お酒
- 2012年07月19日
お酒を飲めなくなったのは、いつからなのか、ちょっとはっきりしません。
今では、グラスに入ったビールを3センチほど飲んだぐらいで、頭痛がします。
若い頃も、ほんのちょっとのアルコール摂取で体調不良になっていましたが、皆、そんなもんだろうと割り切り、若さで乗り切っていました。
が、そんな無理はきかなくなり、さらに、そんな無理する必要あるのか? と開き直るようになって、今ではどんな宴席でも、まったく口にしなくなりました。
昔とは違って、「お酒を飲めない」とカミングアウトしにくいような雰囲気は、なくなりましたしね。
お酒は飲まずとも、宴席を楽しむ気は満々なので、誘われれば、ほいほい出かけていきます。
そして、素面で、酔っ払いたちと渡り合います。
時々、酔っ払いたちにてこずることもありますが、たいていの場合、楽しい時間になります。
初めてお酒を飲んだ時のことは・・・なかなか恥ずかしい思い出になっています。
最初はビールでした。
苦くて、全然美味しくなかったので、隣席の友人が飲んでいた、サワーを注文しました。
色がきれいで、ジュースのような甘さがあるように思えたからです。
味の違うサワーを何杯か飲んだ後、日本酒を飲む向かいの席の友人が、やけに大人に見えて、私もと注文。
その後、ウイスキーの水割りを飲んでいたという証言はあるのですが、私の記憶は、所々欠けていて、はっきりしません。
終電を逃してしまった私たち、女四人は、タクシーに乗り込みました。
と、私の容体は急変。
それに気づいた友人が、自分のバッグの中身を、バサッと、隣の友人のバッグに移し替え「吐くなら、ここに」と、空にしたバッグを差し出してきました。
その友人の言葉に敏感に反応したのは、タクシーの運転手で「えっ。吐くの? 困るよ~。吐くなら、降りてよ」と、言ってきました。
友人は「シートには吐きませんから。シートには」と、力強く訴えます。
酔っぱらって、頭はぼんやりしていましたが、一部分だけが、辛うじて動いていました。
その冷静な部分が、いや、友人のバッグに吐いちゃ、ダメでしょうと、己に言ってきます。なんとか、我慢せよとの指令も出します。
結局、三人からの「頑張れ」という声に励まされ、なんとか吐かずに、友人の家に到着。
私は友人らに抱きかかえられて、トイレに連れていかれました。
右にいた友人が、便座を上げて、準備を整えると、左にいた友人が、私の長い髪を後ろで持ってくれます。
「よくここまで頑張った。吐いてよし」との友人の言葉を聞いた途端・・・。
お酒のパワーと、友情の有り難さを思い知った、出来事でした。