文芸評論家の北上次郎さんの訃報を耳にして、ショックの余りしばらく呆然としました。
とても哀しくて、寂しいです。
約20年前、私は作家デビューが出来たものの、不安な日々を過ごしていました。
小説は売れず、また評判にもならず、やっぱり私の書いた小説は面白くなかったのかと落ち込んでいました。
ある日、新聞の書評欄で私が書いた「ボーイズ・ビー」という小説が取り上げられているのを発見。
北上次郎さんの書評でした。
星が3つ付いていました。
5つが最高評価なので、まずまずぐらいの評価でしたが、私は飛び上がらんばかりに大喜び。
その書評が掲載されていたのは、僅か5センチ四方程度のスペース。
その小さな書評が私に勇気を与えてくれました。
本を読むプロである書評家が、たくさんある小説の中で選んでくれた奇跡に感動し、まずまずの評価を得たと勝手に解釈し、これを励みにしようと決めました。
その書評を新聞から切り抜き、クリアファイルに収めてデスクの引き出しに。
執筆中にはこのまま書き進めていいのだろうかと、不安に襲われることがあります。
そんな時、この切り抜きを引っ張り出しました。
そしてすでに暗記してしまっている書評を読み、心を強くして執筆を再開しました。
5センチ四方の書評が私の心の支えでした。
その後も発表した小説を、北上さんに取り上げて頂く幸運に恵まれました。
北上さんの書評では、あぁ、そこを汲み取ってくれたんだと嬉しくなることが多かったです。
また編集者も気付いてくれなかったシーンの重要性について、言及してくださったりして、凄いと思うこともしばしばでした。
登場人物についての分析を読んで、へぇ、そうなんだと、教えて貰うこともありました。
無自覚だったものを言葉にして貰って、そこで初めて理解出来たなんて経験も。
一度直接お会いして、お礼を言えるチャンスがあったらいいのにと思い続けてきましたが、それは叶いませんでした。
私の作品で最後に書評して頂いたのは「残された人が編む物語」でした。
熱い言葉で「読むべし」と推奨してくださいました。
どれだけ嬉しくて、ほっとしたかを伝えたかったです。
最新作「息をつめて」は読んで頂けたのか、どんな感想をもたれたのかは、わからないままとなりました。
これからは書評欄で北上さんの感想を、もう知ることは出来ないのだと思うと、寂しくてしょうがありません。
私のように北上さんの書評によって支えられた作家は、たくさんいるでしょう。
「あなたはたくさんの作家を育てましたね。それは素晴らしい功績です」と神様に評価されて、天国の中でも特に居心地のいいサロンのようなところで、特等席が用意されているのではないかと想像します。
そこには古今東西の本があって、読書三昧の日々を続けられる・・・そんな世界に旅立たれたのだと思いたいです。
北上さん、有り難うございました。
そしてご冥福をお祈り申し上げます。
突然、電動キックボードに興味をもちました。
7月から免許不要で走行出来るようになる、というニュースを見たからです。
運転免許はもっているので、これまでだって乗ろうと思えば乗れたのですが、ちっとも興味をもてませんでした。
若い人が乗るヤツでしょ、といったイメージを何故かもっていた模様。
それがテレビのニュース番組などで、電動キックボードに関する法改正の情報に接して、その走行を目にしてみると、これは便利かもしれないとの気持ちに。
まず漕がなくていいというのが楽そう。
そして速度によりますが、車道も歩道もOKというのもいい。
この電動キックボードがあれば、隣の駅にある破格値がウリのスーパーに気軽に行ける。
ちょっと距離があるコインランドリーへも、呪いの言葉を呟かずに行ける。
バス停にも行きやすくなり、出掛ける際のアクセスの選択肢が増える。
我が家の周辺は電車が東西に延びていて、南北に移動するには不便。
これをカバーするように、バスのルートが南北に走っているのですが、そのバス停まで家から距離があり、時間が掛かっても電車で移動することが多かった。
電動キックボードがあれば、すいすいっとバス停まで行けるように。
いいこと尽くし。
と、ここで気付く。
すでに駅前は自転車の違法駐車で、大変なことになっています。
ここに電動キックボードが増えれば、一体どんなことになるやら。
あれだけ違法駐車が多いのは、恐らく駐輪場がないとか、施設はあっても空きがないなどの事情がありそう。
レンタルがあれば、そっちの方がいいのかも。
レンタルのステーションを調べようとしていた矢先、またまたテレビのニュース番組で、電動キックボードが特集されているのを目にしました。
専門家らしき人がインタビューに答えています。
「電動キックボードは自転車より転倒し易い乗り物なので、充分注意して乗るべきで、ヘルメットは努力義務となっていますが、着用した方がいいですね」と発言。
えっ。
自転車より転倒し易い?
