朝食でパン

  • 2017年10月30日

朝食はパンです。
砂糖を使わずに作ったというジャムを載せて食べます。

以前ホテルに泊まった時のこと。
宿泊者は館内にある1つのレストランで朝食を摂ります。
そこで和食にするか、洋食にするかを選びます。
私は洋食を選びました。
しばらくしてサラダが出てきました。
スープとジュースが運ばれてきて、その後に目玉焼きとベーコンを焼いたものが登場。
ウエイターが「トーストはただいま焼いておりますので、焼き上がり次第お持ちいたします」と言う。
私は頷き、すでにテーブルに並んでいるものを食べ続ける。
ところがどっこい。
待てど暮らせどトーストがやって来ない。
サラダは食べ終わりスープも飲み干してしまう。
目玉焼きとベーコンにいっちゃってもいいのか?
それがコースのルールとか?
いや、でもそうなると、平らげた後でトーストのみを齧るってことに。
和食のコースだと、ご飯は最後に漬物だけで食えといった感じで出されることがあり、敷居の高いお店では、おかずと一緒にご飯を食べさせてくれない場合があると知ってはいました。
ホテルの朝食のルールにも、そういった理不尽なものがあって、トーストは最後にそれだけで食えというのでしょうか。
それとも私がまだ寝惚けていて、ウエイターが言ったセリフを聞き違えたとか?
どうすっかなぁと思って辺りをキョロキョロと窺うと・・・隣のテーブルについている男性の二人客に気が付きました。
小声で言い合っています。
「トースト来るって言ってましたよね?」
「言ってたな」
「でもオカズ、食べ終わっちゃいますけど」
「だなぁ」
「トースト焼くの、こんなに時間掛かるもんですかね?」
「普通は掛からないだろう」
「トーストは最後にそれだけっていうのが、正式なものなんですか?」
「それ、ヤだな」
「はい」
と、私と同じようにトーストがなかなかやって来ないことに困っている模様。

結局私は目玉焼きとベーコンには手を付けず、それらが冷めていくのを残念な思いで見つめていました。
お預けされている時の犬の気持ちがよくわかった瞬間でした。
ようやくトーストがやって来たので、ベーコンを口に運んだら、すっかり冷えていて美味しく感じられませんでした。
この事態がルールによるものだったのか、それとも厨房スタッフが足りていなかったからなのか、わからないままです。


「僕とおじさんの朝ごはん」の単行本の装丁は、朝食の写真でした。
20日に発売された文庫では、朝食のイラストになっています。
美味しそうで力強いイラストで、皆さんの目には飛び込でんくるようなインパクトがあるのでは。
素敵な装丁にしていただきました。
タイトルや装丁で表現しているように、この小説では食がテーマの1つになっています。
食べること、食事を作ること、生きること・・・こうしたことに対して登場人物たちが葛藤する様を、見つめていただけたらと思っています。

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