消しゴムのカス
- 2013年06月27日
原稿はキーボードを叩いて、書いていきます。
このほかに、手書きで行う作業もあります。
「ゲラにアカを入れる」と呼ぶ行為の時です。
印刷所から上がってきた原稿を、再度読み直し、ここはやっぱり変えたいと思った時には、赤色のペンで、修正内容を手書きし、印刷所の担当者にどう直すかを伝えることを、「ゲラにアカを入れる」と言います。
こういった時、まず、1回原稿を読んでいくのですが、その際には、鉛筆で、ちょこちょこと紙の余白に修正内容を書いておきます。
読み終えたら、再度読み直していくのですが、この時、印刷されている文章と、変えようと考えた自分の鉛筆の文字を比べ、どちらがいいか、それともまったく別の文章に変えるかといったことを考えます。
よし、これで。
と、決めたら、赤色のボールペンで正式に修正内容を書いていきます。
次に、書いてあった鉛筆の文字を消します。
印刷所の人が、どっちが本当の修正指示か、わからなくならないよう、消し去っておかなくてはいけないからです。
で、消しゴムでもって、ごしごしとやります。
あっちも、こっちも消して、ごしごしとやりますと、当然、結構な量のカスが出ます。
これを、手ではらうのですが、指には脂があるんですね。
紙に、はらった時の指の跡が残ってしまったりします。
私の指が脂性なのかもしれませんが。
神経質なほうではないのですが、この「ゲラを汚くする」という行為はどうにも、許せんのです。
そこで、なにかよい方法はないだろうかと考えた末、脂っぽい手でカスをはらうから、跡が残るのであって、手を使わなければよいのではないかとの結論に辿り着きました。
それで、購入したのが、羽ぼうきです。
ネットで購入し、届いた封筒を開けた途端、獣の臭いがした時には、失敗したのではと思いましたが、やがて、鼻が慣れたのか、臭いが薄れたのか、気にならなくなりました。
この羽で、ゲラの上の消しゴムのカスをはらうと、指の脂が紙に残らず、すっきりした気分で作業を進めることができます。
と、ここまでだと、とてもゲラを大切にしている人で、終わる話なのですが・・・。
気持ちはあっても、ドジを治すことはできず、でして。
コーヒーの染みを付けてしまったり、顔を掻いた後で触ったせいか、ファンデーション色の指紋をくっきりと付けてしまったりと、印刷所の方が顔を顰めそうなことも、しょっちゅうしでかしています。