六本木のミッドタウンに入っているショップで買ってきた、フルーツタルトです。
フルーツタルト
見た目が涼しげで、選んでみました。
なんでもない日が、なんだか特別な日になったような気にさせてくれますね、ケーキって。
日本の映画を観ていると、ケーキが登場する場合、それは、土台がスポンジケーキでできている(ふわふわの)ことが多いように感じます。
海外の映画では、スポンジケーキもありますが、同じくらい、タルトも登場しているような気がするのですが、私の思い過ごしでしょうか。
そういったシーンで、ちらっと映るタルトは、どんだけ食うねんと、つっこみたくなるような、大きさのタルトであるケースが多いという印象もあります。
時に、そのタルトは、母親が昔から作ってくれる、懐かしい味として挿入されていたりして、生活の中に深く浸透しているっぽいことも窺えます。
日本でいうと、味噌汁やカレーライスのような、ポジションの食べ物なのかもしれません。
仕事場にいらしたゲストのために、ごく稀に、マフィンを焼いたりすることもあります。1年に1回、あるかないかぐらいの、気まぐれを起こした時なのですが、いかんせん、我が腕に自信がありません。そこで、ゲストに「手作りなんです」とカミングアウトした後で、まず、半分に割ってみてくれとお願いすることになります。中まで火が通っているかを、目で確認して、大丈夫だと思ったら、口に入れてみて欲しいと説明します。さらに、お腹を壊したら、ごめんなさいと、先に謝っちゃいます。
出す方も、食べる方も、ドキドキです。
そんな緊張感の中で食べさせられるゲストは、たまったもんじゃありませんね。
作った本人を前にして、不味いとも言えないでしょうし。
おもてなしのつもりが、嫌がらせのようになっているのが、我ながら、イタイところです。
今年の夏は、なるべくエアコンを使わずに節電したいと考え、保冷剤を使ってみることにしました。
おでこに巻くタイプ
アイピロー
パープルのが、保冷剤を入れたバンドをおでこに巻いて使うタイプのもので、グレーのは、やはり保冷剤を入れて使うアイピローです。
これで、頭すっきり、仕事もはかどるのではないかと期待していましたが、なかなかそうはいきません。
おでこに巻いて使う方は、着用して1分もしないうちに、額に痛みを感じてきます。冷え過ぎてしまうのです。そこで、額とバンドの間にハンカチを挟んでみたのですが、今度はどうもぬるく感じてしまいます。
次に凍らせた保冷剤をしばらく放置して、ぬるくさせた上で、おでこに巻くという作戦に出てみましたが、時に冷た過ぎ、時にぬるくて、丁度いい塩梅のタイミングを見つけるのは大変だということに気がつきました。
そもそも、仕事を捗らせようと立てた計画だったのに、これでは、保冷剤に気を取られ、仕事に支障をきたしかねません。保冷剤に囚われてどうすると、己を叱咤し、今度はアイピローと向き合うことにしました。ところが、残念なことに、アイピローにも同じ問題点が。このようなことに、ぶち当たっているのは、私だけなのだろうかと、孤立感さえ覚えてきます。
この買い物は失敗だったかと諦めかけた時、ひょいとバンドを頭にのせてみました。
ん?
