文庫「エデンの果ての家」が発売になります
- 2017年08月03日
文庫「エデンの果ての家」が8月4日に発売になります。
記憶の仕方は人それぞれ。
友人、親子、夫婦・・・こうした仲でも記憶の仕方は一緒じゃない。
同じ所で同じ体験をしたはずなのに、数年後それぞれが語る思い出は、まったく違った色合いになっているといったことはよくあります。
笑い話で済ませられればいいのだけれど、元々上手くいっていない父と息子だったとしたら・・・それぞれが記憶する思い出の違いはちょっと切ない。
弟が母親殺害の容疑で逮捕されます。
兄は不仲の父親と、弟の無実を証明するため動き出します。
兄と父がそれぞれ披露する思い出は、やっぱり自分流にアレンジされた思い出。
だからもう一方はそれは違うと否定する。
そうやって兄と父の距離は離れていくばかり。
こうやって書いているとなんだか救いのない話のようですが、読了後の味わいは殺伐とはしていませんので、気軽に手に取っていただければと思います。
静かで趣のある装丁になっています。
憂いを湛えた男性の横顔。
傷つきやすさと強さを両方合わせもった人物を表現していて、素晴らしい絵です。
優しさも滲み出ているこんな男性がいたら、多くの女性が惹かれてしまうのではないでしょうか。
この人物を中央に置き、シンプルにタイトル文字で囲む装丁のデザインセンスも素敵で、気に入っています。
「エデンの果ての家」の単行本のデザインも好きだったのですが、この文庫の装丁も大好きです。
8月4日には文庫の紙バージョンと同時に、電子書籍版も配信開始になります。
お好きな方をお買い求めください。