「彼とわたしの漂流日記」
- 2012年07月30日
韓国映画「彼とわたしの漂流日記」のDVDを観ました。
設定がナンセンスで面白かったです。
大都会を流れる川の中州に漂着した主役の男性が、命を繋ぐために、段々たくましくなっていきます。
その外見はどんどん酷くなっていきますが、知恵を絞り、なんとか生きていこうとする姿は、どんどん魅力的になっていくのです。
大笑いしてしまったのは、こんなシーン。
中州にはゴミなどが漂着してくるのですが、その中に、インスタント食品のソースの袋があるのを、主役の男性が発見。しかも未使用のを。
その袋の裏に書いてある材料を、男性が一つひとつ読み上げて、深いため息をつくのです。
普通なら、無味乾燥なソースの袋の裏書きが、その男性が置かれた環境では、キラキラ輝く宝石のように感じられる、といったシーンです。
なんとも、可笑しいし、その男性がなんだか可愛く思えます。
また、自分が、そこにいたら、同じようにため息をつきそうな気がして、共感まで生んでしまう場面になっています。
その後、このソースの袋が、この男性のやる気に火をつけ、奇跡を生むのですから、ストーリー上、キーとなるシーンでもあります。
それほど、たくさんの韓国映画を観てきたわけではありませんが、いつも設定が秀逸だなと、感心してしまいます。
以前観た映画では、自分は機械だと思い込んでいる女の子が、主役でした。
機械だと思っているので、食事はしません。
食事をすると、壊れてしまうと考えているのです。
それで、食事時間になると、一人だけ乾電池を舐めています。
凄いでしょ。この設定。
こんな風にちょっと可笑しくて、でも、ちゃんと感情移入できるような設定の小説を、書いてみたいもんだと、改めて思いました。