包丁

  • 2012年04月02日

先日、友人の家に遊びに行きました。

一緒に料理を作ることになり、キッチンに入ると・・・ずらりと並ぶ、包丁の数々。
絶句して、立ち尽くしていると、なにを驚いているのかと、友人の声が掛かります。
当たり前っちゃ、当たり前なんですが、10本近くもある包丁は、刃の形や、長さがそれぞれ違っています。
凄い。
これを、友人は使い分けているのか。
二十年近く友人をやっていますが、料理が好きだとか得意だとか、一度も聞いたことがなかったために、すっかり油断していました。

私は言います。「凄いね。こんなにたくさんの包丁を使い分けているなんて。私なんか、1本しか持ってないよ。それで、肉でも、果物でも、なんでも切っちゃうよ。あっ。勿論、その都度、洗うよ」
すると、「私もだよ」と、友人。
「えっ? こんなにたくさんあるのに、使うのは1本なの?」と確認すると、しっかりと頷く友人。
なんでも、義理のお母さんから結婚祝いに、包丁セットを貰ってしまったのだが、どう使い分けていいかわからず、だが、そうとは言えず、有り難く、キッチンには並べているものの、使うのは、手ごろなサイズの1本だけだとのこと。
「切れれば、いいんだもんね」と、同調する私に、「だけどさ」と友人は話し出します。
なんかの集まりの時に、義母と一緒にキッチンに立つことがあったそうです。
そこで、デキる嫁を演じるつもりで、玉ねぎのみじん切りに、笑顔で臨んでいたところ、「どうして、その包丁で切ってらっしゃるの?」と、するどいつっこみが入ったそうで。
しょうがないので、「あれっ?」としらばっくれた後、涙が止まらないとかなんとか呟いて、炒めたり、混ぜたりといった作業にだけ参加するという作戦変更をしたらしいのです。
その日一日中、義母の視線がやけにねっとり絡みつくようだったという友人は、「前日に、勉強しておけば良かったよ」と反省していました。
で、その後、勉強したのかと尋ねると、友人は「いや、まだ」と答えました。
その口ぶりから、向学心はそれほどないと、よみましたね、私は。

皆さんはどうなんでしょう?
何本もの包丁を、その素材によって、使い分けているのでしょうか?
だとしたら、いつ、それを学んだんでしょう?
学校で?
それとも、親の手伝いをしているうちに、自然と・・・なのでしょうか?
かもしれませんね。
料理下手な母は、1本の包丁しかもっていませんでしたから。
それを見て育った私だから、売り場にたくさんの種類の包丁が並んでいるのを見ても、1本だけ買うことに、なんの迷いも、疑問ももたなかったのでしょう。
日常的に使っている包丁の本数のデータって、どこかにないもんかと、やけに深追いしたくなってしまいます。

ブログ内検索

  • アーカイブ


  • Copyright© 2011-2025 Nozomi Katsura All rights reserved. No reproduction and republication without written permission.

    error: Content is protected !!
    Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.