マスカラ
- 2012年06月11日
眼科クリニックへ行きました。
人間ドックを受けたところ、その結果から、眼科で再検査を受けるよう勧められたせいです。
最後に眼科に行ったのは、いつのことか・・・三十年以上も前になるんじゃないかと気が付き、愕然としました。
小学生の頃の私は、「ものもらい」と呼ばれる腫物がよくできて、しょっちゅう眼科に行っていました。
普段から一重のはれぼったい目をしているせいで、「ものもらい」になっても、誰にも気づいてもらえなかったのも、今となっては、笑える思い出です。
中学に入った途端、「ものもらい」とは縁が切れて、以後、眼科に行く機会はありませんでした。
ネットで近所の眼科を探し、訪ねてみると、そこは女医さんがやっているクリニックでした。
診察室で、女医の前に座った途端、思わず、心の中で「おぉ」と声を上げそうに。
和風顔の女医は、一重。
恐らく、そこに生えているであろうまつ毛は、短く、下向きでありましょう。
それを、物凄く一生懸命に、マスカラで立ち上げていたのです。
マスカラをどこにも滲ませることなく、これだけ、思いっきり立ち上げるには、匠の技があるからでは・・・と、感動さえ覚えます。
が、しかし、眼科医として、それはOKなのか? との疑問も浮かびます。
目を大きくすることに無茶をする娘さんたちに「目に悪いから、止めなさい」と、たしなめるポジションじゃないのか?
それとも、ちょっとでも目を大きく見せたい女心がわかる女医として、独自のスタンスを取り、患者を集めているのか?
たくさんの疑問を抱えたまま、女医からの質問に、上の空で答える私。
隣の検査室に行き、女性スタッフの指示のもと、へこたれそうになるほどの数の検査をこなしました。
よれよれの状態で、診察室に戻ると、再び私の目は女医のまつ毛に、釘付けに。
ビューラーの段階で、熟練者としての技があったりするのだろうか?
マスカラは、どこのだろう。
ダマにならずに、こんなに長くできるのは、2度塗りぐらいじゃ無理ではないのか?
朝の支度に、何分ぐらいかかっているのだろう。
好奇心はどんどん膨らんでいきます。
女医のまつ毛に集中し過ぎて、肝心の診察結果は、ほとんど聞いていなかったというオチは、いかがなものかと反省しつつ、クリニックを後にしました。