会社員時代、フリーライター時代、期日までに仕事を終えるというのは、必須要件でした。
これは、いつまでにやって貰えるのか、いつまでに渡さなくてはいけないのか、といったことをきっちりつめ、その期日がなんらかの事情で守られないような時には、大騒ぎになりました。
こうした取り決めは、会社員時代よりも、フリーライター時代の方が、より、大きな重しとなって、私に圧し掛かってきました。
会社員時代であれば、体調が悪ければ、同僚などに仕事を頼むということができました。でも、フリーランスでは、そんなフォローをしてくれる仲間はおらず、風邪をひこうが、インフルエンザにかかろうが、期日までに原稿を上げなくてはならないからです。
そもそも不安定なフリーライター稼業。
私のかわりは、いくらでもいます。
一度、約束した期日までに原稿を上げられなかったら最後、二度と仕事はこないとわかっていたので、必死で納期日に間に合わせました。

作家となってからは、腰を落ち着けて執筆したい。もう、あんな、時計をちらちら見ながら、締切に追われる日々とはおさらばしたい。
との思いはとても強く、複数の作品を同時進行で書いていくような、連載をいくつも抱えるといったスタイルは取っていません。
新作は一つだけ。
それだけに全力投球し、書き終えたら、次の作品を、といった具合。
こんな、マイペースを許してもらっているというのに、さらに、はっきりした期日を口にしないという卑怯な手も使っています。
「いつ頃、完成しそうですか?」と尋ねられれば、「暑くなる前には」「厚手のコートを着る頃には」などと、曖昧を通り越して、いい加減な答えに終始するのです。
会社員時代に、相手がそんなことを言った日にゃあ、打ち首もんでしたが、業界変われば、反則技も変わるでして、文芸界では、こんなことでも、了承してくれる懐の大きさがあるようです。
このほかにも、文芸界には、会社員時代には考えられなかったことがありますが、そのなかの一つに、契約書にあまり重きを置いていないことが上げられます。
この世界に入るまでは、まず、契約書を交わしてから、執筆に入り、その後、必要な時々に、契約書を交わして、出版まで進むようにイメージしていたのですが、実際は、全然違っていました。
口約束のまま、どんどん進行していき、出版して、しばらく経った頃に、契約書が送られてきて、過去の日付けの契約書にサインと捺印をするのです。
慣習と思われるのですが、互いを信頼しきっている感じが、とても日本っぽく、嫌いではありません。
あるケースでは、単行本を発行し、三年後に文庫を発行することになり、調べてみたら、契約書をまだ交わしていなかったので、今からしてもらっていいですか? と、笑っちゃうような連絡があったことも。
また、あるケースでは、珍しく、私から「そういえば、契約書って、交わしましたっけ?」と尋ねたら、「あっ、交わした方がいいですか?」という、びっくりする質問返しがきたことも。
なんでも、作家によっては、契約書の話を持ち出すと、そんな杓子定規なことを言ってくるとは、何事だと、怒り出す人もいるそうで、作家側から言い出されるまでは、言わないと決めているそうです。
こんなのんびりした世界、私はとても好きですが、最近は、映像や電子書籍など、関わる会社が増えてきているせいで、きっちりと契約書を交わすことが増えてきました。
文芸界にも、時代の変化がやってきているようです。
とすると・・・そのうち、「暑くなる前には」なんてことも通用しなくなるのでしょうか。
それは、ちょっと困るなぁと、思ったりしています。
ここ数年、はまっているのが、干し柿ゼリー。
食料品は、ネットで購入し、週に1度届けて貰っているのですが、そのネットショップで見つけた一品。
ひと口噛めば、「あぁ、干し柿だ」と呟いてしまうに違いない、しっかりとした干し柿の味。
ゼリー1個を食べ終えたら、干し柿1個を食べたぐらいの満足感が得られます。

映画のDVDを観ながら、つい食べ過ぎてしまい、1袋、完食してしまうことも。
カロリーを常に気にしなくてはいけない私に、あってはならない行動です。
そこで、小皿を用意し、この小皿にのせられるだけの分を、食べてもよい量としようと決意。
のせてみると、3個でギリギリといった状態。
それまでの暴食と比べると、3個では、物足りない気持ちでいっぱいになりますが、ここで我慢できなくてどうすると、自分を励まし、この日は、それ以上は口にしませんでした。

