インド料理店
- 2022年02月14日
最寄り駅の前に数軒の店舗があります。
その中にインド料理店が。
外観がとってもインド。
看板の色使いや、そこに書かれた文字の書体なんかがインドっぽい。
本格的な料理を出すんだろうなと思わせる風情。
テイクアウトもやっているようです。
でも私にはちょっと敷居が高い。
それでまだ一度も利用していません。
カレーは子どもの頃から好きで食べてきました。
が、それは日本風にアレンジされたもの。
市販のカレールーを使って野菜と肉を煮込んだもの。
それは大好きです。
いつの頃からか巷ではカレー店が増殖するように。
独自に進化していく、そうした最先端のカレーには馴染めずにいます。
何十年も前のこと。
本場のカレーを食べられる店があると知人から聞き、友人と食べに行ったことがあります。
確か銀座の地下にある店でした。
訪れたのは午後七時。
かき入れ時のはずなのに、何故か客は私たちだけでした。
ホールスタッフはインド人っぽい男性でした。
この店は話通り本格的のようだなと期待感がアップ。
彼がメニューと水を持って来てくれました。
ドリンク付きのセットメニューを注文。
店内に漂うカレーの匂いは美味しそうで、増々期待感が上昇。
胃が準備整いましたよとシグナルを送ってきます。
少しして注文した品がテーブルに。
ナンを千切り、それにカレーを付けて口に運びました。
すると・・・辛いのなんのって。
口から火が出るかと思うほど。
すぐにコップの水を飲みました。
目の前に友人がいなければ、コップの水に舌を浸したいところです。
見れば、友人もコップの水をがぶ飲みしていました。
辛いね。
うん、辛いね。
と、言い合う。
本格的なのは辛いのだと思い知った私たち。
それまで何度もカレー店を訪れては、そこのこだわりのカレーを食べてきました。
しかしその味は日本の枠内でのこと。
日本人の舌に合うようにアレンジされたのものでした。
でもオリジナルはパンチ力が凄まじかった。
ナンに付けるカレーの量をほんの少しにしても、辛さが口中で暴れ回ります。
やがてナンだけを食べるように。
そしてナンを食べ終えました。
カレーは大量に残った状態。
この残し方は料理人が怒るレベルだと思うのですが、私たちには無理でした。
もう帰ろうと話していると、ホールスタッフが飲み物を運んで来ました。
そういえば、ドリンク付きのセットメニューだったと思い出す。
そのドリンクに口を付けてみたら・・・激甘でびっくり。
砂糖を飲んでいるのかと思うほどの甘さ。
インドの方たちは、極端なものが好きなのでしょうか。
激辛のカレーの後で激甘のドリンクを飲み、プラマイゼロという感覚なのでしょうか。
結局ドリンクもひと口飲んだだけで、ギブアップ。
店を出ようと席を立ったら、ホールスタッフが「帰りマスカ?」と尋ねてきました。
「はい」と答えると、その濃い顔に哀しそうな表情が。
彼に哀しい思いをさせたことを申し訳なく思いながら、店を後にしました。
この経験以降、本格的なものには用心しろと思うように。
それが駅前のインド料理店の利用を躊躇わせるのです。
私には敷居が高い店なのでした。