前世は

  • 2014年01月13日

多分、私の前世は名古屋人だったと思う。
どうしてって、名古屋の食べ物を、とても美味しいと感じるから。
関西のものとは違う、一癖ありの食べ物が、ソウルにガツンとくるんですね。

初めて名古屋の地を訪れたのは、随分と昔のこと。
靴関連の会社でOLをしていた時です。
セールの時期になると、本部スタッフもあっちこっちのセール会場に派遣され、お手伝いをします。
そこで派遣されたのが、名古屋でした。
ビジネスホテルから、セール会場に出勤するのですが、ホテルには朝食を摂れる場所はなく、上司に連れられ、地下街の喫茶店に。
「コーヒーを頼めば、朝食が出てくるから」と、上司は意味不明なことを言い、勝手に「ホットコーヒーを2つ」と頼んでしまいました。
しばらくして出てきたのは、ホットコーヒーに、トースト、ゆで卵、サラダ。
呆然と、テーブルに並んだ品を眺めている私に、上司は「なっ」とだけ言って、ばくばく食べ始めました。
後になって、名古屋では、朝、喫茶店でコーヒーを頼むと、軽食が出てくるという慣習があると知りました。
朝、コーヒーだけが飲みたい人は、店主に「家で食べて来たから、値段は一緒でいいから、コーヒーだけをください」と、しっかりとお願いしなければならないというルールを、名古屋在住のスタッフに教えてもらいました。

その日の昼も、びっくりしたことがありました。
現地のスタッフと昼食に、セール会場近くのうどん屋に行きました。
なににしようかと、壁に貼られているメニューをぐるりと見回していると、「なにも指定しないと、麺はきしめんになりますからね」と、隣席のスタッフが教えてくれました。
「きつねうどんと注文しても?」と私が確認すると、「名古屋では、うどんというのは、きしめんのことなんです」と解説してくれました。
おおっ。
異文化との遭遇。
そんじゃと、「きつねうどん」と注文してみると・・・。
出てきた丼の中にあったのは、きしめん。
地域によって、色々あるんだなぁと、感じ入った記憶があります。

辞書で「きしめん」と引くと、元々は小麦粉に水を適量加えてこね、小さくつまんで丸め、押して碁石の形に似たものを作り、煮たのを棊子麺といったという・・・とありました。
「きしめん」の「きし」は碁石のことだそうです。
ものの成り立ちって、すごく不思議ですし、その後の変化も面白いですね。
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こちらは、お土産としていただいた品。
普段から名古屋の食べ物が好きとふれ回っていると、こういういいことがあります。
さっそくその日に、ソウルフードをいただきました。

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