書道
- 2012年09月20日
手紙を書くことが、というよりは、書かなくてはいけないシチュエーションに追い込まれることが、多々あります。
そんな時には、名前を入れた便箋を使います。
「おっ、名前入り」と驚かし、本文の字の下手さから気を逸らそうとする作戦です。
一つは、和紙に名前を入れたもの。
趣があってよろしいのですが、和紙の繊維が、万年筆のペン先に引っかかってしまい、その度に、ルーペをかざし、爪楊枝で繊維を外す作業をしなければならず、メンドーです。
もう一つは、少しモダンなテイストの入ったもの。
こちらは、対照的に紙質がつるつるしていて、お陰でペン先に繊維が引っかかることはないものの、あまりに抵抗感がないためか、字がさらにへたっぴーに。
あまりに下手なので、一念発起し、数年前に、通信講座のペン字を習い出しました。
毎週、課題を提出し、無事、講座を修了。
この時点では、だいぶ修正され、見本のようにはいかないものの、なんとか見るに耐えられるほどにはなりました。
が、頑固なのか、慣れなのか、徐々に、元のへたっぴーな字に戻っていくんですね、これが。
いかん、いかん。
せっかくお金と時間をかけて、修正したのに、これでは元の木阿弥。
しょうがないので、新作の執筆が終わった後の、一ヵ月のお休み期間中などに、テキストを取り出し、復習を。
てなことをやってるうちに、ネットで習える習字講座なるものを発見。
ペン字の次は、習字ではないだろうか、と考えた私は、早速申し込むことに。
テキストを見ながら、課題を半紙に書いたら、それをPDFで取り込み、そのデータを送信して提出。
先生が赤入れをしたものが、ネット上にアップされるので、それを印刷して、ふむふむと理解するという流れです。
最初に提出した課題から判断されたのでしょう。八級からスタートすることに。
そんなに下にも、級ってあるんですね、と思った途端、大学一年の、習字の授業の苦い記憶が蘇ってきました。
国文科だったせいでしょうか。
習字は必修授業でした。
「いろはにほへ」の六文字からスタートし、先生から合格を貰えると、次に「とちりぬるを」へ進み、それが合格したら、「わかよたれそ」へ・・・と、進んでいきます。
上手な子が、平仮名を終え、カタカナを終え、漢字を終え、小筆で百人一首などをさらさらと書いているなか、私は半年間、ずっと「いろはにほへ」を書いていました。
先生から合格が貰えないんです。
先生のお手本の上に、半紙をおき、写して書いているというのに、合格が貰えない。
今、振り返ると、「先生も、いい加減、合格出してやれよ」と思いますね。
もう少しで、グレそうでしたから、私。
結局、半年間の授業を終えるまで合格を貰えなかったのですが、出席さえしていれば、単位は取れるという方針だったため、単位を取得することはできました。
大学の先生とは違い、ネットの習字講座の先生は、褒めて伸ばすタイプだったため、私の提出課題に、大きく二重丸なんかをくれました。
お陰で、不貞腐れたり、小石を蹴ったりすることなく、徐々に級を上げていくことができました。
楷書を終え、草書を終え、今は、一休み。
また、新たな講座を受講しようかと、考え中です。