会社員になっていろんなことを学びました。
その一つが組織の中で、生きていくことの難しさ。
全社員が同じ方向を向いている訳ではないので、なにか目立つ動きをすると邪魔されたり、陰口を叩かれたりすることもありました。
「同じ社員なのに、なんで?」と驚いたものです。
成果を出すという目的以外のことに、気を遣わなくてはいけなくて、不毛だなと思ったりもしました。
私が会社員だったのは随分昔ですが、現在も組織の中を渡っていくのが大変なのは同じ。
この難しさはずっとあり続けるんでしょうね。
会社員時代のこと。
稟議書の作成を常務から指示されました。
常務は出張前だったので、忙しかったのかもしれません。
で、作成した稟議書を上司に持っていくと・・・こんな話は聞いてないと言い出します。
内容を口頭で説明しましたが、ハンコが入っているデスクの引き出しに、手を掛けようとしてくれない。
そして再びこんな話は聞いてないと言う。
「それ、さっきも聞きました」なんて言っちゃいけないところ。
常務から直接指示されたのでと私が言うと、「いつ?」と聞いてくる。
案件がどうのこうのじゃなく、自分を差し置いて、部下に直接指示が出たという点が気になって仕方がない様子。
「常務が指示を出そうとした時に、たまたま私が通り掛かったからじゃないですかぁ」などとテキトーに流そうとするも、許して貰えない。
腕を組んじゃって、ハンコを押す気ゼロって感じに。
こんな風に内容の良しあしとは別のところで、業務が滞ってしまうことがあると知りました。
新刊「地獄の底で見たものは」の中に登場する足立英子は51歳。
真面目に仕事をしてきたけれど、世渡りは上手な方じゃない。
ある日、社長に取り入ることが上手な男が取締役に。
この新取締役が色々口出しをしてきて、英子は仕事がし辛くなっていきます。
組織の中で生きていくことの難しさに、ぶち当たる英子。
更にこの新取締役に、これまでの仕事ぶりを全否定された英子は、これからについて考え始めます。
英子がどんな選択をするのか・・・。
興味をもたれた方は本書をお買い求めください。
この小説にはオーディオブック版もありますので、普段本を読まないという方には、こちらで味わって頂く手も。
本日はスポーツの日。
なにしましょ。
私は概ねスポーツはテレビ観戦派。
自分ではなにもしていません。
おっと。
そういえば、フィットネスバイクを漕いでいました。
世間的にはこれはスポーツの括りには入れないでしょうが、私的にはスポーツです。
大体毎日40分ほど、自宅でフィットネスバイクを漕いでいます。
映画を観ながらです。
楽しい映画だと作品に夢中になってしまい、気が付くと足が止まっているなんてことが。
つまらない映画だとペダルが重く感じられて、辛さが倍増します。
40分のフィットネス漕ぎを終えると、汗びっしょり。
Tシャツなんて汗を吸って重くなるぐらい。
なのに体重が全然減らないのはどうしてなのか・・・不思議です。
新刊「地獄の底で見たものは」には、スポーツに携わる女性が登場します。
46歳の大野邦子は、スイミングスクールでコーチをしています。
オリンピックに出場し、惜しくもメダルに手が届かなかったという過去の持ち主。
才能のある教え子の少年をオリンピックに行かせようと、邦子は熱血指導をしてきました。
教え子の夢を実現させてあげるためのスパルタ指導でしたが、いつしか隙間風が。
そしてある日、教え子から連絡が。
他のコーチから指導して貰うことにしたという。
二人三脚でオリンピックを目指しているつもりだったけれど、自分の夢を押し付けていただけだったのだろうかと、愕然とする邦子。
それまで特に疑問ももたずに、たくさんの子どもたちに水泳を教えてきた邦子は、壁にぶち当たります。
どう教えたらいいのかが、分からなくなってしまったのです。
そこで邦子が取った行動は・・・?
