不思議な店

  • 2020年08月24日

とある街を歩いていたら・・・行列を発見。
10人ほどの男性たちが一列に並んでいる。
えっと、そこ、なんでしたっけ?

何度かその前を通ったことがありましたが、そこになにがあったのかは覚えていませんでした。

行列の先頭はドアらしきものの前にいる。
そのドアの横には小さな表札が1つだけ。
こじゃれた民家の玄関ドアっぽい雰囲気。
つまり店名を表すような看板の類が、見当たらないのです。

丁度私がその前を通り過ぎようとした時、ドアが開いて中から人が出てきました。
途端にラーメンの匂いが。
ラーメン店?
ドアが閉まるまでの短い時間、中を覗くと・・・真っ暗。
その真っ暗な中で男性たちがカウンターに着き、ラーメンを食べていました。
なんだこれ。

五感を研ぎ澄ませた状態で食べるってやつですかね。
行列が出来るぐらいなので、美味しいんでしょう。
それにしてもその店の情報を、どうやって入手したんでしょうか。
店名表示の仕方を見れば、店主は積極的に宣伝していこうとするタイプではなさそうだし。
SNSで拡散したってことなんでしょうかね。

それから半年後、その店の前を通る機会が。
いました。
番を待つ客たちが。
その日は30人ほど。
全員が男性。

そこはオフィス街にあるので、美味しければ女性たちが並んでいたって全然おかしくないと思うのですが、何故か男性だけ。

それからまた半年後。
その街での用事が終わったのが昼時で、知人A子と近くでランチでもという話に。
そこで思い出しました。
あのラーメン店を。

私が説明すると、A子はすぐに乗り気になり「そこに行きましょう」即決。
いよいよ暗闇の中でのラーメンに挑戦かと思ったら・・・行列がない。
嫌な予感。

ドアはそのままでしたが、小さな表札がなくなっている。
ドアを開けてみようと手を掛けましたが、びくともしない。

残念なことにお店に入れませんでした。
表札がなくなっているということは、定休日だからやっていないのではなく、店を止めてしまったっぽい。

あんなに人気店だったのに。
期間限定のお店だったのでしょうか。
こだわりアリアリの店主のようでしたから「もう俺のラーメンは食わさない」と思う、なにかがあったのでしょうか。

A子と2人、肩を落として別の店へ。
そのうちになんて思っちゃダメなんですよね。
興味をもったらまずはトライしておかないと。

日傘を

  • 2020年08月20日

暑いですねぇ。
夏って、こんなにしんどいものでしたっけ?
陽射しの強いことといったら。
もうね、痛い。

以前から日傘を愛用していますが、今年はもうこれがなきゃ、駅まで辿り着けないってぐらいです。

私は晴雨兼用の折り畳み傘を、1年中バッグに入れています。
当時最軽量だという折り畳み傘で、確かにとっても軽いので、バッグに入れて持ち歩いていることを忘れてしまうほど。

ただしこの軽い傘、いいことばっかりじゃない。
軽量にするために骨の本数や太さ、材質にこだわったはず。
開発者はその時諦めたんでしょう。
強度については。

ちょっと強い風が吹くと、たちまちオチョコになってしまう。
オチョコになる度にいちいち傘を閉じて、開いてをするのが面倒なので、風が来たなと思うと、風上の方に傘を向けます。
普段皆さんは風がどっちからどっちへ流れているなんて、気にしていないと思いますが、私は気にする。
ん? こっちから来たぞ。
と思った瞬間、傘を風上の方に向けて、オチョコにならないようにする。

何年もこんなことを繰り返しているうちに、今や無意識で、反射的に風の方向に傘を向けられるようになりました。

今は日傘がすっかり生活に根付き、見慣れたものとなりましたが、昔はそうでもありませんでした。
30年ぐらい前に日傘を差して歩いていたら、子どもが走り寄って来て「雨、降ってないよ」と教えてくれたことがありました。

「これは日傘といって、雨ではなく紫外線を避けるために・・・」といった説明をした記憶があります。

すっかり定着した日傘。
男女年齢問わず、使用した方がいいと今夏は特に思います。

指切り

  • 2020年08月17日

友人A子が交際中のカレの浮気が発覚したという。
この1年ばかり、10歳年下のカレとのラブラブ話ばかり聞かされていたのですが。
そのような展開になっていたとは。

で、どうすんの? と尋ねると・・・勿論別れるわよとA子は言う。
「そうなの? 遣り直せないの?」と私は聞きました。
「もう無理なの。だって浮気はしないって指切りげんまんしたのに、それを破ったんだから」とA子は答えました。

