バイト

  • 2023年12月14日

高校生の頃、喫茶店でバイトをしていました。
1階ではパンとケーキを売っていて、2階はそのパンを使った、サンドイッチなどを出す喫茶店になっていました。
私はパン売り場を希望したのですが、人が足りていると言われてしまい喫茶部門で働くことに。

喫茶店では1階で売っているケーキを、食べることも出来ました。
ケーキのオーダーが入ると、階段を下りて1階へ。
ショーケースからケーキを1ピース取り出して皿に。
階段を上って客に出すという流れ。

まだぴっちぴちな年齢だったのに、その頃からメンドー臭がりだった私は、この階段の上り下りが嫌で、どのケーキにしようかとメニューを見て迷っている客には「注文するな光線」をあてていました。

ある日、ショーケースからケーキを1ピース出していた時、隣のケースのホールケーキに目が留まりました。
生クリームの上に載った苺が、ちょっと傾いでいました。

2日後、またショーケースからケーキを1ピース取り出そうとして、ホールケーキに目が。
苺が傾いでいる。
ん?
2日前に見たケーキっぽいような気が。
いやいや、2日前の生ケーキを売る訳がないから、苺は傾いでしまいがちなのだろうと思う。

翌日。
嫌な予感を抱えながらホールケーキをチェックすると・・・寸分違わぬ傾き加減の苺を発見。
もしかして、もしかするのだろうか。
だが「これって3日前に見たケーキですか?」と高校生の私は聞けない。
でも聞きたい。

そこで「ホールケーキってよく売れるんですか?」と先輩に遠回しな質問をしてみる。
すると「ホールケーキはあんまり売れない」との回答が。
「そうなんですか。なんか捨てちゃうの、勿体ないですね」と言ってみる。
「なるべく捨てないようにしてるけどね」と意味深な答え。
私が固まっていると、先輩は自分の口の前で人差し指を立てて「内緒だよ」と楽しそうに言いました。

衝撃の告白に口あんぐり。
そこで働いていた1年の間、先輩から「これ、食べなよ」と店の品を勧められる度に「ダイエット中なんで」と断り続けました。

安心してください。
その後その店は潰れました。

世の中にはそんなとんでもないケーキ店もありますが、新刊「この会社、後継者不在につき」に登場するケーキ店はちゃんとしています。
売れ残った生ケーキを何日も売ったりしません。
真面目に商売をして、10店舗を展開するまでになりました。

社長の目下の悩みは後継者問題。
2人の息子が父親の元で働いています。
どちらに会社を任せるべきなのか。
自分がいなくなった後、兄弟で手と手を取り合って、店を盛り立ててくれるのかを心配しています。
そこで中小企業診断士に相談。
どうやって後継者を決めることにするのか・・・それは本書でご確認ください。

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