フェイシャルエステ
- 2016年10月20日
肌がすっかり荒れて、エステに行こうと思ったのは十年ぐらい前。
今になると、荒れていたのはフードアレルギーが原因だと思われ、なんちゅう無駄遣いをしたもんかと後悔。
が、当時はエステに行って、肌を回復させようと考えたのでした。
行ったのはホテルの中のエステ。
スタッフは感じがいいし腕も見事だったのですが、残念ながら硬いベッドにずっと寝ていなくてはならず、これが腰にきた。
ベッドに横たわるのではなく、デンタルクリニックのように椅子に座っている状態で、背もたれを倒すというスタイルで施術してくれるところを探しました。
雑誌で見つけたそこは自宅から近く、キャッチコピーには隠れ家のようなサロンとなっていました。
web予約をするとメールがきて、そこには最寄駅からの行き方がかなり細かく記されていました。
マンションの一室でやっていて、看板などは出ていないので、見つけにくいかもしれないが、わからなかったら電話をくれと書いてあります。
で、予約した日に行ってみると・・・住宅街の中に建つ高級マンションを発見。
部屋番号を入力し、オートロックを解錠して貰います。
エレベーターに乗り込み、指示された階数で下りると、一人の女性が待っていました。
その女性に案内され入ったのは、マンションの一室。
ごくフツーのマンションの一室を、エステ店用に改装した模様。
だからといって、そこら辺に生活用品が転がっているといったことはなく、ちゃんとエステだけのために用意されている部屋でした。
エステの途中ではちょいちょい放置される時間があります。
顔になにかを塗られた後で「〇〇が浸透するまで、このまま十分お待ちくださいね」と言われたりする。
この放置されている時、椅子に仰向けの状態で座り目を瞑っているので、なにもすることがない。
せめてノリのいいBGMが掛かっていてくれたら、この退屈な時間も楽しく過ごせるのかもしれない。
でも掛かっているのは、穏やかで静かな癒し系の音楽。
「辛抱」という文字を心の中で書いている時、隣室から話し声が。
隣室にスタッフたちがいるようで、その話し声が聞こえてきます。
声の感じから、少なくても3人はいると予想。
客は私1人。
これで商売は成り立つのか? との疑問が。
エステ店を開くつもりで分譲マンションを購入したのか、それとも分譲マンションを買った後で、エステ店をしようと思い付いたのか。
はたまたここは借りているだけなのか。
エステは完全予約制。
通りがかった人がたまたまやって来るという商売ではないので、客が私だけだとわかっているはず。
それにも拘らず、3人のスタッフがつめている理由が思いつかない。
あまりに暇なので、1日に来る客の数を予想し、掛かるだろう経費を計算。
がっかりするような利益額になって、勝手にそこの将来を憂いました。
施術後支払いをしようとする私に、スタッフが提案してきたのは、回数券を買うという方法。
10回分の料金で11回のエステサービスを受けられると説明します。
来月そこがまだ存在しているかを危ぶむ私に、そのような選択は考えられず。
「私は1回分事に支払うのが好きなんです」と不可思議な言い訳をして、そこを出ました。
その後1、2回行ったような気がしますが、結局は行かなくなってしまいました。
今もまだそのエステ店が存在しているのはわかりません。
もし存続しているとしたら・・・聞きたいことは山のようにありますが。