きつねうどん

  • 2017年12月07日

うどん派ですか? それとも蕎麦派ですか?
私は波があって、うどんばっかり食べている時期があるかと思えば、お蕎麦ばかり食べる時期があったりします。

一時期はコンビニのとろろ蕎麦に嵌り、毎日のように食べていました。
またある一時期は体調が悪い日に、冷凍うどんをチンして食べたのをきっかけにうどんに嵌り、連日食べていたことも。

先日友人と食事をしました。
私はきつねうどんを注文。
注文した後ではっとする。
白いセーターを着ていたことに思い至り、汁が跳ねないよう食べられるだろうかと、一気にブルーになる。
失敗したと呟く私に、どうしたのかと尋ねてくる友人。
白いセーターに汁を付けずに食べ切れる自信がないのに、うどんを注文してしまった自分の愚かさを呪っていると説明すると、友人は私に食べ方のコツを伝授。
最後まで気を抜かず、というかむしろ最後のところで用心するのだと友人は言います。
麺の最後の方になってくると、一気に啜り上げたくなるところをぐっと抑えて、スピードを落とすのが大切だと語りました。

きつねうどんが来たので、言われた通りに麺の末端が近付いてきたところで、吸う力を弱めスピードを落としてみる。
が、やはり末端が口に入る瞬間少し麺がダンスする。
この時麺に付いていた汁が辺りに散る。
よし、もう一度。
何度かトライを続けるうちに・・・うどんのことを嫌いになりそうに。
そして美味しいのか、不味いのか、味を全然楽しめてないことに気付く。

見かねた友人が妥協案を出してくる。
箸で押さえろと。
麺を吸う力をコントロールするのが難しそうだから、麺を箸で押さえてしまえと言う。
なるほど。
麺を箸で摘まみ上げ口に運ぶ。
その箸を外さずにそのまま麺の近くでスタンバイ。
麺は箸で作った空間の中で、しゅるしゅると私の口に吸いこまれていく。
そして麺の末端が近付いてきた時、箸で麺を押さえる。
押さえたはいいがこれからどうする?
迷った挙句麺を挟んだままで箸を少し持ち上げ、口に押し込む。
と、友人が拍手。
馬鹿にしてるでしょ?
と思ったが、口には出さず軽く睨むだけにする。
「最後に口に押し込むというのは変じゃない?」と私は尋ねましたが、「今はちょっとギクシャクしてるけど、慣れれば流れるような動きでできるだろうし、そうなったら、この人の出身地ではこういう風に食べるんだといった説得感が出てくるよ」と友人は答えました。
本当に?
この年になってうどんの食べ方に真っ直ぐ向き合うことになろうとは、夢にも思っていませんでした。

いつの日か完璧に麺を食べる所作を身に付けて、白いブラウスでカレーうどんをさらっと食べてみせられるように、日々精進いたします。

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