「アメイジン・グレイス」

  • 2013年05月09日

最近観た映画のDVDから、面白かったもののご紹介です。

まずは「アメイジン・グレイス」。
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これ、映画のタイトルなんですが、名曲「アメイジング・グレイス」がどうやって生まれたのかというのがテーマの1つになっているので、曲名をそのまま映画のタイトルにしたようですね。
この曲、それまでは歌詞に注意を払うこともなく、「綺麗なメロディーだな」程度にしか思っていませんでした。
ですが、曲の誕生に、こんな物語があったと知った途端、それまでとは全然違ったように聞こえてくるから、不思議です。
DVDの説明書きによれば、奴隷解放のために戦った実在の政治家の話がベースになっているそうで、さらにびっくりしました。
あまりに恰好いいんです。この政治家が。
映画の中にだけしか存在しないような、スーパーヒーロー。
正義感が強くて、公平で。どんな目に遭おうと、信念が折れない。
あまりに完璧な描かれようなので、てっきり、制作側の願望が入りまくった主人公かと思っていました。
物語は政治家の話なので、地味な展開が続きますが、その分リアリティーがあり、一人の人間の人生の重みが、じーんと胸にきます。

次にご紹介するのは「英国王のスピーチ」。
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たくさんの賞を取った作品なので、すでにご覧になった方も多いかもしれませんね。
ジョージ6世が吃音だったことも知らなかった私でしたので、伝記映画として楽しんで観ましたが、それだけでなく、一人の男の成長物語としても面白かったです。
どちらかというと、ジョージ6世の兄のエドワードの方が、日本では知られていたのではないでしょうか。
エドワードが王位の座を捨てて愛を選んだというドラマチックな話は、女性誌などで、しばしば取り上げられてきました。
女性が好きな話なんですね。
この映画では、その兄の代りに王の座に就くことになったジョージの苦悩や孤独、挫折といったものを描いています。
イギリスの王という、自分とは全然違う世界の人なのに、その心の痛みにすっと感情移入できてしまうから、不思議です。映画の力でしょうか。
最後の渾身のスピーチでは、思わず「頑張れっ。あともうちょっとだ」と肩に力を入れて応援してしまったのも、映画の力のなせる業でしょうか。
最後にジョージ6世の顔がアップになるのですが、これが、自信を得た男といった、いい顔なんです。
こういう役者の表情1つで、感動を作れるのが、映画の凄いところですよね。
作家としては、嫉妬を覚えるところでもありますが。

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