必死な亀

  • 2012年10月08日

自宅近くにある洋食屋。
昼時になると、いつも行列ができるほどの人気です。
私は一度も行ったことがないので、何故、それほど人気があるのか、わかってはいません。
オフィス街にあるためか、昼休憩時間の13時を過ぎると、ぴたっと客足が止まるように思われます。
なぜ、一度も行ったことがないのに、そのようなことがわかるかといいますと、13時10分に、店の前を通り過ぎると、店のスタッフと思われる女性が、店先にある水槽の掃除をしているからです。これ、ほぼ毎日。
店内が忙しい時に、水槽掃除をするとは思われないので、混雑のピークは13時前に終わるのだろうと推察しています。

この店のスタッフが愛情を込めて掃除をしている水槽の中には、亀が一匹のみ。
甲羅の長さが三十センチほどの、ビッグサイズの亀です。
水槽の底には、小石が敷き詰められていて、水深は二十センチほど。
この水深二十センチが、この亀にとって、適量なのか、水槽の前を通る度、私は疑問に思ってしまうのです。
見る度に、亀が必死な様子なもんで。

小石の上の足は、思いっきり伸びきっていて、精一杯体を上へ伸ばしています。前足の二本は、水槽の二面にそれぞれあてられ、体がぐらつかないよう支えています。そして、首は筋が何本も浮かぶほど、ぐいっと上に伸ばされています。
こうまでして、やっと亀の口は、水面にぎりぎり出るといった状態。
どう見ても、苦しそう。
この姿勢で、二十四時間過ごしているのかは、わかりませんが、私が水槽の前を通る時には、必ず、この状態。
どうか、この亀が、楽な姿勢で呼吸できるぐらいの水深にしてやってくれませんかと、店の人に訴えたくなるってもんです。
が、そんなものは大きなお世話で、うちの飼育方法に口出ししないでくださいと怒られてしまうかも。
毎日水槽掃除をしているのを見れば、愛情がないとは思えず、また、毎日水を入れ替えているのに、あえて、毎日この深さにしているというのは、私には想像もつかない理由があるのかもしれませんしね。
今の私にできることといえば・・・水槽の前を通る度に、「頑張れっ」と声援を送ることでしょうか。

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