つは出てしまうってもんです。
幹事は「ごめんなさい」を30回ぐらい連打していたような記憶があります。
その日の夜遅く、幹事が先方の幹事の家に電話をすると・・・あっ、本当に今日、行ったんだ? との返事が。
なに言ってんの。そう昨日、決めたじゃないの。と、激昂したそうですが、先方は、悪かったねぇと、まったく反省していない様子だったとのこと。
そこで、女、5人、今回の事態を検証してみました。
幹事が、先方の幹事と交わした言葉を100%に限りなく近づくほど思い出してもらい、様々な角度から分析し、いくつもの仮説を立てては再検証という、かつて経験したことがないほどの熱心さで向き合いました。
結果、導き出されたのは・・・待ち合わせ場所に立っている私たちを、どこか離れた場所から見て、今日はパスだなと判断したのだろう・・・という哀しい結論でした。
「行ったけど、可愛い子が一人もいなくて、行く気が失せたから」とはさすがに言えず「あっ、本当に今日、行ったんだ?」と口にするしかなかったのだろうという推測は、なんともほろ苦いものでした。
初めて、社会での自分の立ち位置を知らされた一件でした。