新刊「我慢ならない女」が出てから、様々な感想が私のところに届きました。
その多くは編集者たちからで、「編集者に対して厳しいっすねぇ」というのが大方でした。
この小説の主人公は女性小説家。
当然ながら、編集者という仕事をしている人たちも複数登場します。
その編集者たちの描き方が、当の編集者たちからすると「厳しい」と感じるようなのです。
そんな時は「フィクションですから」と答え、「私と主人公は別人格ですから」とフォローするようにしています。
いつの頃からか、1つの都市伝説のようなものを信じていました。
作家というのは、編集者と呼ばれる職業の人によって育てられていくもの――という都市伝説です。
そんな小説を読んだのか、あるいは映画を観たのでしょうか。
実際に作家になってみると、そんな都市伝説は幻だったのだとすぐに理解します。
まず、編集者は2、3年で異動していくなんてことを、作家になるまで知りませんでした。
出版社にもよりますが、多くの場合、担当になってもらい、さあ、どういう小説にしようかと打ち合わせたり、食事などを共にして親交を深めたりしているうちに、「実はこの度異動になりまして」と言われることに。
私が新作を掛け持ちして書かないというスタイルを取っているせいもあり、1つの作品が完成する間に担当編集者が4人変わったなんてこともあります。
こうした環境では、編集者が1作家の成長をずっと見守り、育てていくなんてことは不可能なのです。

が、そもそも誰かに育てて貰おうと思っていたこと自体が、甘ちゃんだったと気付きました。
苦しくても、辛くても、自分で肥料をやり、水をやり、陽に向かって伸びていくしかないのです。
肥料の調合具合も、水のやり方も、嵐の避けかたも、自分で方法を見つけてトライしていくだけ。
孤独な戦いをずっと続けられる人が、作家で居続けられる人のように思います。
そうはいっても、時に励ましてくれたり、鋭い指摘をしてくれたりという人の存在は作家にとって大事す。
それを抜群のタイミングでしてくれる優秀な編集者というのが実在することも、お知らせしておきます。
また、そうした編集者たちのお陰で今の自分があると感謝していることも、併せてお伝えしておきたいと思います。
編集者たちの名誉のためにも。
洗濯洗剤には、液体濃縮タイプを使用しています。
が、どうも汚れと臭いが取れていないような気がしてしょうがない。
泥んこ遊びをするような年でもないので、さほど汚れてはいないはずなのに、綺麗になったといった満足感が得られません。
私のことだから、なにかとんでもないことをしでかしているのでは。
と、考えて、洗濯洗剤容器をがん見し、柔軟剤でも食器用洗剤でもないことを確認。
次に、洗濯機の取扱説明書を取り出し、洗剤を投入する場所が間違っていないこともチェック。
どうやら、使い方に問題はなさそうです。
汚れや臭いは気のせい、と思うことにして、月日を重ねていたところ・・・日によっては、気のせいではないな、とはっきりと思ってしまうことも。
しかし、よき解決策が思いつくでもないので、そのままにしていました。

ある日のこと。
ふと、洗濯物の量がいけないのではないか。
という根源的な問題に気が付きました。
ドラム式の洗濯機は、正面に扉がついていまして、いつも、右手で洗濯物を押し込み、その手をすっと抜いた瞬間に左手で扉を閉めるという神技を披露していました。
そうしないと扉が閉まらないぐらい、ぎゅうぎゅうに洗濯物を押し込んでいたのです。
その洗濯機は賃貸マンションの備え付けのもので、非常に小さく、自分で買うのだったら、絶対にもっと大きな洗濯機にしてるんだけどな、と思っていました。
だって、3キロしか入らないなんて、小さすぎるって。
などと呟きながら洗濯機の取扱説明書を再び読み始めてみると・・・おおよその洗濯物の重さについてイラストを使って説明されているページが。
そこに「6キロの洗濯物の目安は・・・」という文章を発見。
6キロ?
えっ? いつから?
この洗濯機は3キロしか入らないんじゃなかったっけ?
と、すっかり動揺。
どこで勘違いしたのか、私はその洗濯機のマックスが3キロだと思い込んでいました。
思い込んだまま、洗濯洗剤容器の裏面に書いてある、洗剤量の表を見て、3キロだから、容器のキャップにあるこの線までの洗剤を入れればいいんだなと判断し、投入していました。
いつも洗濯機にぎゅうぎゅうに詰めていましたので、洗濯物は間違いなく6キロはあったはず。
ということは、6キロの洗濯物に見合った洗剤量を投入しなくてはいけなかったのです。
しかし3キロと勘違いしていましたから、必要な洗剤量の半分しか入れていなかったことに。
6キロの洗濯物の場合、容器のキャップ一杯分と裏面に書いてあったので、その通りに投入。
洗濯終了のブザーが鳴って、洗濯物を取り出してみると・・・ちゃんと汚れは落ちていて、気になっていた臭いもきれいさっぱり。
洗剤の量だったか・・・。
と、洗濯物を手に、しばし呆然と立ち尽くしました。
私の中にあるネジの何本かが弛んでいることは十二分に承知していましたが、こういう己のダメっぷりを目の当たりにすると、改めて自分にがっかりしてしまいます。
ある朝のこと。
歯を磨いた後、何の気なしに舌をべろんと鏡に映してみると・・・なんと、下に黒いカビのようなものが発生していました。
それは円状で、直径は1センチほど。
我が舌ながらそれは大層気色悪く、思わず吐き気をもよおすほど。
口をゆすいでみたり、舌クリーナーでこそげ落とそうとしてみたりしましたが、黒いカビのようなものは、消えてくれません。
なんちゅう奇病にかかってんだと毒づきながら、これから早速病院に行かねばと決意しました。
が、何科に行けばいいのだろうとの疑問が。
歯科でいいのでしょうか?
グロテスクさが重病のサインっぽいので、まずは内科のような気もします。