物凄く久しぶりに聞きました。
指切りげんまんという単語。

皆さん、指切りげんまんをする時のフレーズを覚えているでしょうか?
指切りげんまん、嘘吐いたら、針千本飲ます 指切った。
ですよ。

改めてこのフレーズに着目すると・・・なんちゅう約束なんでしょうか。
縁を切るとか、嫌いになるとかじゃない。
嘘を吐いた場合には千本の針を飲んで貰いますからね、という約束なんです。
誰が、どのようなタイミングで、このフレーズを口にし、それがまた日本全国に普及したのか。
チコちゃんに調べて欲しいところです。

で、A子はどうなったかというと・・・カレが深く深く反省し、土下座をしたり、指輪を買ってくれたり、流しの詰まりを直してくれたりしたそうで、許すことにしたんだとか。

あなたを励ましたり、慰めたりした、私の4時間を返して。

私と同様にA子を慰めたB子は言いました。
「A子にぞっこんって感じだったカレも、チャンスがあれば浮気をするんだから、どんな人でも浮気をするんだと思っていた方がいいだろうね」と。
意志を総動員して、断るという英断を下せる人はいないのかな? と私が問うと、「人ってそんなに強い生き物じゃないから」とB子は答えました。
含蓄のあるお言葉です。

私としてはA子のカレに、チャンスが訪れませんようにと願うばかりです。

制服のボタン

  • 2020年08月13日

OL時代、制服を着ていました。
この時期は私にとって、ボタンとの闘いの日々でもありました。

最初の会社の制服はワンピース。
前身頃にボタンが付いていて、それで留めるタイプ。
ところが下半身デブの私が座ったり、屈んだりすると、ボタンをぐいっと引っ張ってしまう。
それでボタンを留めている糸が、びろ~んと伸びてしまう。
裁縫が大の苦手の私が、ぶつぶつ言いながらボタンを留め直す。
これが半端じゃない回数になる。
ボタンは大体この辺りという場所に付けます。
そうじゃないとボタンホールの位置と合わなくて、ボタンを留められなくなるから。
何度もボタンを同じ辺りに留め直しているうちに、その部分の布が破れてくる。
引っ張られるのはボタンだけど、同時にそれを留めている糸、ひいてはその糸が拠り所としている布に影響を及ぼすのです。
もう私の技量では直せない状態に陥った時、たまたま次の会社へ転職。

次の会社にも制服が。
タイトスカートの前身頃に、ずらっとボタンが並んでいるのを見た時、嫌な予感しかしませんでした。
案の定ボタンが引っ張られて、すぐに取れそうになる。
でもそこの会社には、もう1つ別のタイプの制服がありました。
そちらは膝丈のパンツ。
お尻や下っ腹、太腿の辺りにボタンがないデザインでした。
ということで、私はこちらのパンツタイプの方をもっぱら着用していました。

ところが。
このパンツにもボタンがない訳じゃあない。
ファスナーの上部に、パンツをウエストで留めておくためのボタンが一つありました。

ストレスのせいなのか、不摂生のせいなのか、短期間で5キロほど太ってしまって・・・ボタンを留められなくなる。
朝出勤して制服に着替える時、まず深呼吸。
それから全身全霊の力を指に注いで、ウエストのボタンを留める。
これでなんとか午前中頑張る。
でも午後は難しくなる。
昼食を食べるとお腹が張って、頑張って指に力を入れてもボタンを留められない。
ボタンホールが遠いなぁと呟いて、呆然とする毎日でした。

で、午後はどうしたのかというと、ボタンはしないまま。
ファスナーをちゃんと上部まで上げ切っておけば、ゆるゆると開いてしまったりはしないことを、この時発見しました。
あなたは楽だろうけど、見た目がおかしいでしょとのツッコミがあろうかと思いますが、丈が長めのベストがあったため、それで覆い隠してバレませんでした。

このように私が制服を着ていた期間は、ボタンとの闘いの日々でした。
どっちが勝ったのかいえば間違いなくボタンの方で、私は敗者でした。

先週、ウエストがゴムのスカートをセールで買い、超楽だわぁと感動し、ふと闘いに明け暮れた日々を思い出したのでした。


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