ノート
- 2011年07月18日
ここ数年、取材や打ち合わせなどの時に、使っているのがロディアのノートです。
中には紫色で方眼の線が引かれています。
表紙はオレンジだし、中の方眼の線は紫だしで、最初は目がチカチカしましたが、慣れると、これはこれで、面白いセンスかなと思って、愛用しています。
フランスのブランドで、製造もフランスのようです。
カットラインがあって、そこから、切り取ることができると謳っているのですが、どうも、作りが甘く、きれいにすぱっとは切れません。
綺麗に切れないのは残念なので、カットラインに沿って一度折ってから、切っていくのですが、それでも、まま、失敗します。
日本製では絶対にあり得ない、切り心地の悪さです。
以前、靴関連の会社でOLをしていたことがありました。そこでは、フランスの高級ブランドシューズを扱っていました。1足、5~6万円ぐらいの価格の高級靴でしたが、細部のツメは甘いものでした。普通、革は色落ちしないように、加工処理をしたものを使うのですが、そのフランス製の高級靴は、そういったことには無頓着でした。加工していないものを使うので、メチャメチャ色落ちしました。靴を脱ぐと、足の指は真っ黒になってしまうのです。当然、日本ではクレームになります。
フランスの担当者にそう告げると、「フランスでは人前で靴を脱がないからなぁ」と言い、「文化の違いだね」と話をまとめられてしまいました。
いやいや。
人前で脱がなくたって、いつかは脱ぐんだから、その時、汚れてたくないでしょ、と思いましたが、こういった考えは、フランスの人たちにはまったく通じませんでした。
会社から再三に渡って、色落ちしない革を使うよう、要望書を提出し続けましたが、一向に改善されませんでした。日本人は細けぇなぁと思われていただけのようでした。
今から二十年も前の話ですので、現在では、そういったことは改善されたのかもしれません。
色落ちする靴も、切り心地の悪いノートも、ツメが甘くて残念なのですが、それらを忘れさせるほどの魅力があるというのも事実。
なんとも言えない個性的なデザインや、独創的なセンス。こういったものがあると、少々の欠点も、受け入れてしまえるような気がします。
その欠点もまた、味。なんて、大人な感じで受け入れてしまえているから、不思議です。