洗濯機
- 2011年09月05日
今の住まいに引っ越したばかりの頃。
ブザーが鳴る度に立ち上がり、さて、今度はなんだと身構えたものです。
それ以前の住まいでは、訪問者が来た時にブザーが鳴る程度で、いたって静かな日常でした。
なにかが終わった時に、ブザーで合図をしてくれるような家電品が、少なかったものと思われます。
それが、現在の住まいに越してきてみると、あっちから、こっちから、ブザーの音が聞こえてきます。賃貸マンションに備え付けの家電品が、合図を送ってくるのです。
ブザーだけではありません。
声まで聞こえてきます。
「あと5分でお風呂が沸きます」とアナウンスされた時には、「恐れ入ります」と、深々と頭を下げそうになりました。
そうは言っても、ブザーの音にも慣れていくもんです。
それぞれの家電品が出す音の違いも、わかるようになりました。
そんな折、いつもと違う音が耳に入ってきます。
あぁ、また故障かと、一気に気持ちは塞ぎます。
たとえば、洗濯機などは、4年の間に、6回故障しました。
私の物であれば、即、買い替えになるところですが、生憎、洗濯機はマンションの備え付けの物で、そうすることはできません。
故障すると、まず、マンションの修理受付センターというところに電話をします。すると、そのセンターの人はデータを調べ、オーナーを探します。そして、そのオーナーが、そういった業務を別の会社に委託しているとわかります。そこで、その会社に連絡を取ってくれます。事情を説明し、オーナーに連絡を取るよう依頼します。それから、その会社がオーナーに連絡を取ります。借主が洗濯機が故障したと言っているので、修理をしていいかと問い合わせます。OKが出ると、その情報は、それまでの流れとは逆に遡っていきます。センターの人まで戻ったところで、ようやく、洗濯機のメーカーに修理依頼の連絡をしてくれる・・・といった気の遠くなるような手順を踏まなければなりません。
さらに、そこからメーカーの修理担当者が直しに来てくれる日にちを決めるわけですから、故障してから訪問実現まで、10日ぐらいかかってしまいます。
10日――。
長いです。
洗濯機が故障する度に、「引っ越そうかなぁ」と考えてしまいます。
洗濯機がよく故障するからというのが、引っ越しの理由になる人って、いるでしょうか。
いる、と私は思っています。