ここで大問題に直面。
私の運動音痴っぷりはハンパじゃない。
果たして私は電動キックボードに乗れるでしょうか?
そもそも自転車をまったく利用しないのは、この運動音痴が原因。
乗れることは乗れるのですが、かなり不安定。
以前自転車に乗った私を見た友人から「補助輪を外したばかりの子どものように、肩と腕に力が入りまくっているよ」と指摘されたことがあります。
こんな私が電動キックボードに乗れるでしょうか?
まずは研修会のようなものに参加するべきかも。
あるでしょうか、研修会。
まずはそこから調べてみようと思います。
窓を拭こうと決意する。
そんなもの、わざわざ決意するほどのことじゃないよと思われましたか?
その通り。
ですが、私には窓拭きはそうそう簡単に挑めるものではないとの認識が。
まず業者に頼んだらいくらになるか調べてみます。
人にやって貰うことから検討を始めるのが、私です。
すると我が家の窓を全部やって貰った場合、10万円を超えると判明。
即座にこの案を却下。
そして気付く。
腰高の引き違い窓が2ヵ所あるのですが、この外側はどうやって拭けばいいのかという点に。
右の窓を開けて、網戸を開けると、窓も網戸も左側へ移動します。
この時一番外側は網戸になります。
網戸の外側を拭くことは出来ますが、その内側になってしまっている、元は右にあった窓の外側と、最初っから左にあった窓の外側は拭けません。
網戸を外せということ?
いや、仮に網戸を外したとしても、一番外側になるのは元は右にあった窓であって、最初っから左にあった窓は、その内側になるので拭けない。
無理じゃん。
えっ。皆はどうしてるの?
ということで、ネットで調べてみたら・・・窓を外すと書いてありました。
ひぇっ。
たかが掃除に、一大プロジェクト並みの困難さが伴うとは。
ここで一旦考えるのを放棄。
なんだか私は暇そうに思われがちなのですが、決してそんなことはなくて、やることはいっぱいあるのです。
プロジェクトのことは一旦放置して、やらねばならない仕事を遂行。
そして月日が経ち、プロジェクトのことは忘れかかっていたある日、もしかしたらロボットがあるかもと思い付きました。
「窓掃除」「ロボット」で検索してみると・・・ありました。
窓に張り付いて自動で拭き掃除をしてくれるという品が。
が、5万円ぐらいする。
ちょっと高い。
一応と思って動画を見てみたら・・・自らシュッと水を拭き出し、そこをお尻をフリフリするように動かしながら通ることで、汚れを取っていく。
いいかも。
心が動きかけますがやはり5万円は高い。
そこでまた考えることを放棄。
そうしてまた月日を過ごす。
で、思い付く、アゲイン。
磁石のタイプがあるのでは?