邦子の踏ん張りに興味を覚えた方は、ぜひ本書を手にお取りください。
新刊「地獄の底で見たものは」が発売になりました。
お住まいの地域によって発売日は前後しますので、店頭などで見つけられなかった場合には、書店員さんにお問い合わせくださいね。
お蔭様でこれまで小説を発表させて頂いてきましたが、何度経験しても、新刊の発売は嬉しいものです。
ようやくここまで来たという安堵感もありますし、形になったことに興奮も覚えます。
同時に不安も湧き起こります。
つまらないと思われるのではないか、嫌いと言われるのではないか・・・といった心配が次から次へと浮かんでくるのです。
この感情は恐怖という言葉に近いのかもしれません。
この恐怖感が強くなり過ぎて、発売の前日に悪夢を見たことがあります。
私が殺し屋集団に追い駆けられる夢です。
相手は大勢。
私はとにかく逃げます。
工事現場のようなところに逃げ込んだのですが、結局捕まり、殺し屋たちに取り囲まれます。
で、顔に硫酸を掛けられます。
ギャーと悲鳴を上げました。
この自分の悲鳴で目が覚めました。
心臓がバクバクいっていた記憶が残っています。
発売日を前にして、情緒が不安定になっていたせいで見た悪夢だったのでしょうか。
今回は悪夢までは見ませんでしたが、不安の大きさはいつもと同じ。
作家であり続ける限り、この不安は付いて回るものなのでしょう。
今日はこの小説「地獄の底で見たものは」の中の登場人物の1人を少しご紹介。
伊東由美は53歳。
専業主婦として長年生活をしてきました。
食費を抑えるために庭で野菜を育て、家事を切り盛り。
不満の一つや二つはあっても、それはそれと受け入れての暮らし。
平穏な生活がずっと続くと思っていました。
ところが。
ある日突然、断崖絶壁から突き落とされるような出来事に襲われます。
由美は1人で生きていかなくてはならないはめに。
53歳で。
由美がこの地獄でなにを見るのか、そしてどうするのか・・・。
興味をもたれた方はぜひ本書をお読みください。
新刊「地獄の底で見たものは」の発売が2日後となりました。
一足早く手元に届いた見本がこちら。
装幀に描かれている女性たちは「生きていくのって大変」と呟いているかのような佇まい。
そうでありながら、どこか可愛らしさもあるように描かれています。
このバランスが絶妙なイラストです。
とても素敵な装幀にして頂きました。
そして帯には「もう、だめかもしれない。そこからも、人生は続く」と書いてあります。
そうなんですよね。
最悪の事態に陥った時、それは一瞬で終わらない。
明日がきて、明後日がくる。
最悪の事態が続くってこと。
じゃあ、どうする?
このまま泣き寝入り?
それとも?
この小説の中には4人の女性が登場します。
それぞれの地獄の底からの這い上がり方を、見て貰えたらと思っています。
季節は秋。
読書の秋と申します。
本を読むのに最適なこの時期、是非この1冊を。
あなたの読書タイムはいつですか?
私は以前は半身浴中が読書タイムでした。
風呂場に本を持ち込んで読書していたのです。
ですが、つい夢中になってのぼせてしまったりするので、入浴中は止めました。
今は午前中と夜の2回、読書タイムを設けています。
場所は書斎。
小さく音楽を流しながらの読書タイムは至福の時です。
調子に乗ってなにかを摘まみながらといったことは、しないようにしています。
以前、大好きなういろうを横に置き読書していた時のこと。
気が付いたら、1本食べ切っていたことがありました。
米粉で作ったドーナツを6個貰った時には、一瞬嫌な予感がしました。
でもさすがにこれは、いつの間にか食べ切っていたってことにはならないだろうと、予感を打ち消したのですが・・・本に夢中になってしまうのでしょうか。
気が付いたらドーナツの残りが1個に。
「私、5個も食べた?」と自分に驚き、デスク下を覗いて、落ちてないかと探してみたりしましたが、残念ながら落ちていませんでした。
読書する時には近くに食べ物を置かない。
私はそう決めています。