スポーツ選手のセカンドステージ
- 2024年10月28日
全国でスーパーを経営する企業が、引退したスポーツ選手を採用するという。
元プロだけでなく、アマチュア選手だった人もOKらしい。
営業職での採用を考えているそうで、スポーツの体験会やイベントの企画なども、担当して貰うとのこと。
素晴らしい。
スポーツ選手がセカンドステージを見つけるのは、なかなか難しいと聞いています。
子どもの頃から1つのスポーツに、全力で取り組んできたであろう選手たち。
引退後にすぐに次の目標をもてる人は少ないはず。
そんな彼らに活躍できる場所を提供する企業が登場したのは、とてもいいことですね。
新刊「地獄の底で見たものは」には、元競泳選手が登場します。
大野邦子はかつて、オリンピックに出場したことがあります。
残念ながらメダルには手が届かず4位でした。
もしメダルを取っていたら・・・その後の人生の選択肢は多く、また華やかなものだったかも。
でも4位だった。
邦子のセカンドステージに選択肢はなかった。
長年練習していたスイミングスクールのコーチになります。
厳しく指導していたけれど、生徒たちからは慕われていたので、我流のコーチングに疑問をもつことなく過ごしてきました。
そんなある日、自分の教え方に疑問をもつように。
果たして邦子はどうするのか。
邦子の奮闘は、本書をお買い求めの上でお楽しみください。
私が小学生の頃。
親が私を無理矢理卓球教室に放り込みました。
私は渋々行っているので、熱心な生徒じゃありませんでした。
そんな私にコーチは不満だったのでしょう。
よく怒られました。
そしてしばしば罰として、階段を一往復してこいと命じられました。
そこは6階。
6階分の階段を下りて、上れなんて・・・。
当時の私は超肥満児。
数段上っただけで息が荒くなるぐらいなのに、無理。
で、私はどうしたかというと、練習部屋を出て階段をひとまず下りる。
で、踊り場で一休み。
コーチのいる場所からは見えないので。
そして大体これぐらいかなといったところで、階段を何段か上る。
で、まるで1階まで下りて、上ってきましたといった体で部屋に戻る。
荒い息をしているので、コーチにはバレなかった。
そんな態度で半年が過ぎた頃、大会に出場することに。
教室の生徒全員が、コーチによって勝手にエントリーされていたのです。
で、一回戦、二回戦と、私は何故か勝ち進んでいきます。
明らかに私より上手な相手が、自滅していったからなのですが。
三回戦、四回戦と勝ち、教室仲間たちがいる観客席に戻ると、コーチから「どうだった?」と聞かれました。
「勝ちました」と告げると・・・コーチは複雑な顔をしました。
才能もなく、また努力もしない超肥満児の小学生が、運だけで勝ち進んでいることに、どう対応していいのか困っているといった顔でした。
教室仲間たちからは「凄いじゃん」「次も頑張れよ」などと声を掛けられましたが、コーチからは一言もなかったことを覚えています。
今なら分かります。
掛ける言葉が見つからなかったんですよね。
コーチ稼業も大変です。