数日後、再び、小皿を用意し、そこに干し柿ゼリーをのせてみます。
やはり、3個でいっぱいに。
が、人間には、知恵と工夫という素晴らしいものがあるんですね。
3個の干し柿ゼリーの上に、さらに重ねてみれば、合計6個をのせられると気付くわけです。
さらに、隙間にそっと置いてみるなど、工夫を重ね、13個までは、のせられるとわかります。
小皿に干し柿ゼリーがてんこ盛り状態。
もう、小皿にのせられるだけの分を、食べてもよい量と考えた理由は、どこかへ吹き飛んでいて、これで、1皿分だもんね、と、作り出した屁理屈に満足して、にやり。
そして、DVDを観ながら13個を平らげ、ふと、袋を覗けば、数個が残っているだけ。1袋を完食したのと、なにが違うかといえば、罪悪感の大きさ。
完食は(!)しなかったという、ちっさな部分によって、食べちまったという罪悪感を、ほんのちょびっと薄めてくれるのです。
いい年をして、なにをやってるんだろうと、自分に呆れてしまいます。
自分に厳しくするのって、難しいですね。
それだけ、この干し柿ゼリーが美味し過ぎるということでもあるのですが。
自宅にいる時には、部屋着の上に、必ずエプロンをしています。
このエプロンの左のポケットには、ティッシュが。
右のポケットには、リップが必ず入っています。
いつ何時でも、洟をかめるように。
そして、いついかなる時でも、唇に潤いを与えられるように。
エプロンを選ぶ時には、まず、両サイドにポケットがあるかをチェックするぐらい、私にとっては、大事な要素です。

今、愛用しているエプロンは、割烹着のように、すっぽりと上半身を覆うタイプ。
腕部分は、手首までありますし、丈はお尻がすっぽり隠れるほどの長さがあります。
一枚多く服を着ている感覚で、寒がりの私は、気に入っています。
ワイン色と、黒色の二色があったので、両方を買い求め、交互に着ています。
合わせ部分は、カシュクールタイプ。
これによって、動き易くもなっているのですが、先日、エプロンを脱ごうとしたところ、この合わせ部分に、ご飯粒が張り付いているのを発見。
食事中にこぼしたご飯が、エプロンの合わせ部分に落ちて、そのまま押し花でも作るように、圧迫していた模様。
食べ方が汚いと、何度も指摘を受けたことがある私。
とはいうものの、ご飯をこぼしたことに気付かなかったのは、初めてで、いやぁねぇと、自分を笑ってしまいました。
が、それは、一度目だったから。
二度目、三度目と続くと、笑っていられない。
大丈夫か、私。と、どんどん不安になっていきます。
最近では、食後、合わせ部分を覗き、ご飯粒が落ちていないかをチェックする習慣ができつつあります。
自分を慰めるために考え出したのは、玄米はぱらぱらとしているから、という理由。
自宅では、白米ではなく玄米を食べています。
白米と比べると、私が食べている玄米は、粘着性が弱く、ぱらぱらとしています。このせいで、箸にしっかりとのらず、零れ落ちてしまう。つまり、私のぽんこつ度が上がったせいではなく、玄米の質感のせい。と、こうもっていきたいのですが、問題点が。
玄米のせいで箸から落ち易いにしても、それに気付かないという点は、どうするのか。
ん~、どうしましょうか。
齢を重ねたせいにしておくのが、いい落としどころのような気もしますが、納得したくない気持ちもあります。
そして、今日もまた、合わせ部分を覗いています。
いつもの年より、今年は、よくブーツを履いています。
寒いからというのもありますが、私にとって、ネックだった「脹脛がキツいんですけど」といった状態が解消されたので、気持ちよく履けるようになったのが原因です。
脹脛が急にほっそりしたわけでは、ありません。
筒まわりがゆったりしているブーツを購入したからです。

リアルな靴店で、ブーツの試し履きを、何度したことでしょう。
が、大抵、ファスナーが最上端まで、上がらない。
無理すれば、なんとか引っ張り上げられないこともないのですが、間違いなく、肉を挟んでしまう危険性が。
ブーツと格闘する私の姿は、太い脹脛に慣れているであろうはずの店員さんたちをも、無口にさせるだけの力がありました。
ある日、ネットショップをあっちこっち訪ねていると、筒まわりが3種類から選べるとの文字が。
そのブーツの画像をクリックし、詳細を読んでみると・・・同じデザインのロングブーツで、筒まわりが「標準」「ゆったり」「もっとゆったり」の3種類から選べるとありました。
これだ。
こういうのを、探していたのよ、私は。
そこで、「もっとゆったり」の筒まわりを選び、早速、購入。
届いたその場で、履いてみると、なんと、すんなりと、ファスナーが最上端まで上がるではありませんか。
もう、嬉しくって、何度も何度も、ファスナーを上げ下げしました。
脹脛がキツくないと、階段も怖くないし、行った店が座敷スタイルだった時でも、「うっ、マズい」などと呟かなくてすみます。
こうして、「もっとゆったり」のブーツを手に入れた私は、ふふんと軽い気持ちで履けるようになり、気が付けば、すっかり出番が多くなっているのです。
パンツの太ももまわりも、こんな風に3サイズから選べたらいいのにと思い、ブーツを買ったネットショップで、検索してみたら、ありました。太ももまわりも3種類から選べるようになっていました。
素晴らしいネットショップだと、感動した私は、サイトを「お気に入り」に加えました。