街路樹の輝き
- 2013年12月19日
先週、夜に銀座界隈を歩きました。
街路樹に施されたイルミネーションが綺麗で、街全体が輝いて見えました。
そうか。クリスマスが近いもんな、と納得。
普段も夜の銀座は輝いてはいますが、クリスマスバージョンのライトアップで、更にキラキラ度を増しています。
帰りのタクシーの中から、輝く街をぼんやりと眺めました。
次の店を決めているのか、歩道いっぱいに広がった酔っ払いのグループの数が、例年より多い気がします。
アベノミクス効果なのでしょうか。
キラキラした街の中を抜け、タクシーは自宅前に到着。
下車して、ふと見上げると、マンションの隣にある事務所の敷地に立つ桜が、その体に電飾コードを巻き付けていて、光っていました。
そこは、町内会が所有している土地のようで、祭りの時には、そこが神輿や山車のスタート地点となりゴール地点になる、中心の場所です。
その端に立っているのが、一本の桜。
春になると、その桜を見上げている人をよく見かけます。
私もよく足を止めて見上げては、あと1週間ぐらいかなとか、明日の天気予報では雨らしいから、ヤバいなとか、開花の時期や、散る時期を読んだりしています。
が、注目を集めるのは、春の時期のみ。
それ以外は、そこに木があることさえ、忘れています。
それが、またこの時期、突然、その存在感を私たちに見せつけてくるのです。
電飾を纏うことで、年末でっせと、教えてくれます。
たった一本ですから、却って寂しい感じになっているように見えなくもありません。
銀座のイルミネーションを見てきた後であれば、なおのこと「しょぼっ」と思ってしまいます。
が、この桜の隣のマンションに住み始めて7年。
毎日見かけているうち、ただの桜とは思えなくなっていて、勝手に擬人化し「ただいま」と心の中で呟けば、「お帰り」と言ってくれてるような気に。
だから、このしょぼさも、また愛らしく思えて、にやついてしまうのです。
もう、ここが故郷になったのでしょうか。
一本の桜が、そんな気にさせるというのが、なんとも不思議です。