そこは、高級ホテルの中にあるラウンジでした。
3人で打ち合わせをしているうちに、小腹が空いたということになり、軽くつまめるものを1皿頼もうということに。
そこで、サンドイッチを1皿注文。
しばらくして出てきた皿を見て、絶句。
様々な素材を、食パンサイズの2枚のパンで挟んでいるのですが、それがなんと、2つにカットされてあったのです。
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3人で1皿注文してるんだから、シェアするつもりで頼んでるのかもしれないと、ウエイターはちらっとも考えなかったんでしょうか?
通常は2つにカットして、提供しているものだったとしても、ひと言、「サンドイッチは3つにカットした方がいいですか?」と確認してみたって、罰は当たらないはず。
私たちの風体が怖かったとして、尋ねる勇気がもてなかったというならば、せめて、キッチンにオーダーを通す時、パンは3つにカットしてくれと頼むぐらい、できたはず。
サービスって、なんでしょう?
私たち3人は、しばしの間、口をあんぐり開けたまま、サンドイッチを見つめていました。
遠慮をしあってしまったせいか、誰もサンドイッチには手を伸ばさず仕舞い。
そのうち、1人が、ひと足先に帰ることに。
もう1人が、トイレに行って、私だけが席にいたところ、件のウエイターが近づいてきて、午後3時で閉店だと言い出しました。
時計を見ると、3時ちょうどぐらい。
いったんクローズして、また、夜になって、バーとして、再び店を開けるスタイルなのでしょう。
今、1人、トイレに行っているので、戻ってきたら、すぐに出ますからと私が言うと、片づけてもいいですか? と、サンドイッチの皿を指差します。
2つにカットされてあるがゆえに、手つかず状態になってしまったサンドイッチを。
なんだ、お前。
と、思った私は「食べます。速攻で食べます」と言い切り、ウエイターを下がらせました。
サンドイッチを食べずに、このまま片づけさせてしまうのは、なんだか、負けたような気分がしたのです。
なんで、そんな気持ちになったのかは、よくわかりませんが、とにかく、食ってやるという強い意気込みで、サンドイッチを食べ始めました。
トイレから戻ってきた人は、サンドイッチをむさぼり食らう私を見て、ちょっと驚いた様子でした。
今の私たちにできることは、このサンドイッチを速攻で食べ終えることだと説明し、その人にも急いで食べるよう促しました。
わざとらしく、側を行ったり来たりしているウエイターをシカトし、なんとか食べ終えると、私たちは店を出ました。二度とこの店には来ないとの決意をしながら。
今、冷静になって考えてみると、2つにカットされたサンドイッチを、さらにカットするよう指示すればよかったんですね。6つとか。
びっくりし過ぎて、その時は、そこまで頭が回りませんでしたが。
サービスとはなにかを考えさせられる、出来事でした。
今週末の日曜日から、「恋愛検定」のドラマが始まります。
放送は、6月3日の日曜、BSプレミアムで、午後10時スタートです。
毎週日曜のこの時間帯で、全4話が放送されます。
再放送は、翌日曜の午後0時からだそうです。
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先日、このドラマの撮影をしている緑山スタジオに、遊びに行ってきました。
俳優さんは勿論のこと、大勢のスタッフさんたちが、とてもプロフェッショナルで、恰好良かったです。
たくさんのプロたちが、それぞれの仕事に心血を注いで、1シーンずつ撮っていく姿は、感動ものでした。
執筆という孤独な仕事をしている身には、集団で1つの目標に向かっていく、その風景は、ちょっと羨ましいぐらいでした。
それぞれが放つ熱と熱が混じり合い、化学反応を起こしていくのは、チームで戦っているが故でしょうし、それがまた、醍醐味でもあるんでしょう。
第3話で、石橋を叩き続ける男を演じてくださる、武田真治さんにご挨拶をさせていただきました。
天真爛漫な子どものような笑顔を見せる武田さんは、イケメンでした。当たり前ですが。
ひょうきんなことを言って、場を盛り上げてくださっていたなぁと思っていると、1分後には、カメラの前で、クールに役を演じていて、その切り替えの速さにはびっくりでした。
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この画像は、食堂で食べたカレーライス。
前日に人間ドックで胃カメラを飲んでいたせいか、いつもならぺろりといけるぐらいの量なのに、食べきるのがちょっとばっかり大変でした。
とは言いつつも、完食。
懐かしい味わいのカレーでした。
スマホが手元になくて、同行してくれていた編集者が撮影してくれたものを、拝借しました。
小説「恋愛検定」の帯が新しくなったので、ご案内しておきます。
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ドラマに出演される俳優さんたちの顔が並ぶ、大変インパクトのある帯になりました。
脚のむくみが酷くて困っています。
冬は勿論、一年中、季節に関係なく、むくみます。
重度の冷え性と因果関係があるのではないかと睨んでいます。
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朝は大丈夫でも、昼食を摂る頃には、パンパンになっていて、屈んでモノを取ろうとすると、膝が曲がらないんじゃないかと心配するほどです。
ずっと座って執筆しているとはいえ、このむくみは異常ですね。
ある日、テレビをぼんやり眺めていたら、加圧式のストッキングのCMが始まりました。
ん?
