初めて動物園に行ったのはいくつの時だったのか。
そして最後に動物園に行ったのはいくつの時だったのか・・・思い出せません。
友人A子は近頃動物園にはまっているそうです。
月に1度程度自宅近くの動物園に行き、ぶらぶらするのが楽しいと言います。
通ううちに動物たちと顔馴染みになり、今日は元気がないなぁなんてことがわかるようになったと、A子は主張します。
A子によれば一番味わい深いのは雨の日だとか。
雨をまったく気にしない動物もいるし、そもそも檻の中にいる動物は雨に打たれない。
ただオープン型の飼育スペースで過ごしているけれど、雨を嫌がる動物もいる。
そんな動物が小さな庇や樹の下に寄り集まっている姿は、目に焼き付くと言います。
普段は割と仲が悪くて、しょっちゅう諍いをしているような動物が「お前は出てけよ」的な意地悪はせず、体を寄せ合い狭い場所を分け合っている姿は、見習いたいような思いになるとも話していました。

動物を狭い空間に押し込めて、本来の生態系とは違う状態で飼育し展示するという、現在の動物園の運営スタイルは、世界的には否定される傾向にあるようですね。
そうなるとやがては遠足の行き先は、バーチャル動物園になっていくのでしょうか。
バーチャル動物園にするならば、すべてを再現して欲しい。
あの「え、なにこれ?」といったくさい臭いも、ぜひ再現して欲しい。
とかく制作スタッフは皮膚の質感や毛並み、動きの滑らかさといったリアリティーを突き進めていきがち。
でも動物って独特の獣臭があるし、糞の臭いも強烈。
それが生きているってこと。
だからこそ、そういう汚い、臭い部分は表現しないようにしようと、なんらかのブレーキをかけてしまいがちですが、それだと本来の姿ではありませんよね。
生々しさは失われ、その動物を見知ったことにはならないように思います。
そしてバーチャル動物園では、雨の日の動物たちの様子も入れて欲しいですね。
人生のピンチの時をどう遣り過ごすのかは難題ですね。
庇の下に寄り集まって、雨が止むのを待とうとするのもアリでしょう。
皆が一休みしている今動けば有利になると考えるのもアリ。
その決断は難しいし正解が一つとも限らない。
1つの会社に同じ目標をもっている2人がいたとしても、ピンチへの対処法も同じとはいかない。
そこに感情というやっかいなものが加わると、決断は更に難しくなったりする。
小説「オーディションから逃げられない」の中では、こういったことも描きました。
A子との待ち合わせは駅の改札口。
見当たらないので私の方が先に到着したみたい。
目立つけれども通行人の邪魔にならない場所はどこだろうと、キョロキョロしていると・・・「久しぶり」と声を掛けられる。
え?
なんとさっきから視界に入っていた女性が、当のA子でした。
ドギマギする私にA子は「太ったから、わからなかったでしょう」と言う。
「うん。わからなかった」と答えてしまう私。
聞けば、20キロ太ったという。
その数字は重い。
実際重くなっているというだけでなく、それの意味するインパクトも。
昔のA子はとてもよく食べる人でした。
気持ちいいほどの見事な食べっぷり。
1食に食べる量も多いし間食もしっかり摂っちゃう。
それなのに体型はスリム。
「理不尽じゃ」と騒ぐ友人たちは多かった。
「運動なんて嫌いだからしない」と豪語し、「出産後もなにもしなくても、元に戻った」としれっと言い、周囲の人間に「理不尽じゃ」と叫ばせまくりだった。

ところが。
50歳を過ぎてから、突然体質が変わってしまったという。
誰かがどこかのスイッチを押したのか、それまでと同じ生活をしているだけなのに、徐々に、そして確実に体重が増えていくように。
当然ながらA子は生まれてから一度も、ダイエットをした経験がない。
だから、どうしたらいいのかわからない。
ネットで調べてみようと思ったら、あまりにたくさんの情報があって、なにを信じたらいいのかラビリンス。
そうこうしているうちにも体重は増えていく。
着られる服はなくなり、買い揃えていくのも結構大変。
そこでジムに通い始めたそうですが、体重は減るどころか、現状維持にも四苦八苦だとか。
「どうしたらいい?」と聞かれたので、「健康状態に問題がないのなら、ライフワークだと思って、ゆっくり取り組んだら?」とコメントしました。
痩せたいと言いながら全然痩せない人たちを、不思議に思っていたというA子。
いざ自分がその身になってみて、初めて皆の気持ちがわかったとも語っていました。
我が身に降りかかるまでは、その困難を想像するのは難しいとは、よく聞く話。
そして50代で体質が突然変わったという話も、よく聞きます。
体調の変化を感じ取れるよう、常に耳を澄ましていようと思いました。
新元号が「令和」になりましたね。
世間の皆様がこれほどまでに新元号に関心があったとは、思っていませんでした。
メディアを通して、全国各地がお祭り騒ぎになっている様子を知りました。

