1人で
- 2023年06月19日
20代のA子が言いました。
「私、1人で外食出来ないんです」と。
ファストフード店なら大丈夫。
でも喫茶店は無理とも言う。
何故と尋ねたら、なんだか恥ずかしいと回答。
更に詳しく聞いてみると・・・1人でコンビニには行ける。
服を買いに行くことも出来る。
でも店で1人で食事をすることが出来ないと言う。
ファストフード店だけ大丈夫なのは、1人で食事をしている人がたくさんいるので、私だけじゃないと思えるからかなぁと、自分でも理由がはっきりしていない様子。
わかる。
私も20代の頃は、喫茶店に1人で入れなかった。
待ち合わせで先に1人でいるのは平気。
でも後から誰も来ないのに、1人で喫茶店にいることは出来ませんでした。
今思うに、自意識過剰だったのかも。
「あの人、独りぼっちでコーヒー飲んでるわ。可哀想」などと思われたりしたら、嫌だという気持ちがあった。
でも店員も他の客も、私に注目なんてしてないから、なんとも思っていないもんなんですけどね。
A子に言いました。
「トライするとか、そんな気負いを感じる必要はなく、そのうちに自然とそういうのが平気になるよ」と。
喫茶店に1人で入れなかった私も、気が付けば、初めて訪れた街で寿司店に入り「握りの1人前をワサビ抜きでお願いします」と、すらっと言えるようになりましたから。
それに大将と一緒に、店内のテレビでメジャーリーグ中継を観ちゃったりするぐらい、肩の力を抜いて過ごせるようにもなりました。
年を重ねると楽になることが多くなります。
寿司店といえば、自宅近くの寿司店に入ったら、昼時なのに客が1人もいなかった。
思わず「やってますか?」と聞くと、「はい」と女将が元気よく答えました。
カウンターで握りを注文したら、サービスでついているという煮物が出て来た。
大根を齧ったら口の中でジャリっといった。
解凍が不十分。
業務用の冷凍煮物を仕入れて、それを解凍して客に出しているのでしょう。
残念なことに、レンジに入れている時間がちょいと足りなかった。
これから出てくる握り寿司への期待が、一気に下がる。
少しして注文した品が私の前に。
マグロには照りが全くなく、私の肌と同じくらい乾きまくっている。
あぁ。
昼時に客が1人もいなかった理由のいくつかを、理解した気がしましたっけ。