文庫「結婚をさせる家」
- 2025年10月06日
「結婚させる家」の文庫版の発売まであと2日となりました。
先月の「嫌な女」新装版文庫の発売に続いての刊行になります。
この小説の舞台となる結婚情報サービス会社では、カリスマ相談員の桐生恭子が働いています。
この恭子の人生は訳あり。
生来のお節介気質を活かして、結婚相談員として第二の人生をまっとうしようとしています。
ある日、恭子は閃きます。
なかなか前に進まない交際中の会員の背中を押す企画を。
それは交際中の会員を豪邸に住まわせて、2人での生活を体験させるというもの。
将来像を想像し易くなって、ちゃっちゃっとゴールインするのではと考えたのです。
社長に心配されましたが、恭子は強引にこの企画を通し、腕まくりをして会員を豪邸に迎えます。
ところが。
恭子が思うようには事態は進まない。
会員は50代。
それぞれが背負ってきた人生がある。
好きの思いだけでは動けない。
それにプレ夫婦生活をしてみたら、カフェでお茶をしていた時には気付かなかった悪習を、目の当たりにすることに。
幻滅したり、怒ったり。
カリスマの恭子をもってしても、話をまとめられないケースも。
人生後半のパートナー選びは簡単ではないのです。
登場人物たちの人生を、決断を、そして恭子の変化を味わって欲しい小説です。
発売まであと少しお待ちください。
以前、撮影で豪邸にお邪魔したことがあります。
家を建てたものの、なんらかの事情で入居は中止に。
オーナーは売却ではなく、撮影場所として貸し出すことに。
こうした現場に慣れているだろうに、カメラマンをはじめ、スタイリスト、ヘアメイクさんたちが皆、口をあんぐりとしてシャンデリアを見上げる。
ここまでの豪邸は初めての模様。
そして仕事の準備はほったらかしで、各自が色んなところを開け始める。
クローゼット、浴室、オープン・・・開けられるものは全部開けると決めたかのよう。
「うわっ」とか「はいはいはい」とか呟きながら。
豪邸は人を挙動不審にさせると知りました。
「結婚させる家」文庫版は10月8日発売です。