嫌な女とは

  • 2025年09月08日

あなたが思う「嫌な女」とはどんな人物ですか?
「悪女」ではなく、「嫌な女」とは。

そうだなぁと考え始めたあなた。
特定の誰かを思い浮かべたりしましたか?

結構身近にいそうな「嫌な女」。
絶対に友達にならないと決めている?
半径10メートル以内には、近づかないようにしている?
フランス映画にたくさん出てくる?

小説「嫌な女」には夏子という女性が登場します。
夏子は嘘吐きで、自己中で、お近づきにはなりたくないタイプ。

が、男たちを虜にする女でもある。
性悪女なのに男たちからチヤホヤされるから、ますます嫌な女度を上げている。
真面目に生きている女たちから見たら天敵です。

ところが。
嫌な女の夏子の人生を読んでいくうちに、違う面に気付いていく。
そんな小説が「嫌な女」です。
どうぞ、夏子の生き様を味わってみてください。

新装版文庫「嫌な女」は9月10日に発売になります。
お住まいの地域によって、また購入方法によって、発売時期は前後しますので、予めご了承ください。

「嫌な女」の新装版を皮切りに3ヵ月連続で、文庫が発売になります。
20年以上作家業をしていますが、このような連続刊行は初めてのこと。

原稿のチェックに追われる中で、装幀の確認や、HP等の更新作業の確認など、細々とした業務が続きました。
頭がバグってしまい、これはなんの原稿だっけ? てなことにならないように、音楽の力を借りました。

1つの作品に1つのテーマ音楽を決めています。
それを聞くことで、その作品世界にすんなり入れるようになります。
このパブロフの犬作戦によって、作品世界がまじることなく、それぞれ独立した世界観になっています。
まずは第一弾の新装版「嫌な女」の発売まで、いましばらくお待ちください。

「嫌な女」新装版

  • 2025年09月04日

9月10日に発売になる新装版「嫌な女」のお話を。
まずは新しくなった装幀のご紹介。
こちらです。

既刊の「嫌な女」で装幀をお願いした方たちに、イラストとデザインを新たにして頂きました。
強さと柔らかさの両方を併せもつ、素敵な装幀にして頂きました。

紙版は文庫サイズで、ちょっとばっかり厚いですが、文字が大きくなっているからなので、読み易さは更にアップしています。
未読の方、もう一度という方、是非本書をお買い求めください。

登場人物の一人、夏子は自己中で我が儘で嘘吐きで、男を手玉に取るのが得意。
ある意味、無敵ともいえる夏子ですが、残念ながら詰めが甘い。
だから結局はトラブルに。

そこで頼るのが遠縁の弁護士、徹子。
解決策を探ります。
当事者は勿論、関係者たちから話を聞いて歩く徹子が、なにを感じ取っていくのかを、楽しんで頂ければと思います。

この小説を単行本として発表した際には、様々な場所で取り上げて頂きました。
自著について書かれた書評やコメントを読む度に、大抵驚くのですが、この「嫌な女」の際もびっくりすることが多かったです。

細部についての熱いコメントを読めば、そこを掘り下げるのかと驚いたり、脇役が愛されていると知って驚いたり。

様々な読み方をして貰えるのは、とても嬉しいこと。
小説は読んだ時の年齢や、経験値などによって味わいが変わるもの。

今、読んで、どんなことを思うのかを試して欲しいと願っています。

新装版「嫌な女」が発売になります

  • 2025年09月01日

小説「嫌な女」の新装版が9月10日に発売になります。

なにが変わったかといいますと、文字のサイズです。
以前の文庫版より文字が大きくなり、より読み易くなりました。
また装幀も新しいものになりました。

遠縁でありながらも、まったく違う性格の徹子と夏子。
2人の人生を描いています。

これを書き上げた時に「ふー」と太い息を吐き出したことを、鮮明に覚えています。
徹子と夏子の人生に伴走したような気持ちになっていたので、書き終えた時に「ついに見届けたぜ」といった思いに至ったようです。

昔の暮らしぶりを知るために、昭和時代の庶民生活を切り取った写真集を買ったり、年上の女性に昔流行したファッションなどを聞いたりしました。

そうした下調べにたっぷり時間を掛けてから執筆をスタート。
今、振り返れば、楽しい時間を過ごしました。

執筆中は楽しさとしんどさの両方を同時に感じます。
楽しさだけにすることは出来なくて、同時にしんどさも受け入れなくてはいけない。

執筆中はしんどさの方にばかり目が向きがちですが、書き終えてみれば楽しかったことが印象に残ります。
だからこそ、次の作品を書こうという気持ちになるのですが。

徹子と夏子は、その人生の中で様々な人物と関わりをもちます。
そうした人たちそれぞれには過去があり、事情がある。
こうした人たちと触れ合いながら、なにかを感じ、なにかを学んでいきます。

徹子と夏子がどんな境地に辿り着くのかを、この小説を読んで見届けていただけたら嬉しいです。


Copyright© 2011-2025 Nozomi Katsura All rights reserved. No reproduction and republication without written permission.

error: Content is protected !!
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.