早く着いたので
- 2017年06月08日
定期的に行っている病院。
そこまでは電車で2駅。
しかしその日は電車ではなく、タクシーを利用することに。
前夜に飲んだ薬の影響を調べるため、午前8時半にその病院で採血をする必要がありました。
その時間帯は通勤ラッシュにあたります。
そうした混雑した電車に乗り慣れない上に、できるだけ安静な状態で採取した血液のデータを見たいとの説明を受けていたため、タクシーを選択しました。
病院には早く着いてしまいまだ開いていません。
それじゃコンビニにでも行こうかな。
と、考えました。
が、駅からその病院までの間には、コンビニがないことは知っていたので反対方向へ。
これが間違い。
私はこれまでの人生の中で、数多くの間違いをしでかしてきました。
毎日間違うといってもいいでしょう。
が、この時の間違いは後で情けない気持ちでいっぱいになるような間違いでした。
行けども行けどもコンビニはない。
ふと腕時計を見るともう病院は開いている時間。
しょうがいない、戻るかと回れ右。
すると・・・あれっ、どこを右に曲がるんだっけ?
病院を出て少し歩き大通りに出て、左に曲がって真っ直ぐ歩いたとの記憶があります。
なのでどこかを右に曲がるというのは、合っているはず。
でもどこを曲がったらいいのかがわからない。
オフィス街のためどこも似たような外観のビルばかり。
ここか?
と右に曲がって進んでみたら、違うぞと気付き急いで戻る。
これの繰り返し。
困った。
落ち着け落ち着け、血液のデータが変なことになっちまう。
と、自分に言い聞かせるも、病院は見つからなくてどんどん焦っていく。
スマホで検索すればいいのか? と思い付いたものの、未だに使い慣れていない私には、入力するのに時間がかかります。
一つひとつ角を右に曲がった方が、正解には早く辿り着けるような気がする。
そうやって右に曲がっちゃ、違うと戻るのを繰り返しているうちに病院を発見。
思わず歓喜の声を上げそうに。
へろへろの精神状態で病院に入ると、すでに3人の患者が順を待っている。
私が1番だったはずなのに。
まぁ、待っている間に気持ちが落ち着くだろうから、そうしたら血液のデータも変なことにならずに・・・と考えていたら、3人を飛ばして私の名前が呼ばれる。
ドクターに昨夜薬は飲んだかと聞かれ頷くと、血圧測定。
異常値が出たら「道に迷ってしまいまして、興奮しているのかもしれません」と言い訳するべきだろうかと考えましたが、セーフだったのかドクターはなにも言わない。
「それじゃ、採血してもらって」と言われ、診察室を出ました。
隣の部屋に移動すると、看護師さんが私から血を採るための準備をしている。
道に迷ってしまいまして・・・のフレーズがまた浮かぶ。
しかし何度もその病院に行っているにも関わらず、道に迷ってしまいましてと言った場合、笑ってくれる看護師さんかどうかがわからない。
妙に真剣に受け止められて、いい病院を紹介しましょうかと言われたりしたら、困ってしまうし。
思い悩んでいるうちに採血は終わり、脱脂綿を強く押さえるよう指示された後、部屋を追い出されました。
1週間後血液検査の結果を聞きに行くと・・・例年と変わりない結果だったようで「1年後にまた来て」と言われるだけで済みました。
良かった。
「道に迷ってしまいまして・・・」を告白しなくて。
今回の教訓。
道を曲がる時は目印となるものを覚えておこう。