扇子をバッグに入れて持ち歩くようになりました。
部屋着や布団も夏用のに順次切り替え中です。
以前使っていた扇子は、数年前の暑い日に、たまたま通りかかった店で売られていて、衝動買いしたもの。
これで夏を過ごしやすくなると期待していたのですが・・・。
その扇子には香が仕込まれていて、扇ぐと、微かにその香が漂ってくるのです。
これ、失敗。
買う時には、サンプルを手にして扇いでみたりしたのですが、香はしませんでした。
皆が扇いだせいで、消えてしまっていたのでしょうか。
レジに持っていったのは、サンプルの下に並んでいた、袋に入ったもの。
自宅で袋を開けて、扇いでみると「わっ、においがキツッ」といった具合。

「そんなに夏が嫌かね?」と友人に尋ねられ、「ん?」と聞き返すと、「物凄く顔を顰めて扇子を動かしているから」と指摘されました。
どうやら扇子から漂う香が嫌で、顔を顰めながら使っていたのを、夏が嫌いで嫌いでしょうがないからと思われたようです。
それでも新たに別の扇子を購入するでもなく、顔を顰めながら扇ぐというのを、夏の風物詩にするべく健闘していたところ、思わぬところから救いの手が。
化粧品を買ったところ、プレゼントとして扇子が届いたのです。
早速扇いでみると・・・におわない。
無臭の扇子の素晴らしさに感動。
扇子はこうじゃなくちゃいけません。
しかも、小袋が付いているので、バッグの中でポーチやなんかに押しつぶされて痛むのを防いでくれます。
こうしたなにかを買った時に貰う粗品で「うわぁ、素敵」と思うことは滅多にありませんが、これはヒット。
そこは運転免許の更新のために訪れた会場でした。
一部屋に集められ、皆でビデオを見させられることは、何度も経験していたので、わかっていました。
その部屋にはすでに人がいっぱいで、最前列にしか空きはありませんでした。
仕方なく最前列の端に座り、扇子で扇ぎだしました。
駅から結構歩いたことで運動した汗と、迷ったために出した冷や汗で、暑かったのです。
部屋の背後から、男性の「暑いですか?」という大きな声が。
振り返ると、バチンと男性スタッフと目が合います。
周りを見回してみると、扇子をバタバタ動かしているのは、私のみ。
完璧に私にのみ尋ねているようです。
どうしよう。
と思いながらも、手を動かし続けていると、その男性が「冷房をもう少し強くできるかなぁ」と言い出して、歩き出しました。
その向かう先にあるのは、空調のコントロールパネルが設置されているらしき壁。
わっ。そんな。
私だけのために温度を下げたりしたら、皆々様に申し訳ない。
「あの、いえ、全然大丈夫です。もう暑くなくなりました」と、扇子をぱちんと閉じて机に置き、もう暑くないというアピール。
「大丈夫ですか?」と確認されたので、「はい。お気遣いいただきましてありがとうございます」と、本当はまだ全然汗はひいてはいなかったのですが、精一杯涼しい顔で答えました。
扇子で扇ぐという行為は、意外と人の目に強烈に映っているようだと気付いた一件でした。
小学生の頃からしょっちゅう唇の皮がめくれていました。
なぜ、唇の皮がめくれるのか。
それは、どうして私だけなのか。
当時はまったくわかりませんでした。
子どもなので、そっとしとけばいいものをそうはできず、剥けかかっている皮を摘んで無理矢理剥がしてしまいます。
すると、どうなるか。
血がでます。
すると、それからどうなるか。
水を飲んでも沁みる状態に。
痛いのでしばらくの間は「皮は剥かない」「剥いちゃいけない」と自分に言い聞かせていられるのですが、また別の箇所で皮がめくれてくると、我慢できずにやっちまうのです。同じ過ちを。
年頃になると、リップクリームを塗るという手段を覚えます。
が、塗らない時より、塗ってる方がましといった程度で、やはり皮のめくれを完全に抑えることはできませんでした。
手に入るすべてのリップクリームを試してみましたが、そのどれも私には効果はありませんでした。
口紅を塗る際には、まずリップクリームを塗り、その上に口紅を重ねますが、やはり皮はめくれます。
特に外国製の口紅は、入っているものが違うのか、大胆に皮が剝けます。
数年前のある日、日用品をネットで購入しようとしていました。
あとちょっとで送料無料になるとわかり、嵩張らないものでも、なにか買っておくかと考えました。
それじゃ、リップクリームでも買っておくかと、そのページに入ってみると、ずらっと商品の画像が並んでいます。
そうか、こんなに種類があるのか、と今更ながら気がつき、この際だから、いつも買っているのではないものにしてみるか。
と考え、皮のめくれを抑えるといった言葉が、商品説明の蘭にあった品をクリック。
数日後に届いたそのリップクリームをつけてみると・・・なんと皮がめくれない。
うそっ。
どういうこと?
含有物の蘭に目を通しましたが、カタカナで表記されている知らない単語の羅列から、なにかがわかるわけもなし。
とにかく、皮がめくれないというリップクリームと運命の出合いをしたというだけで良しとしましょう。
それが、こちら。

