成人の日
- 2025年01月13日
今日は成人の日。
今の二十歳の人たちは、今日の一日をどう過ごすのでしょうか。
私が成人の日を迎えたのは遥か昔。
早朝にレンタルで用意した振袖を持参し、近所の美容院に。
着付けをして貰うためです。
私も含めて客たち七、八名は、畳敷きの部屋に一列に並ばされました。
そしてスタッフたちが流れ作業で、どんどん振袖を着せていく。
色々な物で身体をぐるぐる巻きにされている内に、息が苦しくなっていく。
着付けが終わった人からヘアメイク。
薄紫色の着物に合わせようと思ったのでしょうか。
腫れぼったい一重まぶたに、紫色のアイシャドーを塗られてしまう。
殴られたような顔に仕上がる。
美容院を後にして写真館に移動。
こちらも大混雑。
予約をしていたにも関わらず、待たされた末にようやくカメラの前へ。
椅子に座ってポーズ。
立ってポーズ。
それから帯を見せるためだと言われて、後ろを向くよう指示される。
そこから顔だけを後ろに捻ってカメラ目線のポーズ。
このショット、いる?
と、思いはしましたが口にはせず。
終了したのは午前九時頃でした。
美容院の皆さん、写真館の皆さん、朝早くからお疲れ様でした。
実家を片付けた際にこの写真を発見。
写真の中の私は眠そうな顔をしている上に、若干うんざりしているように見えます。
自分が希望して着付けと写真撮影をして貰ったはずなのに、こんなに大変だと思わなかったんですと顔が言っている。
殴られたような顔が。
振袖写真ということもあり、顔も着物もはっきりくっきりと写っています。
ピントが甘かったらクレームになるところですからね。
作家になってから、取材時に顔写真を撮って頂くことがあります。
いくつの頃からか「ソフトフォーカスでお願いします」と言うようになりました。
弛んだ顔をはっきりくっきりと写して頂く必要は全くないので、ぼかして撮ってねと要望を出すのです。
それが最近は、私から要望を出さなくても、カメラマンが当たり前のように、ソフトフォーカスで撮ってくれるようになりました。
分かってらっしゃる。
気持ちさえも見えるほど、はっきりくっきりと写して貰った二十歳の写真は、思い出の一枚となりました。