紙で保管

  • 2019年09月23日

なんでも紙に印刷して取っておきます。
昭和の女だからでしょうか。
データとしてパソコンに入っている・・・といった状態は今一つ落ち着かない。
データが壊れたらどうすんの? と思ってしまう。
で、どんどん書類は溜まりにっちもさっちもいかなくなり、ようやく「データで保存するっていうのも手だよね」との心境に至る。

そこでスキャナーを買い、書類はPDFにしてパソコンに保存することに。
ところが、これでなにもかも解決とはいかない。
スキャンする時間をなかなか確保できない。
置いておけば夜中に小人が現れて、スキャナーに書類を差し入れてくれる・・・なんて奇跡は起きないので、自分でやらなくてはいけない。
これが出来ない。
で、書類は溜まっていく。
スキャナーを買った意味ないじゃん状態。

せめて書類の山積み状態を止めようと棚を購入。
自分で組み立てる方式のものでしたが、有料オプションを申し込みやって貰いました。
てっきり、狭い我が家で組み立てるのかと思っていましたが「駐車場でやって来ました」と、すでに完成した状態で届けてくれました。
書類を大量に載せてもびくともしない。
さすが。

こうして書類が溜まると、棚を買うというループが始まったのですが、時に欲しい棚を売っている店で、組み立ててくれるオプションがない場合が。
欲しい。
でも自分で組み立てなくてはいけない。
しょうがない。
ってことで、自分で組み立てる。
完成したはずなのにぐらぐらしている。
まだ書類を載せていないのに。
でもしょうがないと諦める。
ここで諦める決断を下すまでが異様に早い。
結局、書類を出し入れする度に、そのぐらつきが気になって「大丈夫かなぁ」と不安に。

こうして部屋には強度に不安のある棚が、乱立することになったのです。
こんな状態に陥っているのは私だけなんでしょうか。

小説「たそがれダンサーズ」には登場人物の1人が、靴棚を組み立てるシーンがあります。
組立図を読んでも全然わからない。
だから組立図が不親切過ぎると文句を言う。

こういうシーンが生まれたのも、ぐらつく棚に囲まれて執筆したせいかもしれません。
小説の中では別の登場人物が組み立てを手伝ってくれて、無事にしっかりした靴棚が完成します。
そんな救世主が欲しいという願望が、このようなシーンとなった・・・のかも。

秋といえば

  • 2019年09月19日

ようやく秋めいてきましたね。
昼間は暑くても朝晩は涼しくて、季節が進んだことを実感します。

秋といえば・・・まずはスポーツの秋。
この秋は、バレーボールとラグビーのワールドカップが重なっていて、執筆とスポーツ観戦のスケジュール調整の難しさに悲鳴を上げることに。
更にフィギュアスケートのシーズンが始まりましたから、そちらもチェックしなくてはと、いつ仕事をしたらいいのか困る状態です。

スポーツ観戦はどの競技も好きなのですが、ラグビーだけはルールが難しくてずっと敬遠してきました。
ですが、先日観たテレビ中継ではそんな初心者向けに、画面の横にルール説明を表示してくれていました。
それをじっと読み込み、アナウンサーと解説者の会話をヒントにして、想像力を目一杯働かせて試合を観ていたら・・・面白い。
ラグビーって面白いんですね。
これまで食わず嫌いでした。
百パーセント理解してはいないのですが、ざっくりした知識でも、やがて「やったー」とか「イケー」とか、「惜しい」などと叫ぶタイミングがわかるようになります。
このタイミングがわかれば、スポーツ観戦を充分楽しめますね。

秋といえば・・・やはり食欲の秋も外せませんね。
最近ハマっているのは、白玉にメープルシロップを掛けて食べること。
何個でもいけちゃう。
作るのも簡単ですしね。
小鍋で湯を沸かしている間に白玉粉を捏ねて団子状にして、沸騰したらそこに入れて2、3分で完成。
冷水で冷ましてから、メープルシロップを掛けて食べます。
オヤツに丁度良くて毎日のように食べています。

秋といえば・・・読書の秋。
先日カフェに行ったところ、隣席には母娘らしき2人が。
母親はスマホを弄っていて、十歳前後に見える少女は本を熱心に読んでいました。
やがて母親が「さ、帰るわよ」と少女に声を掛けました。
しかし少女はシカト。
母親は少女の腕に手を乗せ、トントンと軽く叩き「ほら、もう帰るわよ」ともう一度言いました。
すると少女は「今、大事なところだから」とぴしゃり。
母親が「えー、そうなの? 後どれくらい?」と少し拗ねたような声で尋ねました。
「わからない」と答えた少女は真剣な表情のままで、ページを捲りました。
諦めた様子の母親は再びスマホを弄り出しました。
この少女をこれほど夢中にさせる作品は、いったいなんなのかと興味を覚えましたが、私の席からはそのタイトルは見えず、わかりませんでした。
こんなに熱中して読んで貰えているとこの作者が知ったら、作家冥利につきると感じるでしょう。

