鏡が

  • 2016年11月28日

歯を磨く時のスタイルは、右手に歯ブラシ、左手には手鏡と決めています。
手鏡を持ち場所を確認しながら歯を磨くのは、歯医者の勧めによるものです。
歯磨きタイムが終わった時には、この手鏡には白い粉末が飛び散っています。
歯磨き粉です。
そこで毎回手鏡を洗ってティッシュで拭き取るというのが、歯磨きのルーティンに入っています。

歯磨きをするのは洗面台の前で。
洗面台の上部には鏡があります。
鏡の裏は棚になっていて、そこそこの大きさ。
ここも歯磨きタイムが終了した時には、白い粉末が飛び散っています。
歯磨き粉っていうのは結構遠くまで飛ぶもんです。
kagami
性格上こちらの鏡はそのまま放置したいところです。
見て見ぬふりというのは結構得意でして、明らかに視界に入っているゴミなども「ないってことにしておく」という呪文を唱えて放置するのは日常茶飯事。
だがしかし、鏡だけはダメ。
見て見ぬふりができない。
気になってしょうがないので、ティッシュを少し濡らして粉末を拭き取り、さらに別のティッシュで乾拭きをします。
食後に歯磨きをするので、1日に3回この拭き取りを行うことになります。

「これって結構メンドーだけど、私頑張ってる」と友人にアピールした時のこと・・・そもそも鏡にそんなに歯磨き粉は付かないと言われてしまいました。
そうなんですか?
「手鏡の方ならわかるけど、洗面台の鏡との距離ってどれくらいよ?」と問われ、「これぐらい」と手で40センチぐらいの距離を示すと、「そんなに離れてて、飛ぶ?」と驚かれてしまいました。
飛びませんか?

てっきり歯を磨くすべての人類が、周囲に歯磨き粉を飛ばしまくっているものだと思っていました。
そして歯磨きの後には、その粉末を拭き取る宿命を、人類は背負わされているのだとも思っていました。
だから毎回メンドーでもやり続けなければならいのだと、自分に言い聞かせてきました。
ですが、それは歯磨き粉を私が飛ばし過ぎていたからで、皆さんはそんなに飛ばさないのだとしたら、私の思い違いはとんでもなくデカいですね。

そこで歯磨き粉を飛ばさないようにしてみようと、手をゆっくり動かしてみたり、指の力を抜いてみたりしました。
が、飛び散る量に変化はありません。
そのうちそおっと慎重に歯ブラシを動かしていること自体がメンドーになって、「毎回拭き取る女のままでいいわ」と開き直りました。

棚を組み立てようと

  • 2016年11月24日

未整理の書類の山がありました。
スキャナーでデータとして取り込んだ後で、処分しよう。
それまではちょっとここに置いといて・・・なんてやっているうちに、大量の書類の山になってしまいました。
書類はファイルボックスに入れ、窓の前に乱雑に重ねていました。
窓を開ける時には僅かな隙間に片足を置き、ノブまで手を伸ばさなくてはなりません。ちょっとでも身体がファイルボックスに触れれば雪崩が起こるので、ぐらつかないよう細心の注意をしながら手をノブに伸ばします。
しかし片足立ちなので、ややもすると身体はぐらつきます。
絶妙なバランスを維持しながらの窓開けです。

なんとかせねばと一念発起し、書類を収納するため棚を購入することに。
書類は減りはしませんが、少しは見栄えがよくなると考えたのです。
1人で組み立てて10分かかると書いてあった書棚を2つネット注文。

同封されていた説明書を見ながら組み立て始めると・・・「この組み立て方を書いたヤツ、出てこいや」と文句を言いたくなりました。
難し過ぎる。
1時間経っても棚の形になるとは思えない状態のまま。
kumitate
呪いの言葉を呟きながらネット検索したのは、あなたに代わって家具を組み立てますと謳う会社。
これが結構ある。
もしかして家具メーカーと組み立て屋は裏で繋がっていたりしますか?
家具メーカーが1人で組み立てられると思わせて買わせた後、難解な説明書きしか渡さない。
すると助けを求める客が組み立て屋に依頼する。
こうして1件成立する毎に、組み立て屋から家具メーカーにバックマージンが支払われるといった仕組みがあったりしますか?
商売の暗闇を想像するより、自分の不器用さを嘆いた方がいいのでしょうか。

ひとまず棚をなんとかしなくてはならないので、組み立て屋に電話をすることに。
棚の購入額より高い金額を提示され、しばし言葉を失くしましたが、仕方がないので承諾しました。

やって来たのはオッサンの2人組み。
説明書きをしばらく読んだ後で、2人で組み立て始めたのですが・・・〇〇さん、違うよ。こっちを先にやらないと。だから違うって。こっちだって・・・と言い争いが。
「いや、違いますよ。こことここを合わせるって書いてあるじゃないですか」と、年上に見えるのに敬語を使っている方が反論すると、「それは違うって。ほら、ちゃんとこれ見なさいよ」と返す。
これが延々と続く。
普段の2人の関係性が窺われてしまう事態。
この2人の間に信頼関係は構築されていないようです。
言い争うのを聞きながら、プロが理解できないほどの説明書きであったのなら、私のぽんこつのせいではなかったのだと思えて、少しほっとしました。