丁度いい――。
毛髪のせいなのか、額では受け止めきれなかった冷たさが、頭頂部では気持ち良く感じられます。そうか、使う場所を変えればいいのかと、気がつきました。
そこで、アイピローは目の上にという固定観念を、かなぐり捨ててみることに。
ありました。
丁度いい場所が。脇の下。
かくして、頭に保冷剤をのせ、もう1つの保冷剤を小脇に挟むという、スタイルが確立されました。
これで、今年の夏を、なんとか乗り切りたいもんです。
決して人様に見せられる格好ではありませんが。
毎年人間ドックを受けます。
そこでの計測によれば、3年連続で、身長が1センチずつ、伸びています。
成長期であれば、喜ばしいニュースでありましょうが、この年になると、首を捻るばかりです。
昔のように、検査人の目視での数値なら、誤差だと納得もできるのですが、毎年計測してもらっているクリニックでは、自動式の計測器を使っています。
検査人がスイッチを押すと、頭上でスタンバっていた、板状のものが、ためらいもなく私の脳天にストンと落ちてきます。思わず「いてっ」と声を上げてしまうほどの、衝撃です。しかし、その板状のものは、逃げるようにスルスルと元の高さに戻って、知らん顔。といった、非常にクールな計測器です。3年連続でミスをするようなヤツには思えません。もしかしたら、本当に身長が伸びているのかもしれません。
人間ドックの後で、体重計の身長の数値を修正します。
毎日1回はのっている体重計がこれです。
4年ぐらい使っているので、ちょっと傷が目立ちますね。
この体重計の数値を修正するのは、人間ドックのほかに、誕生日にも行います。
誕生日には、年齢の数値を1つ増やさなくてはいけませんから。
大変お恥ずかしい話なのですが、私は自分の年齢を、ちょいちょい忘れます。
仕事柄、十歳の少年の気持ちになろうとしたり、七十歳のジジイの心で世界を見るように努めたりしているうちに、本当の自分の年齢がいくつだったか、すぐに思い出せなくなってしまいました。
普段は、別に困ることもないのですが、ホテルにチェックインする時などに、ちょっと焦ります。
宿泊者カードに記入を求められますが、大抵、そこには年齢を書く欄があります。
そこで、ぴたっと手が止まってしまいます。果たして、私は今、いくつだったかしらと。
そこで、今年は2011年だからと、生まれた年との間で、引き算をしようとします。生年月日の数字は、覚えています。
ところが、4桁から4桁の引き算になると、それはそれでやっかいなものでして、隣の位から借りてきて、なんて考えてるうちに、時間ばかりが過ぎていきます。終いには、フロントスタッフから、「そこは、書かなくてもよろしいですよ」と優しい言葉をかけられたりしてしまいます。その顔には、「年齢を隠したいんですよね」といった表情が浮かんでいます。
「年齢を隠したいわけではなくて、思い出せないんです」と言いたくなりますが、その方が、却って、理解は得られないだろうと思い、宿泊を拒否されるのは困るので、半笑いするだけにして、フロントスタッフの好意に甘えるようにしています。
この体重計のスイッチを入れると、その都度、入力してある年齢が表示されているという事実に、最近気付きました。
基礎データが毎回表示されていることに、どうして4年も気が付かなかったのかと、己のぼんやり具合にびっくりしますが、同時に、これで、もう年齢を忘れることはないだろうとの確信も覚えました。
毎日、自分の年齢の数字が、目に飛び込んでくれば、よもや、忘れまいと、思うのです。
これからは、ささっと、宿泊カードに記入できる人になれるのではないかとの、希望がもてました。
装丁は大事です。
多くの恋愛がそうであるように、結局、ぱっと見が勝負です。
そうわかっているだけに、装丁をどうするかは、真剣に悩みます。主に編集者が。
「どういった感じの装丁にしたいですか?」と編集者から聞かれます。問われたので、「ん~、絵の感じかなぁ」と答えたりするのですが、ラフ案では写真のものしか出てこなかったりします。これは、つまり、私の意見は聞き流されたということです。
仕事場にディスプレー
そんな私も、たまには、採用される意見を出すこともありまして、それが「ハタラクオトメ」の装丁です。当初は登場人物たちをイラストで表現した装丁でと決まりました。ですが、イラストだと、登場人物たちのイメージが固定されてしまい、読者の想像する楽しみを奪いかねない危険性があります。そこで、人形を作ってもらって、それを撮影したらどうだろうかと、ぼそぼそと意見を述べたところ、珍しく採用されました。
人形はサカモトキョーコさんに、作っていただきました。躍動感のある人形は、とっても可愛く、大好きな装丁になりました。
現在は、仕事場にディスプレーしています。
主人公のごっつぁんは、身長157cmで体重100kgのOLです。
その彼女のアップがこちら。
つぶらな瞳と、ピンク色の頬がたまらく可愛い人形です。
仕事場にいらした方たちから、装丁を見ていた時には、もっと大きな人形なのかと思っていたとのコメントがありましたので、サイズを表現するために、スマートフォンを置いて、写真を撮ってみました。一体のサイズが、ほぼスマートフォンぐらいだということがわかっていただけるでしょうか?
オマケとして、サカモトキョーコさんからいただいたのが、ごっつぁんの消しゴムスタンプ。こちらも、たまらなくキュートです。