東京タワーへ
- 2013年05月06日
先日、東京タワーに行きました。
特設会場で開かれている「山本作兵衛展」を観るためです。
長年、炭鉱夫として働いた作兵衛さんが、引退後に、炭鉱のことを子孫らに書き残しておこうと、絵筆を取ったのが始まりで、1000点以上の炭鉱記録画を残したといわれているそうです。
作兵衛さんの炭鉱記録画は、ユネスコの世界記録遺産に登録されたのをきっかけに、それまで以上に注目を集めたようです。
それが、なぜ、東京タワーの特設会場での開催なのかは、わかりませんが、とにかく、一度、観てみたいと思っていたので、足を運びました。
行ったのは、平日の昼間。
こうした時間帯に、よく美術館へ行くのですが、びっくりするほど混んでいたりするもんです。
会社勤めを引退された方や、仕事の合間っぽい人などの姿を、多く、見かけます。
が、この会場は、数えるくらいの来館者。
どうしてだろうかと首を傾げながらも、ま、ゆっくり観られるからいいかと納得させ、いざ、観始めると・・・。
掟破りの人たちばっかりで。
通常、絵を見る時には、絵を観ている人の前には立たない、という暗黙のルールがあります。
また、絵を観終わり、次の絵へと移動する際も、誰かの視線を遮っていないだろうかと配慮をしながら、移動します。
こうしたルールも、大混雑している館内などでは、しばしば無視されてしまうことも、あるっちゃ、あるのですが、それは、やはり、混雑しているからで。
その日の館内は、すっかすかの来館者だったにも拘らず、平気で、私の前に立つ皆さん方。
こうした場に来慣れていない人たちなのでしょうか。
そうしたルール無視にめげず、絵を観て歩いていると・・・私の前に女性の二人組が立ちました。
と、そのうちの一人が、こともあろうに、額装されている絵のガラスを、指で、すうっと撫でたのです。
失神しそうになりました、私は。
あまりの衝撃で。
自分を取り戻せるようになるまで、しばしの時間がかかりましたね。
それからは、ガラス付きの額装で、良かった、と、安堵する気持ちや、見張りのスタッフは、なにをしとるんじゃといった、ツッコミ、あの女を逮捕しろという思いなどが、次から次に湧き起こりました。
小学校の廊下に貼ってある、子どもたちの絵のような、感覚だったんでしょうか。
絵を指で触ろうなどという発想の元は。
そうした絵だって、触っちゃ、ダメだと思いますが。
いやいや、心臓に悪い。
思わず、館内にあったソファに腰掛け、心と心臓を休めました。
皆さんは、どうか、許可されていない芸術作品に触れるなどという、暴挙はなさいませんように。