どちらが正解だったのか、私にはわかりませんでしたが、2人のオッサンは1時間ほど掛かって棚を完成させてくれました。

予想外の出費と時間が掛かりましたが、窓の開閉で片足バランスを取る必要はなくなりました。
それにしても・・・家具メーカーと組み立て屋が裏で繋がっているという説の信憑性について、じっくり考えてみたいと思います。

プレゼント

  • 2016年11月21日

久しぶりに会った友人が、素敵な腕時計をしていました。
その高級腕時計を褒めると、彼から貰ったのだと言います。
確か、聞き直すほど年下の男性と付き合っていると言っていたので、彼は相当頑張ってその腕時計をプレゼントしたのではないかと推測されました。

そういえば・・・彼女は昔からたくさんのプレゼントを貰う人でした。
美人であるというのが、その理由だろうと思われました。
さらにねだるのが上手なんだろうなぁとも思っていました。

と、急に思い出された光景がありました。
それはクリスマス会と称した集まり。
1人千円以内のプレゼントを用意することが求められました。
それをくじ引きで交換するというのです。
予算が千円ですから、それほどたいしたものが買えるわけじゃない。
当然貰えるものも、たいしたものじゃない。
それでもそのプレゼント交換は大変盛り上がりました。
彼女が貰ったのは、蛍光色のウールの手袋。
非情に残念なプレゼントと言えるのではないでしょうか。
素敵なモノでない場合、ウケるモノにして貰わないと、どんなリアクションをしたらいいか困るからです。
ところが彼女はとても喜んで、両手にはめて皆に自慢するように披露していました。
さらに「これで夜、車に轢かれなくて済むわ」などど、私が思いも付かなかった長所を見つけていたりする。
その喜び方はとても自然で嫌味な感じはない。
思わず「女優だな」と私が呟くほどの演技力。
その手袋を贈った人が誰だったのかもう覚えていないのですが、彼女の喜ぶ姿を見て、さぞかし満足したことでしょう。
purezennto
彼女はねだるのが上手なのではなく、喜ぶのが上手だったんですね。
だから彼女の喜ぶ様子を見たい人が、プレゼントを贈るのでしょう。
彼女がボーイフレンドだけじゃなく、職場の人や、取り引き先の人や、習い事の仲間からたくさんのプレゼントを貰ってきたのには、理由があったんですね。

蛍光色のウールの手袋を貰った時の喜び方は見事だったと私が言うと、彼女はきょとんとした顔をしました。
彼女はまったく覚えていなかったのです。
「夜、車に轢かれなくて済むとまでコメントしていたよ」と私が言うと、「そんなこと言ってたぁ?」と大笑いしていました。
彼女にとっては記憶するまでのことではなかったんでしょうかね。

怪しい女

  • 2016年11月17日

去年の秋のこと。
信号待ちをしている時、怪しい雰囲気の女性を発見しました。
20代に見えます。
この女性がやけに辺りを窺うのです。
その周囲を気にする様子で、却って目立っている。

しばらく眺めていると・・・身体を半分に折り、地面にあったなにかを摑みました。
ん?
それは、信号機の横にある銀杏の根元あたり。
もしかして?
と、さらにじっと見つめていると・・・再び前屈し手を伸ばす。
その手にはビニール袋が被さっていて、銀杏の根元に落ちているなにかを広い、すぐにビニール袋をひっくり返して、その手をトートバッグの中に隠しました。
そう、銀杏を拾っていたのです。
ビニール袋を使って手が臭くならないようにしながら。
ginnnann
少し驚いた私は、なおも彼女を見つめ続けました。
きょろきょろと辺りを窺い、前屈し、銀杏を超特急で拾うとすぐにトートバッグに隠す。
これを繰り返します。
ずうずうしい人なら、堂々と銀杏を拾うのではないかと思うのです。
でも彼女は違う。
明らかに人の視線を気にしている。
ということは恥ずかしさや罪悪感的なものがあるのでしょうか。
そうしたものを抱えながらも拾い続けるのは、業でしょうか。

街路樹の銀杏が落とした実は、誰のものなのか。
その道路を管轄しているのが国なのか、都か区なのかわかりませんが、そうした部署の物なのでしょうか?
どこかの物だからこその、そうしたこそこそとした銀杏拾いになっているのか。
ふと周囲を見回すと、銀杏並木は400メートルぐらい続いています。
道の両側にあるので合計800メートル。
結構な本数の銀杏があります。
制覇するつもりでしょうか。
しかし人の視線を気にする彼女はちょっとずつしか拾わないので、制覇するとしたらとんでもなく時間がかかるように思います。
それでも挑戦するのでしょうか?

青信号になり、私はその場を離れたので、その後彼女が目標を達成できたのかどうかはわかりません。
昔、たくさん食べると鼻血が出ると聞いたことがあるので、彼女が鼻血ブーになっていないといいと思います。

今年は秋が短く、あっという間に冬になってしまったような気が。
そして今年、彼女の姿を見ることはありませんでした。
秋が短かったせいでしょうか。
それとも今年も彼女は収穫したけれど、たまたま私が遭遇しなかっただけでしょうか。
彼女に聞きたいです。
今年の出来はどうでしたか? と。


Copyright© 2011-2017 Nozomi Katsura All rights reserved. No reproduction and republication without written permission.