ブーム
- 2012年05月03日
中学生の頃、仲間内では、いくつかのブームが生まれ、消えていきました。
今振り返ると、いったいどうしてブームになったのか、わからないものも、数多くあります。
たとえば、「おいちょかぶ」。
女子校の私たちが、「おいちょかぶ」などという博打を、どこから仕入れてきたのでしょうか。
気が付けば、休憩時間の度に、「おいちょかぶ」を楽しむように。
もう、「おいちょかぶ」ひと筋。
ほかのゲームは一切しません。
飽きもせず、一つのゲームばかりをしていたのですから、「おいちょかぶ」には、深い魅力があったのでしょう。今では、ルールもうろ覚えですが。
やがて、唐突に、学校から通達が発せられました。
学校にトランプを持ってくるのは禁止というものでした。
クラスの誰かが、教師にちくったのでしょう。
私たちは、不良グループではなく、ごく平凡な女子中学生でしたので、休憩時間のトランプ遊びが、素行の悪化や、優良な生徒に悪影響を及ぼすといった心配は皆無のはず。
しかし、不思議なことがまかり通るのが、学校というところです。
とにかく禁止にしちゃえとばかりに、新規則が発表されたのでした。
そこで、私たちはどうしたか。
まだまだ、「おいちょかぶ」は楽しみたい。
結果、トランプを手作りすることに。
なにか言われた時に、「これはトランプじゃなくて、手製のカードです」と反撃できるから、といういたってシンプルな理由からでした。
そして、ついでにコインも手作りすることに。
それまでは、ただ「おいちょかぶ」をトランプゲームとして、単純に楽しんでいただけだったのですが、ちょっぴり芽生えた反骨心が、賭けにしたら、どうだろう? という新発想に繋がりました。
そして、ルーズリーフをカットし、折って作った、手作りコインが完成。
毎朝、全員が同じ金額からスタート。
休憩時間の度に、勝負をしていき、6時限目になった時、誰が一番のお金持ちになっているかを争うという、「おいちょかぶ」本来の楽しみ方に近づいていました。
ある日のこと。
休憩時間だというのに、教師が教室に入ってきました。
突然のことで、カードを隠す間がありませんでした。
しっかり、教師に「おいちょかぶ」遊びを目撃されてしまいました。
「こら、なにをしている」と教師に注意されます。
私たちは「手作りカードの出来を見せ合っている」と答えました。
が、そんな言い訳が通じるわけもなく、没収されてしまいました。
しゅんとなった私たちでしたが、ちょうど、飽きる頃合いだったのでしょう。
二、三日後には、別のブームに夢中になっていました。
それにしても・・・どうして、トランプはダメだったんでしょうか?
学校っていうのは、ワンダーランドですね。