それはもうちょっと安いんじゃない? と。
ネットで調べてみたらありました。
磁石の力で窓の外側と内側にグッズをくっつけることで、拭き掃除をするというものが。
手動にはなりますが内側の窓の拭き掃除をすると、同時に外側の窓も拭けるという。
値段は5千円ぐらいで、これなら悩まずに買えます。
ということで、このタイプのものを買うことに決定。
複数のメーカーから売られているようなので、比較検討。
そうした中、実際に買った人が窓掃除をする動画を発見。
すると磁石が弱いのか、掃除グッズが落ちる様子が映っている。
嫌な予感。
その配信者は何度かトライして、なんとか掃除を終えました。
そして拭き掃除が終わった後の窓がアップに。
拭き跡がしっかりと残っていて、綺麗になったと宣言するには迷うレベル。
購買意欲が急速に萎んでいく。
結局、またまた考えるのを放棄することに。
今はまたなにか思い付くのではないかと、自分に期待している状態です。
今更ながら窓掃除は大変だと思う今日この頃です。
乾燥してますねぇ。
加湿器を使っていますが、なかなか40%の大台に載りません。
室内は40~60%がいいとどこかで聞いたので、加湿器の設定を40%にしているのですが、何故か湿度計は30%台。
加湿器は加湿器なりに頑張ってはいるけれど、追いつかないほど、乾燥しているということなのでしょうか。
それとも湿度計が感知している水分量と、加湿器のでは差があるのでしょうか。
昨日、何気なく湿度計を見たら、画面に測定不能のマークが。
はっとして加湿器をチェックしたら、給水しろというランプが点灯していました。
給水時期を知らせるアラーム音を聞き逃したようで、数時間に亘り加湿器は止まっていた模様。
加湿器がストップすると、測定不能なほど乾いてしまうということは、やはり加湿器は加湿器なりに仕事をしているのでしょう。
40%台にはなれなくても。
部屋の乾燥は肌の水分をもっていく。
この時期には乾燥に強いクリームにするなどの対策を、取っている友人は多いです。
どっちかというとオイリー肌の私は、顔の乾燥はあまり気になりません。
気になるのは鼻。
大学生の頃、朝起きると枕に結構な量の鼻血の跡が。
これが1週間ほど続きました。
バイト先で「なんか鼻血が1週間続いているんですよねぇ」と軽く話したら、それはマズい病気かもしれないと心配した先輩たちから、今すぐ病院へ行って来なさいとのお達し。
脳を診て貰える科がある総合病院の方がいいだろうと、先輩たちが調べてくれたクリニックへ。
事情を説明すると医者は真剣な表情に。
なんか、マズい病気なのだろうかと心配になってくる。
MRIを撮ったり、血を抜かれたり、いろんな検査をさせられ、不安はどんどん大きくなっていく。
様々な科に回され、様々なドクターの診察を受ける。
が、誰も私の病名を突き止められない。
最後に回された耳鼻咽喉科で、私の鼻の中を覗いた医者が言う。
「あなたの鼻の中、傷だらけ。乾燥で切れて鼻血が出たのでしょう」と。
ええええええ?
驚く私に医者は「鼻から血が出たらまずは耳鼻咽喉科に来て」と、ややキレ気味で言う。
仰る通り。
でもでも、それを言うなら、最初に診察をした内科のドクターが、私の鼻の穴を覗けば良かったんじゃなくて? と訴えたい。
何人もの医師の診断を受けさせられましたが、誰か1人でも鼻の中が原因ではと思ってくれれば、もっと早く原因を突き止められたんじゃなくて?
私のせい?
いやいや、違う。
なんだったんだよ、今日の診察てんこ盛りはと思いながら病院を後に。
バイト先に戻ると、先輩たちが集まってきました。
あまりに私が病院から戻って来ないので、そのまま緊急手術に、なんて事態になっているのではと心配してくれていたようなのです。
経緯を説明して鼻の中が傷だらけでしたと言うと、大爆笑。
鼻血が出たらまずは耳鼻咽喉科へ。
鼻の乾燥には気を付けろ。
この2つを心に刻んだ一件でした。