10月8日に発売になった文庫版「結婚させる家」の中には、様々なカップルが登場します。
その中の1組のカップルをご紹介。
結婚情報サービス会社に入会した田坂直樹は、53歳のバツイチ。
相談員の桐生恭子に、相手に望む条件を語ります。
子どもが欲しいので、出産が可能な30代までの人を紹介して欲しいと。
恭子は直樹の目を覚まさせようと言います。
「育児ってものを甘く考えている。生まれたら終わりじゃなくて、そこから始まる。あなたが60歳の時に、子どもはいくつになっているのか、計算出来ているのか」と。
だが直樹の気持ちは揺るがない。
そこで恭子は一計を巡らし会話の練習になるからと、会員同士が気軽に出会えるパーティーに、参加するよう勧めます。
そうして直樹をパーティーに参加させることに成功。

当初、直樹は氷鬼をしているのかと思うほど、会場で直立不動の状態でしたが、恭子があれこれ世話を焼き、女性会員との会話にチャレンジ。
女性との会話に慣れていくうちに、関本梢といい感じに。
恭子は2人の交際を前に進めようとしますが、直樹は二の足を踏む。
梢が52歳だから。
カリスマ相談員の恭子をもってしても、直樹の結婚相手に望む条件を変えることが出来ません。
そこで恭子は、豪邸で1週間生活を共にするというプレ夫婦生活企画への参加を促します。
直樹と梢はこの企画に参加することに決めたのですが・・・。
2人がどうなっていくのかは、本書でご確認ください。
文庫版「結婚させる家」が発売になりました。
単行本の時とは大分違う雰囲気の装幀になりました。
50代の悲喜こもごもが詰まった小説です。
今日はその中の1つをご紹介。
吉村梨佳はバツイチ。
周囲から強く勧められて、結婚情報サービス会社に入会。
同じ50代のバツイチ、細田泰彦と知り合います。
交際をスタートするものの関係は停滞中。

やり手相談員の桐生恭子に勧められて、豪邸での宿泊体験をすることに。
これは交際中の当人たちだけでなく、吉村家と細田家の親族たちも豪邸に泊まり、一週間寝食を共にするという企画。
互いを深く知り合っていくのが目的です。
交際を進めた先がどういったものになるかが想像し易くなるのも、この企画のポイント。
梨佳と泰彦は長時間一緒にいることで、それまで聞いていた話の裏側や、今も引き摺っている過去などを互いに知っていきます。
相手が抱えているものを、丸ごと受け止められるかが問われます。
梨佳と泰彦が選んだ結末はどんなものなのか。
本書でご確認ください。
先月発売になった新装版の「嫌な女」を皮切りに、文庫を3ヵ月連続刊行します。
第2弾がこの「結婚させる家」。
そして来月には「息をつめて」が発売になります。
どの小説でも様々な登場人物たちの人生を、描こうとしてきました。
文庫版はお手頃価格。
この機会にぜひご購入を。
「結婚させる家」の文庫版の発売まであと2日となりました。
先月の「嫌な女」新装版文庫の発売に続いての刊行になります。
この小説の舞台となる結婚情報サービス会社では、カリスマ相談員の桐生恭子が働いています。
この恭子の人生は訳あり。
生来のお節介気質を活かして、結婚相談員として第二の人生をまっとうしようとしています。
ある日、恭子は閃きます。
なかなか前に進まない交際中の会員の背中を押す企画を。
それは交際中の会員を豪邸に住まわせて、2人での生活を体験させるというもの。
将来像を想像し易くなって、ちゃっちゃっとゴールインするのではと考えたのです。

社長に心配されましたが、恭子は強引にこの企画を通し、腕まくりをして会員を豪邸に迎えます。
ところが。
恭子が思うようには事態は進まない。
会員は50代。
それぞれが背負ってきた人生がある。
好きの思いだけでは動けない。
それにプレ夫婦生活をしてみたら、カフェでお茶をしていた時には気付かなかった悪習を、目の当たりにすることに。
幻滅したり、怒ったり。
カリスマの恭子をもってしても、話をまとめられないケースも。
人生後半のパートナー選びは簡単ではないのです。
登場人物たちの人生を、決断を、そして恭子の変化を味わって欲しい小説です。
発売まであと少しお待ちください。
以前、撮影で豪邸にお邪魔したことがあります。
家を建てたものの、なんらかの事情で入居は中止に。
オーナーは売却ではなく、撮影場所として貸し出すことに。
こうした現場に慣れているだろうに、カメラマンをはじめ、スタイリスト、ヘアメイクさんたちが皆、口をあんぐりとしてシャンデリアを見上げる。
ここまでの豪邸は初めての模様。
そして仕事の準備はほったらかしで、各自が色んなところを開け始める。
クローゼット、浴室、オープン・・・開けられるものは全部開けると決めたかのよう。
「うわっ」とか「はいはいはい」とか呟きながら。
豪邸は人を挙動不審にさせると知りました。
「結婚させる家」文庫版は10月8日発売です。
3ヵ月連続刊行の第2弾は「結婚させる家」です。
この文庫版が10月8日に発売になります。
婚活に取り組む50代の男女の物語です。
50代の婚活は、他の世代のそれとは違います。
そこそこの年月を生きてきただけに、それぞれが抱えている事情は複雑になっている。
相手に求めるものも若い頃とは違う。
男女が越えなければいけないハードルの高さは増しているのです。
それでも結婚したいと願う人たちの奮闘ぶりを描いている小説です。
人生100年時代。
50代は折り返し地点。
残りの人生をどう過ごしたいのか、誰と過ごしたいのかを考える登場人物たちを、きっと身近に感じられるはず。
発売までいましばらくお待ちください。
最近はマッチングアプリが人気のようです。
手軽に相手を見つけられると好評のようですが、残念ながら騙される人たちも。

「結婚させる家」の舞台はというと、結婚情報サービス会社です。
ここでは最終学歴の証明書や、収入額を証明するもの、独身を証明するものといった書類の提出が必須。
手軽ではありません。
その代わり身元が正しく分かるという利点が。
友人のA子が50代で婚活を始めようと決意した時のこと。
この年で騙されている時間はないと考えたA子は、結婚情報サービス会社を選択。
母校の大学に卒業証明書の発行を依頼するため、申請書を取り寄せると・・・申請理由を書く欄が。
婚活とは書きたくない気持ちが胸に溢れる。
そこで就職活動の際に必要と嘘を書いて申請。
次に独身証明書を取得しようと調べると、役所に出向かなくてはいけないと知る。
コンビニでの申請は不可。
役所のみ。
ただし郵送で申請することは出来る。
が、手数料の300円を、郵便局で定額小為替を購入して同封しなければいけない。
定額小為替という聞き慣れないものを、郵便局で入手しなくてはいけないというハードルが高かった。
A子はこのハードルを越えられませんでした。
メンドー臭いの方が勝ってしまったのです。
思わぬところで人は躓くものですね。