作家は現実にはない世界を作り、そこに読者を誘い、登場人物たちと一緒にハラハラドキドキさせたいと思っています。
でもそれはとても難しいんです。
新刊「たそがれダンサーズ」はどうでしょうか。
登場人物たちと一緒に一喜一憂しながら読んで貰えたら、嬉しいのですが。

長年の夢

  • 2019年09月16日

通っている囲碁教室に、70代の男性の生徒が入って来ました。
私より3ヵ月ほど遅れての教室デビュー。
囲碁をするのが長年の夢だったと彼は語ります。
仕事が忙しくなかなか時間を取れなかった。
まだ働いているがフルタイムではなくなったので、ようやく始められることになったと語りました。
年だから覚えられるかどうか自信はないが、ひとまず3年で初心者を脱したいとの目標も披露。

その話を聞いた時、素敵だなと思いました。
いくつになっても夢を叶えたいと願い、それを叶えるために努力する人は素敵です。

と、微笑ましく男性を見つめていた私でしたが・・・気が付けば彼に抜かれていました。
ドリルを解き、正解すると次のドリルへと進んで行くのですが、こっそり覗き見れば私よりも遥か先の問題に取り組んでいる。
完全に負けている。

先生の解説を皆で聞く時間があるのですが、彼はそんな時も積極的。
手を挙げて質問をします。
あぁ、彼は頑張ってるんだなぁと思いました。
そして、そういう人ってやっぱり格好いいなぁと感じました。

新刊「たそがれダンサーズ」では、おじさんたちが頑張ります。
相当に頑張ります。
四十肩や五十腰や、高血圧や血糖値を気にしながら、社交ダンスに夢中になります。
登場人物たちが抱えている問題は色々あります。
老親のこと、息子のこと、妻のこと、仕事のこと・・・。
居場所がない気がしていたり、これまの生き方が間違っていたのではないかと疑問をもったりの毎日。

間違っていたのかもしれないけれど、それをうじうじと後悔し続けるのを一旦ストップして、ひたすら頑張るという方へ気持ちが向いた時、彼らの人生は輝き出す・・・そんな物語です。

登場人物の誰かに心を添わせて読むも良し、知り合いの誰かを登場人物に重ねて読むも良し。
特別な世界の話ではなく、どこでにもいる人たちの、ごく普通の人生の中にあるドラマに光を当てるつもりで書きました。
未読の方はぜひ、ご一読を。

新刊「たそがれダンサーズ」について

  • 2019年09月12日

新刊「たそがれダンサーズ」の入手はお済みでしょうか?
今まさに読んでるところ、といった方もいらっしゃるでしょうか。
さてさて、どんな感想をもたれるのでしょうか。

「たそがれダンサーズ」には、社交ダンスに夢中になるおじさんたちがたくさん登場します。
社交ダンスには興味が・・・なんて方も大丈夫。
登場人物たちそれぞれの人生を、味わって貰えるような作品にしたつもりですから。

この小説を書くにあたって、取材や見学をさせて貰いました。
覚えたばかりのステップを、ゆっくりと踊るシニアの皆さんの楽しそうな姿。
競技会前の緊張感溢れる姿。
そうした様々な姿を見て・・・色々な楽しみ方がある世界だということを知りました。

これを機に社交ダンスを趣味の一つにして・・・と、もくろみ、初心者向けのレッスンDVDを購入しました。
DVDの中にいる先生の指導の元、足を右に左に動かす。
リモコンの「10秒戻し」ボタンを何度も押しながらの一人レッスン。
もうこれがね、すんごい難しい。
あ、違った。右か。あ、またやった。右が先ね、右右。あー、順番間違えた。右左左の右か。あれ、最初どうだったけ・・・。
なんて独り言が延々と続く。
そのうち、ホントーにセンスないよねと、己に厳しい独り言を向けるように。
これ、恐らく一人でモニター画面に向かってレッスンしているから、こんな風に煮詰まっちゃうんでしょうね。
実際に目の前に先生がいて周りに生徒たちがいれば、励まされたり、出来ないのは自分だけじゃないとわかったりして、自己嫌悪に陥らずに済みそう。
でも残念ながら私の先生はモニター画面の中。
励ましてくれない。
結局、私の心はすぐに折れて、社交ダンスを趣味にするという野望は露と消えたのでした。

ただし観るのは好きです。
競技会になるとスポーツに近くなって真剣勝負の趣きが強く、そこが魅力の一つとなります。
フィギュアスケートの試合を観ている時にもつ感じと似ています。
出場者たちは綺麗な衣装を着て、音楽に合わせて踊ります。
優雅に踊っているように見せていますが、実際は高度なテクニックを駆使している。
素人から見ても、それが毎日の鍛錬があった上でのパフォーマンスだとわかるからこそ、見事なダンスに大きな拍手を送るのです。

こうした奥の深い世界と出合い、自分の居場所を見つけたおじさんたちが輝いていく様を描いたのが小説「たそがれダンサーズ」です。

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