これかもしれない。
閃きました。
漢方だとか、運動だとか、食事療法だとか、そういう、時間と根性のいるものは、私には向いてません。
てっとり早く、このむくみを解消するには、物理的に、むくまないように、押さえ込んじまえばいいんじゃないか?
なんだ、簡単。
ということで、早速ネットで、探すことに。
いろんなタイプのが売られていました。
そこで、ストッキング、トレンカ、さらに就寝中にはくタイプのものを各一個ずつ購入。
まずは、就寝中にはくタイプのものに足を入れようとして、慌てました。
締め付けがきつすぎて、足を入れられません。
ぐっと奥歯を噛んで、なんとか足首までは入れましたが、そっから先のことを考えると、眩暈がしそう。
仮に、なんとかはききったとして、こんなにきつくて、眠れるんだろうかとの疑問も浮かんできます。
急いで、ごみ箱からパッケージを摘み上げ、サイズを確認。
「L」に、間違いなし。
ってことは、私の脚は「L」サイズではないのか?
見つめたくない事実に直面させられてしまい、なぜか部屋の隅を見つめる私。
取り敢えず、明日考えようと、気持ちを切り替え、その日は、はくのを止めました。
翌日になり、トレンカタイプのものにトライ。
こちらもきつかったのですが、就寝中にはくタイプほどではなく、なんとか膝まで引っ張り上げることに成功。
やればできるじゃないかと、自分を励まし続け、とうとう、腰の位置まで引っ張り上げきりました。
ふうっ。
大仕事だわ、これ。
と、はくのに、手こずりはしましたが、そんな大変さを払拭する、使用感の素晴らしさでした。
加圧式トレンカ、凄いです。
なんたって、まったくむくまない。
夜になっても、ガンガン膝を曲げられるし、重くない。
足さばきも軽やかになっている気が。
トイレに行く度、トレンカを腰の位置まで引っ張り戻す際に、つい力が入って「うりゃ」と声が出てしまうのを、恥ずかしいとさえ思わなければ、これは☆5つもんです。
全国のむくみ女子に告ぐ。
加圧式靴下にトライすべし。
小学生の低学年時分、仲良くしていた友人がいました。
同じ学校には行ってましたが、クラスが同じになったことは一度もありませんでした。
だったら、どうして知り合ったのか・・・今では思い出せません。
その子の家はとても居心地が良くて、私は入り浸っていました。
家には、たいてい友人と、お姉ちゃんがいて、お祖母ちゃんがいました。
ご両親は働いていたので、家には、その三人きりでした。
そこにちょくちょく私がお邪魔していたのです。
その家には立派な七段飾りの雛人形があり、それを飾る時には、友人とお姉ちゃんと、お祖母ちゃんと私の四人で行いました。
「そっと剥がすのよ」とお祖母ちゃんに言われた私たちは、お人形をくるんでいる薄紙を、そっと剥がします。
それはそれは大切に扱ったものです。
授業中には絶対にお目にかかれないほどの、集中力で。
その家には小さな庭があり、枇杷の木が一本ありました。
それを食べていい時期かどうかを判断するのは、お姉ちゃんでした。
じっと実を眺め、「まだ」とお姉ちゃんが言います。
私と友人は、もういいんじゃないかと、お姉ちゃんに訴えます。
食べたいんですね、一刻でも早く。
ですが、お姉ちゃんの決断は微動だにしません。
待てないのには、もう一つ理由がありました。
カラスです。
ヤツらも枇杷を狙っていて、今日こそは食べられると思っていた矢先に、カラスに食べ尽くされたしまったという苦い経験があったのです。
カラスに食べられるぐらいなら、完熟前でも構わない。
逸る私と友人とは違って、お姉ちゃんはいたって冷静。
もぐ許可を私たちにくれません。
ぶーたれながらも数日をやり過ごします。
そして、ようやくその日を迎えます。
お姉ちゃんがじっと枇杷の実を見つめた後、にかっと笑って「食べよう」と言う日が。
お姉ちゃんはどんどん登っていきます。
そして、てっぺん付近の実はお姉ちゃんが、真ん中あたりのは友人が。そして、運動音痴で登れない私は、下の方になっている実を食べ始めます。
美味しいのなんのって。
甘くて、ジューシーで。
私たちは、なにかに憑かれたかのように、ひたすら枇杷を食べ続けました。
熟すまで、待った甲斐がありましたし、カラスに勝ったぜ、という気持ちもあり、大満足の日でした。
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再び味わってみたくて、時折、枇杷を買うのですが、あの時の美味しさを超えるものとは出会えていません。
もぎたてのものと比べたら、味が落ちるのは、当然といえば当然なのですが。