ゴミ

  • 2012年02月27日

住んでいるマンションには、1階に、住居者のためのダストルームがあります。
そこは、トイレの個室ほどの広さで、各自の部屋の鍵を使って、開閉するようになっていますので、住居者以外は、使用できない作りです。
ここに、ゴミを入れておくと、管理人さんが、選別したうえで、収集場所まで運び出してくれます。

映画などで、刑事や探偵が、ゴミを漁って、その人となりや、生活状況を把握しようとするシーンをよく目にします。確かに、ゴミには、その人の生活状況が映し出される気がします。

詮索する気はさらさらないんです。
いえ、本当に。
ただ、私自身も、ダストルームを使用しているもんですから、つい、目に入ってしまうんです。ほかの部屋の住人たちが出したゴミが。
そして、目に入ってしまえば、どうしたって、あれこれと推測してしまいます。

ある日、ダストルームのドアを開けると、カビだらけのマットレスが。
そんなのを目にすれば、どうしたのだろうと、考えますよね、やっぱり。
こんなカビだらけのマットレスの上で、眠っていたのか?
それとも、カビが発生した段階で、部屋の隅にでもうっちゃっておき、購入した綺麗なマットレスの上で寝ていたのか?
そうだったとしても、日に日にカビが繁殖していくマットレスを部屋に置いておくというのは、どういった気分だったのだろう?
このマンションは、全室が同じ広さで間取りのため、このマットレスの使用者も、我が部屋と同様に、かなり狭い空間で生活しているとわかっています。なおさら、カビだらけのマットレスとの同居に、謎が残ります。

また、ある時には、大きな袋いっぱいの大量の酒瓶が。
ワインあり、ウイスキーあり、日本酒あり、ジンあり、ウオッカあり・・・。
お酒だったら、なんでも好きなんだぁと、思わず、呟いてしまいました。

そして、先日のこと。
ダストルームに、口を開けたままの状態のゴミ袋が置いてありました。
ふと、その袋の中を覗くと、給与明細書と書かれた紙が。
わっ。
どうしよう。
見ちゃ、ダメだよね。
でも、見たい。
見てくださいって状態で、捨てておくのがいけないのでは?
いや、これは、私の倫理観が試されているのでは?
くう~。見たいなぁ。
でも、見ちゃ、ダメなのよ。
私の心は千々に乱れます。
これまで、人の収入金額なんかに、興味などまったくなかったというのに、これはどうしたことでしょう。
突然、訪れたチャンスを前にして、知りたいという欲望が湧き起こってしまったのでしょうか?

結局、散々迷った挙句、天使が悪魔をなんとか押さえ込み、給与明細書の数字を見ることなく、ドアを閉めました。

お願いがあります。
どうか、給与明細書を捨てる時には、きっちりと口を閉じて、捨ててください。
そうじゃないと、私のように、ダストルームで胸をバクバクさせる人が続出してしまいますから。

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