お茶会

  • 2012年04月23日

行きがかり上の出来事でした。
生まれて初めて、お茶会なる場所に参加することになりました。
茶道なんて、まったく興味のない世界でしたが、一旦参加を決意したならば、せいぜい楽しもうと友人を誘うことにしました。
その友人も、私同様、生まれて初めてのお茶会参加でした。

場所は、都内の某大学内の一角。
人生の大先輩たちが、慣れた感じで和服をお召しになっているのを見て、ヤバいところに来てしまったのではないかと、友人と声を潜めて話し合いましたが、結論が出るわけもなく。
そうこうしているうちに、「さ、こちらへ」などと声がかけられ、部屋に足を踏み入れることに。
そこは和室で、どこに座ったらいいのかと、一瞬途方に暮れかかりましたが、前の人たちの後にくっついて進み、取り敢えず、その人たちの隣に正座をしました。
これは、早めにカミングアウトしておいた方がよかろうと判断し、隣の方たちへ「私たち、生まれて初めてなんです。多分、失礼をすると思いますので、その時には、どうぞ注意してください」とお願いしました。
隣席の方たちは、鷹揚に微笑みました。
その微笑みを、了解と受け取り、私と友人は、緊張したまま開始を待ちました。
部屋には、続々と、人が入ってきます。
と、部屋の入口付近で渋滞がおきだしました。
そうしたなか、座りだしたので、明らかに、入口付近が窮屈そうでした。
すると、中央付近に座っていた人が、「どうぞ、上座にお座りになって」と渋滞の中で座っている人たちに声をかけました。
ですが、10人ほどの人たちは皆「いえいえ。ここで結構です」と答え、上座に移動する気は、誰にもないようでした。
すると、中央付近の人が、今度は私の隣席に座っている人たちに声をかけました。「では、そちらから、ずれていただいて、少しずつ、詰めてはいかがでしょう」と。
位置的にいって、隣席の人たちがずれる先は、その部屋で上座にあたるところしかありません。
そのせいでしょうか。
隣席の人たちは「いえいえ。とんでもございません。どうぞ、どなたか、お座りになってください」と、拒否宣言。
「それでは」と、上座に座ろうとする勇気のある人は、誰もいないようで、「どうそ、お座りなって」という言葉が行き交うだけ。
遠慮と配慮をしているのでしょうが、部屋の雰囲気は、悪い方へと進んでいる気がしてしょうがありません。
メンドーになってきた私は、思い切って「そんじゃ、私が」と言いたいところでしたが、残念ながら、生まれて初めてのお茶会で、上座に座る心の強さは、持ち合わせておりません。
結局、その場を救ってくれたのは、男性二人。
埒が明かないと踏んだのでしょうか。
男性の二人連れが上座に座ってくれました。
そのお茶会は、どの部屋も女だらけ。
そこに参加しているってだけで、随分と勇気のある二人だと思っていましたが、上座を巡って繰り広げられていた女の無意味な争いに、終止符を打つ勇気ももっていると知り、拍手を送りたいぐらいでした。

礼儀とか行儀とかって、元々は相手を敬う気持ちからスタートしていると思うのですが、それを厳格に意識し過ぎると、こんな風に、嫌な空気を作ってしまうこともあるんですね。

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