たまたま病院の待合室で4時間待たされるという苦行の日が、新元号の発表の日。
待合室にあったテレビを延々と見続けたせいで、そんな風に感じたのかもしれませんが。
テレビからは制作者側の苦労が滲み出ていました。
お土産店や、ハンコメーカーなどが、新元号発表と同時に、いち早く新商品を作ろうと奮闘するシーンをカメラは映し続ける。
それ、興味ありません。
そんなことは制作者側だって百も承知でしょう。
でもなにか流し続けなくてはならない。
新元号は「令和」だそうです。以上。
だけじゃ、やっぱりダメなんでしょうね。
だからといって、深く広げるには限界がある。
それでワサワサしている人たちを映像に収めて、送ってくるのでしょう。
お疲れ様です。
将棋の藤井七段が新記録を樹立するかどうかの大事な対局の日も、そうでしたよね。
対局がどういった勝負になっているのかといったことや、形勢分析などをしたのは、将棋の専門メディアだけで、一般のメディアが流してきたのは出前のメニュー。
それ、興味ありません。
これだって制作者側は百も承知でしょう。
まったく知識のない人たちに、将棋のルールを大まかに説明し、途中経過を解説するというのは、難しいという判断だったのでしょうか。
でも比較的マイナーなスポーツだと、ざっくりとルール説明をして、その試合がどういった展開だったのかといった話をした上で、日本人選手がどんな風に好成績を上げたのかといった情報を、とても上手に処理して視聴者に提供してくれます。
この手法は将棋では無理なんでしょうか。
制作者の皆さん、頑張って。
新元号がらみで一番驚いた映像は、号外を手に入れようと大勢の人が群がっているものでした。
今の時代でも、号外というアナログな伝達方法を取るんだという驚きだけでなく、それを配布するのに、スタッフが手渡しという昔ながらの手法を選択したという驚きの上に、手に入れたいと思う人たちが物凄く多いという事実に、三重の驚きでした。
スマホがもっている能力が「100」だとすると、私はそのうちの「1」ぐらいしか使っていない。
というか、使えない。
こんな私がスマホを使って、フリマアプリでバッグを出品しよう思い立つ。
ブランドバッグをネットショップで買ったのですが、いつも持ち歩く品を詰め込んでみたら入りきらなかったため、持ち歩く量を減らさなくてはいけないことが発覚。
そのまま放置していました。
これを売ろうと企んだのです。

まずそのフリマで同モデルがいくらで売られているかを調べ、他が付けているのより2千円安い価格を設定。
スマホでバッグの写真を撮り、品物のサイズなどを書き込んでアップ。
ここまでで疲労困憊。
スマホで文字を入力するというのに慣れていないため、何度も打ち間違えて遣り直しをするので、自分に苛ついてすっかり疲れてしまいました。
10分ほど経った頃、聞き慣れない音がスマホから。
見てみると私にメッセージが来ている模様。
どこで買ったのか、価格を下げてくれないかといった、質問と要望でした。
で、困る。
どうしたら返事ができるのかがわからない。
Q&Aで検索するも、そこで躓いている人はいないのか、質問には回答しましょうといった倫理に関するアドバイスしか出てこず、返信の仕方といった技術的な面については、なにも書かれていない。
あっちゃこっちゃ触っているうちに、画面が突然、文字を入力できるっぽい状態に変わる。
もしかして、ここ?
取り敢えず返事の文章を入力してみたら、その端っこに紙飛行機のようなアイコンを見つける。
これか? と恐る恐るぽちっとしてみる。
これが正解だったみたいで、画面に私の返信文がアップされる。
前途多難っぷりがハンパない。
ほっとしたのも束の間、すぐにまた聞き慣れない音がスマホから。
今度はさっきより早く返信するぞ、と思いながら覗いてみると・・・さっきの質問者とは別の人がお買い上げ。
返信にもたついている間に売買が成立していたのでした。
その後も「梱包ってどうしたら」「何回宅配便の集荷依頼ボタンを押しても、発送状番号なんて出てこないんですけど」などという不安な出来事に何度も遭遇。
その度に、私のフリマアプリへの参戦は100年早かったと後悔。
本当に買った人にバッグは届くのだろうかといった疑問を抱えること2日間。
無事に届いたようで、受け取った知らせがスマホに届く。
少し嬉しい。
初めてプールの端から端まで泳ぎ切れた時のような達成感。
駅から自宅までの途中にスマホショップがあります。
そこでは教室が開かれているようで、窓ガラス越しに、アダルティな方たちがスマホを片手に勉強する姿が見られます。
今回の一件で調子に乗った私は、もっとスマホを使いこなすべく、その教室への参加を考えるようになりました。