なぜ私の唇の皮がめくれるのかといった根源的な問いへの答えは得られてはいませんが、長いこと恥ずかしく思っていた唇の皮めくれから解放されたことは無上の喜びです。
ある日の夕方。
電話が鳴ったので、受話器を上げると、録音されていると思われる女性の声が聞こえてきます。
「・・・現在○○社は、○○選挙に関する電話アンケートを実施しております。コンピュータで無作為に選んだ電話番号にお掛けし、いくつかの質問に答えていただける方に、アンケートの協力をお願いしております。かかる時間はおよそ5分程度です・・・」
おおっ。
こんな風に電話がかかってくるのであったかと、びっくりするやら、物珍しいやら。
それまでテレビのニュースや、新聞などで世論調査結果を見聞きしていましたが、「本当に?」という結果のことが多く、実際にちゃんとアンケートを取っているのだろうかと不審に思っていたのです。
まさかとうとう、それが自分の身にやってこようとは。
ここは是非とも、どういった質問が出るのかと聞きたいところでしたが、生憎夕飯の支度中で、5分のインターバルは料理の結果に多大な影響を与えかねないメニューだったため、泣く泣く受話器を戻しました。

アンケートといえば、以前、現在住んでいる区から突然大量の書類が届いたことがありました。
区内在住者に交通アンケートをお願いしていると手紙には書いてあり、いつ、どれくらい、どういう手段で移動しているのかを調査したいと理由が並んでいました。
が、私は会社勤めをしているわけではなく、また生鮮食品も日用品もそのほとんどをネットで手に入れているため、滅多に移動しない女なんですね。
こんな私の情報は参考にはならないでしょうし、というよりむしろ参考にしてはいけないぐらいの情報なのではなかろうかと考え、そのまま放っていました。
が、私のような特異なデータも、これからの街づくりを考えるうえでは必要な情報なのではないかと、ふとトイレに入っている時に思い至り、うっちゃっておいた書類を引っ張り出してみました。
と、これがもう細かいっ。
マークシート形式なので、該当箇所を鉛筆で塗り潰すだけなのですが、質問が細か過ぎて、一つひとつ答えていくのが面倒なぐらいなのです。
現在住んでいる住居が木造かそうではないのか、一軒家が集合住宅か、集合住宅の場合、何階建ての何階なのか、持ち家か賃貸か、何人で住んでいるのか、広さはどれくらいか、そこに何年住んでいるのかといった細かい質問が続くのです。
交通のアンケートのはずですが、出発点に関する質問ですでにうんざりしてきます。
いったいどれくらい質問があるのだろうと、書類を捲ってみると・・・200個以上の質問があることが判明。
無理。
未来の街づくりは大切ではありますし、貢献したいとの思いはありましたが、あまりに質問が膨大で、すぐに挫折。
時間のある時に、再チャレンジしようと書類を元の場所に戻してしまいました。
が、時間のある時なんて時はないのです。
別の書類を探していて、この書類を発見した時には、すでに締切日を大幅に過ぎていました。
アンケートに答えようとの思いはそこそこある割に、なかなか実現しないもんです。
本になるまでの間には、何度も原稿をチェックする作業があります。
校正用に印刷された紙を何度も読み返し、誤字脱字はないか、修正する箇所はないかをチェックする大事な作業です。
そうやって見つけた修正したい場所には、赤色のペンで線を引き、その線をにょいっと余白まで延ばして、そこに直すべき言葉を手書きで入れます。
印刷所では、この手書きの修正指示に従って一つひとつ直していくので、この指示は読み易く、わかり易いというのが第一。
が、大幅に書き直したい時などには、紙の余白が足りなくなって、裏面に続けたり、限界に挑戦するかのように小さな文字で綴ったりといったことになります。
そこで付箋をオリジナルデザインで作成しているところを見つけ、7センチ四方程度の付箋に升目を印刷して貰い、それを原稿用紙に見立てて、修正する文章を手書きするように。
なぜ升目が必要かというと、促音や読点といった間違い易い箇所が、升目があるとわかり易くなるからです。
が、残念ながらこのオリジナルで付箋に印刷をしてくれていた会社が、このサービスを止めてしまいました。
探してみましたが同様のサービスをしているところは見つけられず、それじゃ原稿用紙という原点に立ち返ることに。
升目があるのだから原稿用紙ならなんでもいいかといえば、そうではなく、やはり書き易さ、使い易さは必須条件。
便箋を愛用しているメーカーで原稿用紙も作っていると知り、さらに名入れもしてくれるようだったので、そこにオーダー。
それが、こちらです。

B5版サイズの原稿用紙はクリーム色で、目に優しい感じ。
ボールペンのインクも綺麗にのってくれるような紙質で、とても書き易いです。
ルビの場所があるものと、ないものの2種類があり、どちらか選べるようになっていて、どっちにすべきかでは結構悩みました。
ルビの蘭があれば、当然その分のスペースが必要なので、升目の1つは小さくなります。
升目は大きければ大きいほど、見易いのではなかろうかと思い、ルビなしにしようと一度は決めたのですが、いや待てよと、考え直します。
ルビを入れたい時がないわけじゃない。
で、結局はルビの蘭がある方を選択しました。
これ、正解でした。
それじゃなくても字が下手な私の修正指示が、印刷所で「んだよ。読めねぇよ」と言われないようにするための工夫です。
実際印刷所で私の修正指示の評判がいいのか、悪いのかはわかりませんが、いつもきっちり直していただいています。