そこでネットで調べてみることに。
検索で引っかかってきたページをいくつか読んでみたところ、わかったのは、鼻水止めの薬を連日飲み続けていると、舌に黒い斑点が出てくる場合があるらしいこと。
思いもしなかった情報。
しかも、納得の情報。
実は鼻炎に悩まされていて、症状が酷い時には、かんでもかんでも洟が止まらず、仕事にならないことも。
そんな時には、鼻の孔にティッシュを詰めて執筆をしていましたが、それは息苦しくて辛いので、結局は鼻水止めの薬に助けて貰っていました。
ちょうどその頃は、鼻炎が酷く、連日鼻水止めの薬に頼っていたのです。
と、すっかり納得しかかったものの、舌にできた黒いカビのようなものが、本当に鼻水止めの薬のせいなのでしょうか。
どうも私には、鼻と舌の関連性がよくわかりません。
そうしたことが書いてあるページを3度読んでみましたが、原因と発症に至るまでの経緯については理解できませんでした。
どうしたものか。
そのネット情報によれば、鼻水止めの薬を飲まなくなれば、舌の黒い斑点は消えるとあります。
しばし悩んだ結果、緊急性はないと判断し、鼻水止めの薬を飲むのを止めて、様子をみてみることに。
鼻水止めの薬を飲まずに過ごすこと2日。
恐る恐る舌をべろんと鏡に映してみると・・・きれいさっぱり消えていました。
どうやらネット情報は正しかった模様。
お陰で、どこかの忙しいドクターの手を煩わさずに済みました。
最近では、ネットの情報との付き合い方に難しさを感じるようになっていました。
ですが、今回のようにそのネットの情報によって、無駄に心配しなくて済むという経験をすると・・・上手く付き合い方を会得すれば、やっぱり便利なツールなんだよな、と今更ながら感じました。
最近、出かける支度にかかる時間を、それまでの4分の1程度に短縮できるようになりました。
それは、ハーフアップだった髪のセット方法を変更したせい。
円形脱毛症で、あっちこっちに500円玉サイズのハゲがありました。
これを隠す最上の髪型が、ハーフアップでした。
ハゲているところを、別の場所の髪で覆うようにすることで、隠すのです。
が、これが結構時間がかかる。
最大の理由は私が不器用だからなのですが、さらに、背中の半分ほどの長さがあるせいでゴム1つでは収まらず、3分割したうえで3つのゴムを使って束ねねばならないという理由もありました。

毎回メンドーだなと思うこのストレスが、またハゲを増やしているのではなかろうかと思うことさえありましたが、最近になって、すべてのハゲていたところから毛が生えてくるという僥倖に巡り合いました。
が、心からは喜べない。
ハゲとの付き合いは長く、こんな風にハゲが消えたとしても、しばらくするとまた別の場所がハゲるという経験を何度もしているので、ヤツらのしつこさは十二分に承知しているからです。
なので、思い切ってショートカットに、とはできない。
またいつ何時、ハゲとの戦いが再燃するやもしれないのですから。
が、ハーフアップは面倒臭い。
だからといってそのままワンレンにしておくと、髪が顔にかかり、それが湿疹等でデリケートになっている肌を刺激するようで、「痒い痒い」となる。
で、検討の結果辿り着いたのが、カチュームをするというものでした。
これ、「カチューシャ」の後ろ部分に「ゴム」が付いているので、誰が言い出したのか「カチューム」と呼ばれているもの。
髪を梳かした後、カチュームを頭にはめて、はい、出来上がり。
ユーチューブでやり方を検索する必要なし。
めでたし、めでたしと言いたいところなのですが・・・。
ネットで見る限り、このカチュームはシンプルなものが少なく、キラキラしている物が多いのです。
素材にラメが入っていたり、光るストーンが付いていたり。
普段使いするには、ちょっと勇気がいるようなものが多い。
どうしたもんかと迷っていると、友人が「大丈夫」と受け合いました。
誰も、あんたのヘアアクセサリーなんぞに興味はないし、注目もしないから。好きなものを付けて、あーラクチンと言ってなさいな、と。
そっか。
と素直に納得し、キラキラしているカチュームをするようになりました。