高額な品
- 2023年11月16日
新聞や雑誌などで、高額な商品の広告が目につくようになりました。
クリスマス商戦が始まっていますね。
ボーナス商戦ともいいましょうか。
今朝の新聞には、胸元が深いカットになっているドレッシーな服を着た女性モデルが、こっちを見てくる一面広告が。
そのモデルはネックレスをしている。
とても素敵なネックレスなのだけれど、価格はどこにも書かれていない。
と、思ったら、限界に挑戦するかのような、小さいフォントで数字が。
いち、じゅう、ひゃく・・・と桁を数えていき、その金額を知る。
ヒューと口笛を吹く。
すんごい高い。
心臓がドキドキするような金額。
この世にはこういう金額のネックレスを買える人が、存在しているのでしょうね。
だから広告を出しているのでしょうし。
この値段の品を「あら、素敵ね。頂くわ」と買える人は、恐らく小さなことが気にならないと想像します。
自然と優雅な暮らしをしているのでは。
例えば・・・シャチハタのキャップが何故か消えてしまった時、床に這いつくばって探したりしないんでしょうね。
乾燥させないように、紙でキャップを作ってみたりもしない気がします。
日用品をネットで買う時も、送料や付くポイントを計算して、どっちが得か電卓を叩いてから決めるといったこともしない気がするし、物を送る時、送料が高くならないように小さく梱包するための工夫に、全力を注いだりもしない気がします。
こういう小さいことを気にしない生活・・・憧れです。
以前、A子とランチをしていた時のこと。
何の気なしに「A子の家の食費って、月、いくらぐらい?」と聞きました。
別にアンケートを取っていた訳ではなく、小説の執筆のために参考にしようといった考えもなく、自分はもっと食費を削れるはずなのに、そうはなっていないと感じていたので、相場を教えて貰おうと思ったのです。
A子は「いくらかなぁ」と首を捻る。
えっ?
言いたくなくて答えるのを躊躇しているといった感じではなく、真剣にいくらだろうかと、考えている様子。
そしてしばらくしてから「分からない」と回答しました。
うっそー。
専業主婦のA子が月の食費を把握してないって、どういうこと?
私は腰を抜かさんばかりに驚きました。
が、そこではたと思い至る。
A子はお金持ちなのです。
実家がお金持ちで、一度もお金に苦労したことがないA子。
だから食費がいくらでも構ないので、把握してないのでしょう。
A子がお金持ちだというのを、私はつい忘れがち。
生まれつきのお金持ちというのは、これみよがしに見せびらかしたりしないのです。
ブランドのロゴだらけの物なんて身に付けない。
どちらかというと地味な格好をしている。
だからつい、A子がとんでもなくお金持ちだというのを忘れてしまう。
そしてたまに何気なく発した質問への回答に驚かされて、思い出すのです。
自分との経済的格差を。